ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2021.02.12 FRI.

おうち時間を整える。心地よい暮らしは、寝衣と下着選びから。

おうち時間が増えたいま、きっと誰もが自分にとっての“心地よさ”を見直しているはず。家具、香り、部屋着、花、スキンケア、光…、快適な時間をつくるモノやコトは様々。どこから変えていくかはその人次第です。中でも簡単にトライできるのは、家で何をまとうのか。気軽に変えることができて、気持ちもグッと変化するはず。まずは寝衣と足元をアップデートすることで、おうち時間がより豊かに。どうやって選んだら良いのか、スタイリストの川上 さやかさんに教えていただきました。“自分にとって何が心地よいのか”という自分の声にきちんと耳を傾け、小さな変化から楽しみ、自分を甘やかす一歩を踏み出して。

Photo:Yuco Nakamura
Styling:Sayaka Kawakami
Text:Maki Kakimoto

スタイリスト川上 さやかさんと考える質の良い暮らしとは。

この1年で働き方が大きく変わり、リモートワークをしている方や在宅勤務に切り替わった方など、家にいる時間が増え仕事とプライベートの切り変えがしづらくなっています。だからこそ、仕事が終わったらお香を焚いてリラックスするなど頭のモードを切り替える“何か”が必要になってきますよね。疲れを取るために毎日の生活の中で、睡眠はいちばん大切になってきます。意外と質の良い睡眠を意識している方は少ないのではないでしょうか。生活のリズムを整えるためにも、部屋着からパジャマに着替えるなど、シンプルで簡単なことで心も身体も安らぎ、質の良い睡眠に繋がるのではと思います。普段の生活で、簡単に真似できること、工夫していることなど、スタイリストの川上 さやかさんに伺いました。

<スタイリスト川上さんに訊く、自分を心地よくする3つのこと>
1.寝るときはパジャマに着替えて、睡眠モードに心も身体も切り替える。
2.着ていて気持ちよい、気分も高めてくれる下着を身につける。
3.おうちの中でも、冷え対策をしながらパジャマと足元のスタイリングを楽しむ。

心地よいおうち時間は、気持ちがグッと高まるパジャマを選んで。

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「いままではパジャマは持っていなかったんです。まさに家着=パジャマでしたが、このコロナ渦で時間ができたことでおうち時間をもう1度見直したことをキッカケに、初めてパジャマを購入。寝るために着替えることで“いまから寝る時間だよ”と自分の意識や身体が切り替わるということを日々実感しています。丁寧な暮らしに憧れはするけれど忙しくてなかなか難しいと思っていましたし、心掛けようと思っても、具体的に何をしたらいいのかもわかりませんでした。だけど、自分が心地よく過ごすためのちょっといいことというのは、パジャマに着替えるだけという些細で簡単なことからはじめられるんだなぁと嬉しくなりました。最初の1着に選んだのは、ネイビーの無地に白い縁が入ったもの。寒いときはその上にバスローブを羽織っています。おうちで過ごす時間が増えたこともあり、家の中でもだらしなく見えないパジャマを選びたいし、どうせ買うならデザインにもこだわりたいですよね。気持ちがグッと上がり、リラックスできること、どちらも重要だと思っています。そして、毎日着るものなので飽きのこないシンプルなデザインがいい。すっかりパジャマ選びが楽しくなり、いまでは3着に。コットンや綿素材のモノを毎日洗濯してローテーションしていますが、すぐに乾くので毎日パジャマが清潔なことも気持ちがいいですね。わたしにとってパジャマは、自分の生活リズムをつくってくれる大切な存在です」と川上さん。

家にいる時間が増え、より家の中で快適に過ごすことへの大切さに注目が集まっています。睡眠の質を高めるガジェットもいいですが、まずはいつも使っているパジャマを見直してみることからはじめてみてください。家の中では部屋着で過ごし、そのまま部屋着で眠るのではなく、寝るときにはパジャマに着替えるだけで、心も身体も寝るモードに切り替わり、しっかりと生活リズムにメリハリがつくはずです。


見えない部分だからこそこだわりたい、下着選びのマイルール。

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「理想の下着は、つけていることを忘れてしまうほどの心地よさ、機能性、女性らしさ、どれも欲しいというのが本音。ですが、そのすべてが満足できるモノは意外と数少ないんです。以前は分厚いパットとワイヤーが入ったブラジャーで胸を盛ること、レースやサテン素材などいわゆるランジェリーと言えるようなブラジャーで身体を女性らしく見せること、いかに胸をキレイに見せるか…など、そういった部分に重点を置いて下着を選んでいました。ある日ワイヤーが苦しく感じるようになり、見た目重視のランジェリーではなく自分の身体に負荷の少ないノンワイヤーのブラジャーを好むようになりました。最近だと、ファッションブランドからノンワイヤーのブラジャーを販売しはじめ、種類やカラバリが豊富になったことや、世の中的にファッションもライフスタイルも肩肘張らないムードが広がっているという時代の流れも一理ありますが、年齢を重ねるとともに“不自然なもの”は選ばなくなりました。肌触りやタグなど、肌に直接触れるからこそ感じる違和感は見逃したくない。下着は直接肌に触れ、いちばん近くに身につけるという点でジュエリーをつけて武装する感覚と近いと思うんです。なので、見えない部分ではありますが、こだわりの下着を着るだけで自分に自信をつけてくれたり強くもさせてくれます。そんな自分だけの内に秘めた相棒は、じっくりと選びたい。ジュエリーも、ゴールドやシルバーにしか昔は興味がなかったけど、それぞれの石に意味が込められているカラーストーンになんとなく頼りたくなったりもして。下着とジュエリーは、年齢を重ねるにつれつけていて自分が心地よいと思うもの、自分に自信をくれるもの、という点でも似ているのかもしれません」

肌に直接触れる下着選びで特に気にしたいのは、身体に負荷がかからないこと。外からは見えないものだからこそ、つけていて気分が上がるデザインやカラーリング、胸の形が美しく見えるカッティングなど、自身の女心をくすぐるアイテムを選びたいもの。身体にやさしく、気分を高めてくれる下着を身につけ、ヘルシーな大人の女性のムードを漂わせてみては。


日々の疲れや冷えと、無理なくシンプルに向き合う。

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「歳を重ねていま、冷えを痛感しています。足元を冷やさないことはこんなにも大切なことなんだと身を持って知り、ここ最近で健康志向が大分高まった気がします。いまの時代、日々の生活の中でちょっとしたことを積み重ねて免疫力を高めていくしかないと思うので。足元を温めるということを筆頭に、ハーブティーを飲んだり、毎日湯船に浸かったり、寝る前には玄米カイロをお腹へ。その日の冷えはその日のうちに解消することを心掛けています。足元のアイテム選びもパジャマと同じく、心地よさとビジュアルどちらも重要。無地やシンプルなものを選ぶことで、どんなパジャマにもすんなりとマッチします。家族以外には誰にも見せないながら、自分が満足できるものを選びそれをまとって日々暮らすということは、贅沢ではあるけれどとても大切なことでもあるのではないかと思います。できるだけ面倒なことはしたくはないので(笑)、無理をするのではなく、手軽にシンプルにできることで自分を心地よくしてあげられる方が、長く続けていけるのではないかと思っています」

何事も毎日の積み重ねですが、小さなことから日々の生活の快適さや健康が生まれます。パジャマと足元アイテムのスタイリングを楽しみながら、ハーブティーを飲むなど、自分でできる範囲のちょっとしたひと手間を加えて身体の状態を整えていきましょう。些細なことですが、自然と心に余裕が生まれ、ゆとりのある生活に繋がりますよ。

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この1年で、おうち時間の過ごし方を見直した方も多いのではないでしょうか。いざ思い立ったときに“丁寧な暮らし”へと急に切り替えることは難しい話。快適に過ごすために何を買い足したらいいの? どんな生活リズムにしたらいいの? 張り切って、腰にやさしいベッドを買い換えるだとか、睡眠の質を上げるガジェットを買い揃えるというのもいいですが、あれもこれもと欲張ってしまうと、疲れてしまう人も多いはず。結局、やらなきゃ…と義務感に襲われて、続かないなんてことも。長く続けられるような自分なりの方法で実践していくのが大切です。いつもは寝る前も寝るときも着ていた部屋着をパジャマに変えるとか、締めつけがきつくなく着け心地のいい下着に変えてみるとか、毎日湯船に浸かって温まるなど、いつもの生活をほんの少し工夫しアップデートしてみるだけで、心も身体も満たされる豊かな暮らしに近づくはず。

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PROFILE

川上 さやか

雑誌『Oggi』『BAILA』や、ファッションブランドのカタログなどで幅広く活躍するスタイリスト。銀行員で勤務した後、スタイリストに転身した異色の経歴を持つ。知的で品の良いファッションを得意とする。身長154㎝と小柄な体型を活かした私服コーディネートも人気が高い。

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