ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2020.10.15 THU.

今、広がっていく「GREEN PEOPLE」とサステナビリティの輪。

自然環境を守り、世界中を生きる誰もが劣悪な環境でない、より良い社会を目指す国際目標として定められたSDGs(持続可能な開発目標)。〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉(以下GLR)では、スタートの頃からいち早くこうした問題に取り組んできました。これまでどんな想いで洋服を販売することに留まらないサステナブルな活動に取り組んできたのか、また、わたしたちが広げていきたい“GREEN PEOPLE” の輪とは何かについて、お伝えしていきます。

Photo:Hiroyo Kai(STUH)
Text:Noriko Ohba

日々のおしゃれを楽しみながら、環境や社会にも関心を払う「GREEN PEOPLE」。

原宿に1店舗目となるGLRを出店したのが、1998年。それから20年以上が経ち、今では主要都市をはじめ全国に84店舗を構えています。ブランドが成長していくのと同時に、わたしたちがスタートの頃から取り組んできた環境問題や社会的な課題への取り組みも「リサイクル」や「子どもたちへの支援」「被災地へのサポート」「豊かな森づくり」とさまざまな方向へと広がっていき、またその支援を継続して行うことを大切にしてきました。

GLRが取り組む活動は、社会問題などに目線を向けた「SOCIAL」と、未来の地球環境を守るための「EARTH」の2つに分類されます。ひと目ではイメージしづらい大きな活動内容や目標ですが、長年かけてコツコツと活動を続けることでGLRの信念が次第に伝わるようになりました。
この、プロジェクト全体の成長はプロジェクトを主催する企業や団体、そしてお買い物をすることでGLRの信念に賛同してくださるお客さまの存在があったからこそ。

日々のおしゃれを楽しみながら、社会問題や地球環境の未来に思いを馳せる、心と未来をともにする方々をGLRでは「GREEN PEOPLE」と呼んでいます。わたしたちの活動をもっと知っていただき、この輪がさらに広がるように、全国にいらっしゃるたくさんの「GREEN PEOPLE」の協力のもと、成り立つプロジェクトをここではご紹介していきます。

SOCIAL
KIDS 1% Charity
ピンクリボンキャンペーン
東北コットンプロジェクト
Think Local

EARTH
GREEN LABEL RECYCLING PROJECT
Green Down Project
1% for the Planet
環境配慮商品
Reduce Shopping Bag Action

※一部今年は実施していない取り組みもございます。

SOCIAL
社会の問題や課題に対して、わたしたちができることは何かを考える。

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KIDS 1% Charity

GLRの掲げるブランドコンセプトであり、GLRが行う社会貢献活動の源にある “Be happy”。その中には、次の世代の子どもたちの未来が “Be happy” であって欲しいという願いも込められています。

そんな想いからGLRでは子どもたちのためのサポート支援を長く行ってきました。「KIDS 1% Charity」は、ゴールデンウィーク、クリスマスの季節に行われるキャンペーン。約1週間ずつのキャンペーン期間中、KIDSアイテムの売上の1%を認定NPO法人フローレンスへ寄付します。子どもの貧困や虐待、ひとり親家庭の問題など、国内の親子を取り巻く社会課題の解決に取り組むフローレンスへの支援はこれまでに500万円を超えています。

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ピンクリボンキャンペーン

日本人女性がかかるがんの中でも最も多いと言われている乳がん。乳がんの正しい知識を広めて、早期の検診を推進する、世界規模の啓発活動「ピンクリボンキャンペーン」が毎年10月に行われています。ユナイテッドアローズではこの活動に賛同し、毎年オリジナルウェブマガジン「ヒトとモノとウツワ」で関連記事を発信。各世代の女性による座談会や、検診の体験リポートなどさまざまな切り口で乳がんに対する知識をお伝えしています。

キャンペーン中は各ブランドから、ピンク色にちなんだアイテムを販売し、売上の一部を認定NPO法人乳房健康研究会などの乳がんの啓発活動を行う団体へ寄付してきました。GLRではこれまでにピンク色のニットや傘などを販売し、大きな反響がありました。ひとりでも多くの方が、乳がんという病気を「自分ごと」として捉えられるよう、今後も活動していきます。

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東北コットンプロジェクト

GLRは、スタート時から社会や環境の問題への取り組みを大切にしてきましたが、その価値観がより強くなり、支援活動が加速した大きなきっかけとなったのが、東日本大震災でした。未曾有の大災害を受けて、我々が真っ先に賛同したのが「東北コットンプロジェクト」。津波により使えなくなってしまった稲作農地で、塩分に強いとされるコットンを育て、その素材を使った製品を販売することからはじまりました。

プロジェクトをはじめたころはGLR含め数社だけの参加でしたが、今では約80の企業や団体が賛同し、それぞれのブランドらしいアイテムの企画を行い、製造、販売し、ています。GLRではカットソー等を企画、多くのお客さまに手に取っていただいています。

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Think Local

1998年の1店舗目からはじまり、続いて新宿と町田のルミネに出店し、ロゴなどを刷新しながら、GLRらしいモノづくりと向き合い続けてきました。そして、今では全国に80店舗以上を構えています。拡大、成長していくなかでGLRが大切にしていたことのひとつに地域との繋がりがあります。地元のいいもの、その地域ならではの特産品を紹介することもわたしたちの役目であると、その想いを形にしたのが、店頭で無料で配布している地元のガイド誌「Think Local」です。

編集、ライティングを手掛けたのは、独創的なカルチャー誌として知られた『relax』の編集長、岡本 仁氏。「Think local」には、いわゆる観光客が押し寄せるお店は取り上げず、おしゃれをすることや食べることにこだわりのある人たちが求める、”通”な情報を掲載。情報だけでなく、デザインや文字のフォント、サイズすべてにこだわり抜いています。レジでお客さまにお渡しすると「このエリアはあらためて素敵なお店が多いですね」などと会話のきっかけになったり、読んだ方からも「こんな情報が欲しかったんです!」とご好評をいただいています。現在も、新刊を製作中です。

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EARTH
環境問題に配慮し、未来を生きる子どもたちが健康で幸せな毎日を送れる地球を作る。

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GREEN LABEL RECYCLING PROJECT

GLRでは、リサイクルに関してもさまざまな活動を行っています。「GREEN LABEL RECYCLING PROJECT」では、不要になったウェアやバッグ、シューズなどを回収し、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)に寄付。その後リサイクルショップに買い取っていただき、その買い取り金は自然災害発生時の緊急支援などに役立てられます。

要らなくなった衣料品がリサイクル品として生かされるだけでなく、次のお買い物がお得にできたり、必要な人に支援が届いたりと、いくつもの方向に“Be Happy”が広がっていくプロジェクトです。

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Green Down Project

羽毛製品の回収から精製、リサイクルダウンの製品化、販売を循環して行い、羽毛のリサイクル社会を目指すプロジェクト「Green Down Project」。現在130社以上の企業や団体がこの活動に関わり、GLRもこの活動が発足した2015年から賛同し取り組んでいます。

実は羽毛は、丁寧に再生利用すれば100年以上も持つ丈夫な素材。羽毛素材メーカーの「河田フェザー」が持つ高度な技術で洗浄された羽毛は、高い品質を誇り、再生された羽毛を使って作られたダウンジャケットには「GREEN DOWN」のタグが付いています。店頭で手に取ってくださったお客さまにこのような活動の存在を伝えていくことも、わたしたちの大事な役割。回収するダウンは、ブランド問わず「ダウン混率」が50%以上ならば、汚れていたり、穴があいているものでもOK。リサイクルダウンをアパレル企業をはじめとしたさまざまな団体に供給することができれば、循環資源として長く使うことが可能になる、環境にやさしい取り組みです。

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1% for the Planet

「1% for the Planet」は、パタゴニア社の創設者イヴォン・シュイナード氏とブルー・リボン・フライズ社のオーナーであるクレイグ・マシューズ氏が2002年に環境の問題の解決策を見出すために立ち上げた非営利組織。持続可能な社会を目指して、環境保全に注力する〈パタゴニア〉は、グリーンビジネスの先駆者的な存在。カリフォルニアにある本社を訪ね、直接その理念を伺った際には、GLRとしても強く感銘を受けました。

GLRは「1% for the Planet」の理念に賛同し、2015年からメンバーとして活動しています。特定のアイテムの売り上げの1%を、森林保全に取り組む一般社団法人more trees、NPO法人森は海の恋人へ寄付していて、2020年は、〈タナカーナ〉のアイテムが対象に。森が豊かになれば、その栄養は川と共に流れて海にたどり着きます。健康な海からたくさんの美味しい海産物が育ち、やがてはわたしたちの食生活の豊かさにも繋がっていく。GLRではこの活動を今後も継続していきます。

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環境配慮商品

GLRでは「センス良く、高い品質のものを手頃な価格で提供すること」を常に念頭に置き、モノづくりを行っています。その最初の段階である生地選びはとても重要な工程。質だけでなく、自然環境やまたそれぞれの労働環境にも配慮した素材を使いたいと考えています。

ポリエステル混の衣服を回収し、それを新たなポリエステル原料に生まれ変わらせ、新しい服を作り出すリサイクルプロジェクト「BRING」に、2018年から参画しています。店頭にて回収するポリエステル混の衣服は、ファスナーやボタンが付いたもの、コットンなどの天然素材が混ざっていてもOK。高いリサイクル技術により、ポリエステルのみを抽出して、ポリエステル樹脂を再生可能。GLRでは「BRING」で再生されたポリエステルを使ってメンズ、ウィメンズ 、キッズのTシャツやサーマルアイテムを販売してきました。

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Reduce Shopping Bag Action

お買い物の際、マイバッグをご持参の上ショッピングバッグ包装をご辞退いただくと、1回につき10円を一般社団法人more treesに寄付する「Reduce Shopping Bag Action」。アクションにご参加いただいたお客様にはハウスカードポイントを10ポイント差し上げています。マイバッグを積極的に使うことは、限りある大切な資源を守ることにも繋がります。2020年4月からmore treesが行う多様性のある森づくりプロジェクトを支援しており、お客さま一人ひとりのエコに対する行動が、岩手県住田町での豊かな森づくりを支えています。長い年月をかけてできあがった豊かな森がわたしたちや未来の子どもたちの生活を豊かにしてくれる。そんな循環を繰り返して、持続可能な社会が作っていけたら…。

この活動はたくさんのお客さまのお力添えのおかげで、10年以上継続することができています。一時の盛り上がりだけでなく、活動の大きな鍵である「継続」を、GLRではこれからも大切にしていきます。

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循環の輪を広げて目指す、新しい未来とその先。

現在行っている活動を振り返り、これまで行ってきた支援活動が「GREEN PEOPLE」の力によって成り立っていることをあらためて感じることができました。こういったサポート活動には、”ここで終わり”というゴールや終着点はありません。それは直線的なものではなく、丸い輪のようなもの。わたしたちは、これからも活動の輪を絶やさず、循環させ、スタッフはもちろん、次の世代のお客さまや仕入れ先なども含め「GREEN PEOPLE」の理解の輪が少しずつでも大きくなるよう、努めていきます。

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