
ウツワ
2025.06.12
梅雨も猛暑も快適に乗り切る、傘のお手入れと活用術の正解。
壊れたら買い替える、そんなふうに消耗品として扱われがちな傘。ライフスタイルに合った一本を選び、きちんとお手入れすることで、日々の暮らしがワンランク上の心地よさに変わります。今回は世界にたったひとりの傘ソムリエ・土屋博勇喜さんに、雨の日も猛暑日も快適になる傘の差し方と、お手入れの基本を教えていただきました。さらに、〈ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ 〉(以下BY)とのコラボレーションで誕生した、晴雨兼用折り畳み傘にも注目。土屋さんの傘への愛とこだわりが詰まった、コラボアイテムの魅力もご紹介します。
Photo:Takehiro Sakashita
Text:Riho Abe
世界でただ一人の傘ソムリエが伝授、 正しい傘の差し方としまい方。
<傘を開く時>
■軽く振って生地をほぐしてから開く
傘の骨組みは、軽量化のために細く作られているものも多く、無理な力がかかると、骨が歪んだり、破損の原因になることも。実は傘を開く時にも、長く愛用するための工夫があるそうです。
<傘の正しい差し方>
■太陽の向きに合わせて傘を傾ける
「風向きや太陽の向きに合わせて傘を傾けてあげるだけで、快適に歩くことができます。雨や風の向きに合わせて傘を傾けると、濡れにくくなりますし、太陽の向きに合わせて、こまめに傘の角度を調整するだけで、熱がこもらず、涼しさがキープできます。」と土屋さん。
軽さが特徴の傘は、ハンドルも小さく、骨も細くなっているので、人差し指を立てて支えるように持つことで安定。楽な力で傾けられる。
・雨の日の場合
真上に差すのではなく、角度を調整しながら歩く。
・晴れの日の場合
日傘は深く差しすぎず、頭との間に空間を保つ。
■小刻みにやさしく揺らして水を切る
屋根のある場所に入ったら、傘袋にしまう前のひと手間が、傘を長持ちさせるカギになります。
・傘をしまう時は、傘の表面をできるだけ触らないこと。
・閉じた向きに合わせて回転しながらしまうと簡単。
■使ったらホコリを落として、乾かす
長く愛用するために欠かせないのが、自宅での正しいケア。簡単に実践できるお手入れのコツがあります。傘の生地にホコリや皮脂、コスメの油分が残ると、ニオイの原因や撥水力の低下につながります。雨には空気中のホコリも含んでいるので、見た目以上に汚れているんです。晴れた日に日傘として使った後も、ホコリ落としは必要です。
雨の日の帰宅後のお手入れで大切なのは、「しっかり乾かすこと」。


時間があれば、38〜40 度ほどのお湯を広げた傘にさっとかけてから干すのがおすすめ。
表面のホコリや油分が落ち、傘のコンディションが整う。
・雨の日の場合
ぬるま湯でさっと表面を流し、風通しのよい場所で乾かす。
・晴れの日の場合
毛の柔らかいブラシでホコリを落とす。
◾️撥水力が落ちてきたら、防水スプレーを使う
・フッ素樹脂とシリコン樹脂配合の防水スプレーが効果的。
・新品の傘は撥水機能が十分なため、防水スプレーはしない方が良い。
畳みやすく使いやすい、万能な晴雨兼用折り畳み傘。
カラーはホワイトとブラックの2色展開。くすみカラーで使いやすい。
「今回のコラボレーションでは、“使いやすさ・便利さ・サイズ感”にこだわりました。晴雨兼用傘は裏面のコーティングで畳みにくいものもありますが、今回は非常に畳みやすい仕様になっています。サイズも、雨も日差しもきちんとカバーできる、小さすぎず大きすぎない絶妙なバランスに仕上げています。女性も扱いやすく、男性でも安心して使っていただけるサイズ感です」
「カーボンは自転車や釣り竿にも使われる素材で、軽さと強度を兼ね備えています。そのため、操作性がよく、多少の風にも耐えられるような適度な硬さとしなやかさがあります」
さらに、形状記憶の「シェイプメモリー機能」を搭載。面倒になりがちな畳む動作が、驚くほどスムーズに行えます。
台風や強風の日にも実際に傘を差して検証を重ねるなど、傘を知り尽くした土屋さんならではの工夫とこだわりが詰まった、晴雨兼用の折り畳み傘。梅雨時期や真夏はもちろん、一年を通して活躍してくれる一本です。
今回土屋さんに教えていただいた、傘の差し方やお手入れのコツを参考に、お気に入りの傘を長く大切に使ってくださいね。
PROFILE

土屋 博勇喜
22歳から、大手ホームセンターでレイングッズを担当。様々なメーカーの傘に触れ、つくり手のこだわりや機能性、美しいフォルムに魅了され傘の虜となる。2019 年、株式会社シューズセレクション(現ウォーターフロント)へ入社し、仕入れ・売り場作りの責任者となる。同時に、傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動を始める。