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スタイリスト 小山田 早織さんに聞く、梅雨の湿気対策10アイデア。

ウツワ

2023.06.22

スタイリスト 小山田 早織さんに聞く、梅雨の湿気対策10アイデア。

ジメジメとした雨の日が続く、憂鬱な梅雨が今年も到来。ベタっとした汗をかき身体的に不快なだけでなく、雨で湿気が溜まりやすくなるので、カビやダニの発生が増えるシーズンでもあります。大切な衣類をトラブルから守るために実践している梅雨時期の湿気対策を、人気スタイリストの小山田 早織さんがレクチャー。さらに、いままで以上におしゃれをするのが楽しくなるクローゼットをつくる服選びや断捨離のコツも必読です。

Photo:Yuco Nakamura
Text:Riho Abe

アイデア01:服は隙間をあけてハンガー掛け。

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小山田さんが推奨しているのは服をハンガー掛けで収納すること。また、服と服の間に隙間をあけることが大切だと言います。

「服と服の間は服が密着しないように5mmでもいいので間隔をあけておきましょう。パンパンに詰めて収納していると、湿気がこもりやすくなります。収納ケースの中や棚の上に畳んだ服が重なり合っているという方も要注意です」。

家の中でも特に湿気が溜まりやすいクローゼット内に洋服が隙間なくギュウギュウに重なっていると、虫に食われやすくなったり、カビが生える原因に。大切な服を守るためにも、しっかりと対策を施しましょう。

また、ハンガー選びも重要なポイント。小山田さんが愛用しているのは、ドイツ製ハンガーの名品「MAWAハンガー」とご自身がコラボレーションしたもの。薄型なのでクローゼット内をすっきりと整理できます。

アイデア02:型崩れしやすい服はワイヤーバスケットに畳んで収納。

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ローゲージのニットやカーディガンなど、型崩れしやすい服は収納内にくるっと丸めて収納しています。ここで重要なのは収納ボックスの素材。フタ付きの収納に入れてしまうと中に湿気がこもってしまうのでNGです。ステンレス製のワイヤーバスケットなど、通気性の良いものがベター。中が見えるので服の”お蔵入り”も防ぎます。

「わたしは首元が伸びやすいニット以外は基本的に掛けて収納しています。Tシャツやブラウスもハンガーに掛かけておけば畳む必要もないし、シワも自然に取れます。また、持っている洋服が可視化されて、着たいときに探す手間いらずともないし、いいこと尽くめ! 引き出しの中に収納しているのは、下着とソックス靴下くらいです」。

アイデア03:バッグなどの革製品は、通気性の良い場所に置く。

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梅雨時期に特にカビが生えやすくなる革製品。「実家で、母のブランドもののバッグにカビが生えてしまっているのを見たのがショックで…。お手入れをサボったせいで、がんばって買った大切なバッグが使えなくなってしまうのは悲しいので、しっかりとケアをしようと。すごく良い教訓になりましたね」と小山田さん。

「バッグは棚に飾るように置いたり、通気性の良いワイヤーバスケットに重ならないようにしまっています。クローゼット内に大きめのS字フックで吊るしておくのもおすすめです」。

また、革製品のバッグやシューズはシーズンごとにお手入れをするのがおすすめです。ホコリや皮脂などの汚れが付いたまま収納してしまうとカビの原因になるので、ブラシと専用ケア用品を使ってしっかりケアしておきましょう。

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画像 環境や人体にやさしい防水ミストと 革小物の表面についた汚れを除去するムースタイプのクリーナー。

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アイデア04:汗対策をして汚れが付きにくい工夫を。

猛暑ではなくても意外とかいている汗。汗や皮脂は、カビや黄ばみ、汗ジミなどの痛みの原因になります。普段の服を着る際にも気をつけることが必要だと小山田さん。

「洋服を長持ちさせたいなら、しっかりインナーを着たり、脇汗パッドを活用することも意外と大切なことだったりします。特に白のTシャツはなど黄ばみやすいので、普段の着方を意識するだけで、キレイな状態をキープできますよ」。

また、小山田さんは服選びの際、必ず洗濯表示を確認し、お手入れのがしやすさも重視しています。


「天然素材のものは繊細で、湿気や虫のダメージを受けやすいものも多いので要注意。必ず自宅で洗えるものやお手入れがしやすいものを選ぶようにしています」。

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アイデア05:履いた靴はよく乾かしてから収納する。

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人は一日にコップ1杯分の汗をかくと言われています。靴が蒸れたままだと、カビや嫌なニオイの原因に。小山田さんは帰宅したらすぐに靴箱にはしまわず、一晩土間に置いておくそうです。

「靴はしっかり乾かすことが重要だと思います。雨の日の翌日が例え晴れていても、外には水溜りがあったり、湿気の原因は至るところに…。特に梅雨時期は靴乾燥機を使って、家族みんなの分を順番に乾燥させています」。

アイデア06:梅雨時期のクローゼットは密閉NG!

家の中でも特に湿気がこもりやすい、クローゼットや押入れなどの収納スペース。梅雨時期に閉め切りにしているのは危険です。小山田さんのおすすめは外出時に、扉を開けっぱなしにしておくこと。

「梅雨の時期は、家を出る前に必ずウォークインクローゼットの扉を開けておきます。家にいるときは、扉は閉めておきたいという方も多いかもしれないので、外出時だけでも開けておくのががおすすめです」。

アイデア07:除湿剤は質より量。徹底的に湿気対策を!

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小山田さんが愛用しているのは置き型の除湿剤。湿気が溜まりやすいところに置いておくだけで、タンクに吸湿された水が溜まっていきます。どれくらい除湿ができたのか目視で確認でき、取り替え時期もわかりやすいのでおすすめです。

「クローゼットやシューズボックスの中に除湿剤をたくさん置いて湿気対策をしています。特に梅雨時期はすぐに水が溜まるので、満タンになっていないかこまめにチェック。近所のドラックストアで安価で購入できるので、多めに置いておくと安心です」。

アイデア08:梅雨時の気になるニオイは、フレグランスアイテムで対策。

湿気が原因の嫌なニオイも、梅雨時期に気になることのひとつ。クローゼット内には〈『サンタ・マリア・ノヴェッラ』〉のワックスタブレットや〈『APFR』〉のクローゼットタグなど、掛けてかけて使えるルームフレグランスを愛用中。お気に入りの香りのもので、気分を上げているそう。

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また、虫が苦手なハーブ系の消臭ミストや無添加のダニよけスプレーも、毎日のお手入れには欠かせません。

「夫がその日着たスーツには、消臭スプレーをかけてから、一度何も掛かっていないラックに干しておきます。一晩乾かして、クローゼットの中に戻すようにしています。付いたニオイはその日のうちに対策することが重要です」。

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アイデア09:クローゼットは色ごとに分類。

クローゼット内は、アイテムは関係なく色別でゾーン分けをしているそうです。意識すべきことは、持っている服をきちんと可視化できる状態にすること。

「以前は、色別でもトップス・ボトムスは分けて収納していたのですが、それからトライアンドエラーを繰り返して、いまはアイテムに関係なくすべて色別に分けるようにしました。おかげで、買い物に行ったときに似たようなアイテムを買わなくなりました。

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持っているアイテムをすべて把握しているので、“トレンドものを取り入れたいな”と思ったときに、手持ちの服とのコーディネートが自然に思い浮かぶので、これまで以上にスタイリングが楽しくなりますよ」。

アイデア10:服は「衣替えが必要ない」量に収める。

衣替えはしない、という小山田さん。ウォークインクローゼット内に収まる量の服しか持たず、さらにそのほとんどをハンガー掛けで管理しているのだそう。

「衣替えをすることは、時間も手間も掛かります。大きな収納ケースにしまって、防虫剤も用意して…。たくさん洋服を持っていると、奥の方で埋もれてずっと眠っている服があったり。それこそ洋服が傷んでしまうので悲しいですよね」。

とはいえ、いきなり断捨離するのはハードルが高いものです。かく言う小山田さんも、スタイリストという職業柄もあり、かつては衣装部屋を家とは別で借りるほどたくさんの洋服に囲まれていました。そんな彼女は、断捨離に成功したコツをこう語ります。


「大事にしすぎて結果着ていない服や思い出の服を、手放せない気持ちもよくわかります(笑)。だけど、“デイリーに着られるお気に入りの服”だけを残した方が、おしゃれは絶対に楽しくなります! 例えば、本当に好きな服を3着だけ選んでみて、それ同等の高揚感があるものだけを残してみたり…。どうしても手放すかどうか悩んだら、「今日その服を着て出掛けたら気分が上がるか」という基準で選んでみるのもいいかもしれません」。

大切な服を長く愛用するためには、梅雨時期の湿気対策が必至です。正しい湿気対策をするためには、普段自分がどれくらい大切なものに囲まれているかということを改めてチェックするべきタイミングなのだそう。

「循環するクローゼットづくりを意識すれば、湿気がこもりやすい収納ケースやチェストの中に洋服をギュウギュウに詰めることもなく、ハンガー掛けをしても隙間をあけることができます。結果として大切な洋服を守ることになる。お手入れが楽になれば、どんどん経済的になって地球にもやさしくなる。なにより、毎日のおしゃれがもっと楽しくなります! いろいろなことが循環して、うまくまわっていく気がします」。

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お手入れ上手はおしゃれ上手。梅雨時期の対策はもちろんですが、ケアのことを考えた買い物の仕方や普段の洋服の着方まで、ためになるアイディアが満載でした。ちょっとしたひと手間で、梅雨でも困ることがなくなり快適に。小山田さんのアイデアを実践して、大切な衣服を梅雨のトラブルから守り、おしゃれをもっと楽しみましょう!

PROFILE

小山田 早織

小山田 早織

数々の人気ファッション誌や広告、ショーのスタイリングを手掛け、モデルやアーティストからの指名も多数。主な近著に『“着ない服”がゼロになる! 稼働率100%クローゼットの作り方』(講談社)。ファッションやライフスタイルを発信しているInstagramやYouTubeチャンネルも人気。プライベートでは2児の母。

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