Photography by Go Tanabe
Hair by Yoshikazu Miyamoto
Edit & Text by Yuho Nomura
ファッションにおいて永遠のスタンダードである一方で、スペシャルなカラーでもある“ブラック”。フォーマルなシーンやモードな世界観など、さまざまなスタイルでの象徴ともいえる洗練されたブラックを、いかにして日常に落とし込んでいくのか。ディレクターの内山が語るブラックの魅力と４つのスタイルサンプルを通して紐解いていきます。
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Black Look
Linen Jacket
これからの時期、ジャケットを主役にするなら、肌馴染みの良いリネン素材のブラックカラーを選べば、よりモダンな空気感を演出できます。アイボリーの軽やかなトラウザーズとのコントラストも美しく、インナーに差し込んだブラウンのシャツもしっかりと際立ち、スタイリング全体を引き締めます。
今の気分に最適なカラー
「普段はベーシックなカラーのなかでも、特にネイビーを好んで着る機会が多いのですが、最近はブラックが気分です。明確な理由があるわけではないのですが、今の自分の気分に合っていて、とても新鮮に感じられます。ブラックは、普遍的な色でありながら、特にモードなスタイルやフォーマルなシーンでの印象が強いと思いますが、その一方で実はすごく可能性に満ちたカラーだとも思っています。というのもブラックは洗練された雰囲気や都会的なムードも感じられるので、私たちが提案する日常着への落とし込み方によって上品さはもちろん、とてもモダンに昇華されると思います。今シーズンは、そうしたモードやフォーマルではない日常着としてのブラックを、私たちの提案のひとつとしています」
02
Black Look
Patterned Cotton Shirt
軽やかな透け感を表現した柄のシャツは、羽織るだけで自然と大人の色気を感じさせてくれます。インナーとボトムスはモノトーンを意識したホワイトで統一し、爽やかで開放感のある着こなしに洗練された印象をプラスしました。
ニュー・トラディショナルなブラック
「私がディレクター、あるいはバイヤーとしてファションの新しい提案をするときに、常に意識していることのひとつがハードルを上げすぎないということ。例えば、今あるワードローブを刷新しましょうとか、全身のコーディネイトを丸ごと変えてアップデートしましょう、といった提案ではなく、お気に入りのスタイルに何かひとつ加えるとしたら？ という視点を大切にしています。それは例えば、アイテム軸でネイビーのブレザージャケットやインディゴブルーのデニム、あるいはアースカラーの開襟シャツやシルクのスカーフなど、私達の提案を支持してくれる方々にとって馴染のあるアイテムをブラックに変えることで、よりモダンで都会的なムードを作ることができると思っています。そうして選んだ一着が、自分らしい快適な着こなしに昇華できたなら、それはこれからの時代のニュー・トラディショナルと言えるかもしれませんよね。あとやっぱりブラックカラーって単純にかっこいいじゃないですか」
03
Black Look
Natural Fiber Trousers
ビビッドなトップスを際立たせるなら、ブラックの天然素材のトラウザーズで都会的にアップデートしてみては？
袖捲りやタックイン、素足でのレザーシューズ合わせなど、シンプルながらこなれた印象を与えてくれるはずです。
変動の時代を楽しむための
エッセンス
「話は少し変わりますが、地球規模での気候変動が社会問題になっていますが、ファッションの分野でも同じ様に大きな影響を与えています。例えば、今年も猛暑が予想されますが、そのこと自体はもはや日常となっていて、そのような環境下でもストレスなく快適にファッションを楽しんでいただきたいというのが我々としての素直な願い。その一つの選択肢として、素材だけではなく、色でも気分を盛り上げていきたいという想いもあり、ブラックという色が我々の提案の重要なキーワードの一つになっていると思います。実用性を追い求めながらも、それ以外の情緒的な要素で価値を演出できるエッセンスを投入することで、改めてファッションを楽しめる。激動な時代だからこそ改めてファッションの本質的な魅力を私達なりの解釈と表現で伝えていきたいですね」
04
Black Look
Natural Fiber Shirt
なにかと使い勝手の良いシャツジャケットは、リラックス感のあるスタイルと合わせれば、コーディネイトの引き締め役して機能してくれます。バランス感を意識して、メリハリの効いたスタイリングを楽しみましょう。