ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

クリエイティブから紐解く、次世代に向けた新たなコミュニケーション第2弾 。

ウツワ

2025.02.27

クリエイティブから紐解く、次世代に向けた新たなコミュニケーション第2弾 。

ユナイテッドアローズは、長期ビジョンに向けて「美しい会社 ユナイテッドアローズ」を目指し、新たな取り組みのひとつとして次世代に向けた企業イメージの刷新を始動。昨年10月に「異次元リミックス」をテーマにしたビジュアルが話題となった企業広告第1弾を発信しました。本日2月27日に公開となった第2弾のテーマや狙いはどこにあるのか、ユナイテッドアローズ企業全体のクリエイティブを統括する、チーフクリエイティブオフィサー松本 真哉さんにお話を伺いました。

Photo:Kousuke Matsuki
Text:Rie Watanabe

“今までとは明らかに変わる”企業意思を表現した第1弾。

―まず第1弾は、「異次元リミックス」をテーマにした意外性のあるクリエイティブが印象的でしたが、どういった狙いがあったのでしょうか?

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「明確に伝えたかったことは、今までのユナイテッドアローズの続きではなく、“明らかに変わる、違うことをやっている” という企業の意思です。もちろん継続的にやっていきますが、一面だけではなく、これまでとは違う多面性を持たせるために、キャスティングや構成を考えました。女優の中条あやみさん、原口沙輔さんの音楽と彼が醸し出す世界観、ユナイテッドアローズのイメージとギャップもありながら、文化的な背景を持つリカちゃん、仮想空間を表現する3DCGキャラクターという、想像とかけ離れた登場キャストが、次元を行き来するイメージで、広告自体を深く読み解くというよりは、“何か明らかに違うことをやって騒いでいる” ということを確実に届ける狙いがありました」


―実際の反響はいかがでしたか?

「予想以上にポジティブに捉えていただいたという感触です。これまでとは明確に違うイメージを発信したことで、少し批判的な声もあがるという想像もしていました。ですが、次世代とコミュニケーションを取ることを目的としていたわりには、自分たちよりも年齢層が上の世代からもポジティブなお声をいただくこともあり、 “今までとは明らかに違うことをしようとしている” という企業意思そのものは、発信できたと感じています」

第2弾は「光」をテーマに、凛としたムードを表現。

―ついに公開となった「光」をテーマとした第2弾については、どういったクリエイティブイメージになっているのでしょうか?

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「光というテーマづけの前に、第1弾のミックス感から、第2弾では、本来ユナイテッドアローズが持っている良さや「美しい会社 ユナイテッドアローズ」への繋がりを持たせた凛としたムードのなかで表現したいと思っていました。加えて、春の空気感にもマッチするということを大切に、クリエイティブやキャスティングを考えていきました」

―第2弾では、現代アーティストの森本 啓太さん、歌舞伎役者の片岡 千之助さんを起用していますが、お2人を起用した理由を教えてください。

画像 @KEITA_MORIMOTO

「森本さんの作品に関しては、個人的にも以前から触れる機会がありました。世界中で注目度が高く、今っぽい時代感を捉えた不思議な感覚を持つ作品のなかに、実際に千之助さんが入ったイメージの制作に賛同いただき、ユナイテッドアローズのために登場人物として千之助さんを描いていただくことが叶いました。

千之助さんは、アプローチをしたい次世代の明確な顔でもあり、今回表現したかったユナイテッドアローズらしい凛としたクリエイティブイメージも想像ができたので、起用を決めました。

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実際にお会いして、ビジュアルにもなっている和装での表現をしていただいた際に、圧倒的な迫力で、一瞬にして現場全体が彼の空気感で包まれたのを覚えています。プロフェッショナルな表現はもちろんですが、生き方、考え方、人生観など、表現の枠を超えたものが、想定していたイメージ以上にクリエイティブに落とし込めたと思っています」

気持ちの良い裏切りで、世間の目を向ける“広告インパクト”。

―第2弾のクリエイティブを制作するうえで、大切にしたことは?

「第1弾にもいえますが、“広告インパクト”です。このインパクトが誰にとって、どんなインパクトなのか、というところが大事なポイントなんです。次世代へ向けて発信するビジュアルにユナイテッドアローズのロゴが載ったときに、ロゴにまつわる背景と広告ビジュアルの気持ちの良い裏切りがあることも意識をしていました」


―実際に仕上がったクリエイティブを見て、どのように感じていますか?

「千之助さんの和ものと森本さんのコンテンポラリーな作風、ある意味真逆な表現がミックスされたビジュアルは、それ自体が現代アートのような表現。ユナイテッドアローズのロゴを配して魅せることで、凛としたなかにも謎感の香る、違和感が織りなす不思議なマッチングがありドキっとする、想定していたイメージに仕上がったと思います」

ビジュアルでのコミュニケーションから、新たなフェーズへ。

―最後に今後の展望について教えてください。

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「第1弾、第2弾はビジュアルで次世代とのコミュニケーションをとること、企業イメージの刷新ということをやってきましたが、ここからはビジュアルに加え、より具体的に商品に触れていただくことが必要なフェーズになると思っています。

特に商品に関しては、ユナイテッドアローズの中には20代や30代前半の若い人たちにも響くものが実はたくさんあると感じています。ブランド毎に設定しているターゲットはあるものの、別の編集切り口やコミュニケーションによって次世代の方々に商品の魅力を届けることは可能だと思いますし、そこから次なるユナイテッドアローズの多面的なブランディング創りを加速させられると期待しています」

PROFILE

松本 真哉

松本 真哉

ユナイテッドアローズの店舗スタッフを経て、2002年より商品部に異動。バイヤーやデザイナーを経験した後、ビューティー&ユースのクリエイティブディレクターを担当。その後、エイチ ビューティー&ユースのクリエイティブディレクターも兼任しながら、2021年より企業全体のクリエイティブを監修するチーフクリエイティブオフィサーへ就任。

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