ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

「ユナイテッドアローズ」が町を全面プロデュース、茨城県・境町の魅力とは。

ウツワ

2024.12.25

「ユナイテッドアローズ」が町を全面プロデュース、茨城県・境町の魅力とは。

都心からのアクセスもよく、古くは水運による文化交流の場としても栄えた河岸の町・茨城県境町。近年、最先端の技術を取り入れた事業や、スポーツ施設などが盛んで、高齢者から子育て世代まで、また移住者にも快適に暮らせる町として注目されています。また「ユナイテッドアローズ」とコラボレーションし、生活文化をさらに豊かにするべく尽力されています。境町の魅力や「ユナイテッドアローズ」との取り組みについてなどを、境町長、橋本正裕さんの言葉を交えてお伝えします。

Photo:Go Tanabe , Taro Oota
Edit & Text:Shoko Matsumoto

自然豊かな環境と首都圏への利便性を兼ね備えた町

茨城県境町は、利根川と江戸川の分岐点にあり、自然に恵まれた小さな町。東北自動車道の近くに位置し、首都圏へのアクセスが便利です。近年は、首都圏中央連絡自動車道の開通により、交通の利便性がさらに向上しました。境町は江戸時代、利根川水運の要所として栄え、現在でも町内には伝統的な祭りや歴史的建造物が残っています。また農業が盛んで、特にレタスやネギ、さつまいもなどの野菜や果物の栽培が有名。さつまいもを使用した干し芋は、境町の名物として、ふるさと納税返礼品としても人気です。また世界的に有名な建築家・隈研吾氏が設計した建築物が多く存在し、町のランドマーク的な役割を果たしています。その背景には、町が地域活性化や観光振興を目指して、隈研吾氏のデザインを取り入れることで、町の魅力を高める取り組みが。自動運転バスの導入など、先進的な交通インフラの整備も進んでいます。

画像 隈研吾氏がデザインした町のシンボル的「さかい河岸レストラン茶蔵」

未来の子どもたちのための快適な環境づくり

境町の橋本正裕町長が、特に力を入れている取り組みが、小中学校の給食費の完全無料化など、子育て支援と小中学校で実施する先進的な英語教育などの投資。医療費助成や、子ども向けの施設の増設など、子育て世帯に手厚い支援を提供しています。また、人口減少対策と移住促進として、移住者を積極的に受け入れる政策も。住宅を新築購入した移住者への補助金制度や、安価な家賃で入居できる移住者向けの賃貸住宅「アイレットハウス」を整備しています。また日本初となる自動運転バスの定常運行を開始。これにより、高齢者や子どもたちの移動手段を確保し、町内交通の利便性を向上させています。

世界レベルのスポーツ選手が育つ町に

画像 東京2020オリンピック競技大会のBMXフリースタイル競技で使用されたパークコース

また境町の特徴として欠かせないのが、スポーツ施設の充実。東京2020オリンピック競技大会で使用された施設の一部が境町に移設されているのです。これは、オリンピック施設を地域活性化のために活用する取り組みの一環。世界基準の施設が整備されたことで、地元の住民だけでなく、近隣地域からの利用者も増加しているよう。子どもたちがオリンピックレベルの環境でスポーツを楽しめる機会が提供され、未来のオリンピック選手を育てるべく、この施設の活用を目的とした移住者も増えていると言います。
画像 「CITYWAVE®TOKYO SAKAIMACHI」アジア初の次世代型人工サーフィン施設
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「ユナイテッドアローズ」とのタッグで境町の魅力を発信

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橋本町長は、人口減少や高齢化といった地方の課題に対し、これまで積極的な政策を展開。境町を活気ある町にするための取り組みを継続的に行っています。特に、移住支援や自動運転バスの導入など、ユニークな取り組みが全国的にも注目され始めたものの、まだまだ認知度は高くない。町の独自性を、より全国に発信するため、今回〈ユナイテッドアローズ〉とパートナーシップを組むことになりました。今回の取り組みについて、橋本町長はこう言います。「〈ユナイテッドアローズ〉は若いころから愛用してきたし、とても好きなセレクトショップ。いつか何かでコラボレーションできたらいいなと考えていました。例えば子どもの教育に、ファッションを掛け合わせてみたらどうだろう。ライフスタイル全般に強い〈ユナイテッドアローズ〉なら、境町を全方位的にサポートしてくれるのではないか。そんな思いから、今回のプロジェクトはスタートしました。〈ユナイテッドアローズ〉のセレクト力、編集力をお借りする形で、全国に町の魅力をより発信できたらと考えています」

〈ユナイテッドアローズ〉が町の応援団として境町をプロデュース

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『SAKAIMACHI GUIDE』
境町出身で在住の現代アーティスト、内海聖史氏のアートをカバーデザインに使用し、「買う、食べる」「体験する」「暮らす」の3カテゴリーで境町の魅力を紹介した広報誌『SAKAIMACHI GUIDE』を制作。境町に訪れる人はもちろん、町内の方々にとっても未知のおもしろさを伝えられるような内容になっています。
『ユナイテッドアローズ スタンド』
隈研吾建築都市設計事務所とコラボレーションした移動式の『ユナイテッドアローズ スタンド』を制作。道の駅さかいでの設置からスタートし、順次〈ユナイテッドアローズ〉の全国の店舗や、全国行脚することも視野に入れています。

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『コラボレーション物販』
『ユナイテッドアローズ スタンド』では、日本に100頭しかいない希少な境町産の梅山豚を使用した「梅山豚プロシュートサンドイッチ」や境町の銘茶であるさしま茶を使用した「さしま茶玉露クラフトコーラ」などのフードやドリンクも展開。内海聖史氏のアートをコラージュして制作したファーマーズバッグやロングスリーブTシャツなどのオリジナルグッズも見逃せません。

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『ふるさと納税返礼品』
〈ユナイテッドアローズ〉が国内外からクラフトビールや日本酒を中心にセレクトし販売をおこなっている〈UNITED ARROWS BOTTLE SHOP〉が、境町の地元ブルワリー〈さかい河岸ブルワリー〉、老舗酒蔵〈萩原酒造〉とコラボレーション。境町の特産品を使用したスペシャル酒が誕生しました。ふるさと納税返礼品のほか、『ユナイテッドアローズ スタンド』でも販売。

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『境町の町立小中学校の体操服』
〈ユナイテッドアローズ〉が境町の町立小学校5校、中学校2校の体操着をデザイン。橋本町長は、今回のプロジェクトの一番の願いだったと言います。「値段も張るし、長く着るものなのに、既存のジャージはおしゃれじゃない。ジャージのままでも外出できるような、そして卒業後にも着たいと思えるようなジャージを作りたいという思いが叶いました」

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『自動運転バス、高速バス』
東京駅から境町まで直通運行する高速バス(写真上)。そして境町の町内を走る自動運転バス(写真下)に、〈ユナイテッドアローズ〉オリジナルデザインが登場。境町をイメージしたブルーと、〈ユナイテッドアローズ〉のオレンジをグラデーションしたデザインになっています。

『境町の軽井沢保養所』
ほかにも、境町が町民用の保養施設として所有する軽井沢の別荘を、〈ユナイテッドアローズ〉が監修。外装や内装のデザインをプロデュースしています。町民の宿泊のほか、今後は公立学校の林間学校、英語合宿などにも活用していく予定です。

町の魅力を伝える新しい取り組みとしての可能性

今回の〈ユナイテッドアローズ〉との取り組みを通して、地方がどんどん盛り上がっていけたらうれしいと言う橋本町長。しかし、境町をPRするための集大成ではなく、これが最初の第一歩だと言います。「衣・食・住……ライフスタイル全般を手がける〈ユナイテッドアローズ〉との取り組みを通して、地方の創生が叶うのではないかという期待をしています。ただ、境町、一自治体がよければいいとは思っていません。自治体とアパレル企業の協業、さらにはライフスタイル全般を担うパートナーシップというのは、これまであまりなされてきたことがありませんが、我々境町が業態の垣根を飛び越えることで、他の自治体にまでフレキシブルな取り組みが可能なんだということが、広がっていったらいいなと思っています」

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PROFILE

橋本 正裕<br>茨城県境町 町長

橋本 正裕
茨城県境町 町長

1975年(昭和50年)12月20日生まれ 茨城県猿島郡境町出身。平成15年  27歳で境町議会議員 初当選。平成26年  第16代境町長に当選し、その後も新しい境町を創造するべく活動中。
https://www.town.ibaraki-sakai.lg.jp

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