原 菜乃華

KEY PERSON

原 菜乃華

俳優

2025.05.21

6月6日に公開を控えた映画『見える子ちゃん』で主演・四谷みこ役を演じる原 菜乃華。撮影では幾重にも重なり変化していく表情と動きで魅せ、出演作では繊細でみずみずしく、溢れ出る力強さを映し出す演技にぐっと惹き込まれる。その表現力の根底にあるのは、演じることへの想い。子役からの長いキャリアで変化していった仕事への向き合い方、ファッションの楽しみかたや日常について、彼女らしい言葉で語ってくれた。

原 菜乃華
原 菜乃華

自分のなかから溢れ出した
アイデアや想いは
とにかく伝えてやってみる

これまで出演した多くの作品のなかでも話題をさらった『【推しの子】』シリーズ。彼女が演じた元天才子役・有馬かなは、自身のプライドや境遇すべてをエネルギーに変えて、前へと突き進みながら道を切り開いていく姿が印象に残る。
「自分のなかから湧き出てきたアイデアや想いは、良し悪しをいったん考えずにやってみる。それから、監督や周りにいる方々に判断してもらうようにして、とにかくチャレンジすることを大切にしていました」
大きな挑戦となったというのが、有馬かなを演じるうえで欠かせなかったアイドルグループ「B小町」の歌とダンス。
「初めての経験でもある歌とダンスをお芝居と同時にやらなくてはいけなかったので、撮影が終わってから、振り入れなどをしていくことが大変でした。有馬かなも同じようにお芝居一本でやってきてから、アイドルグループに加入したので、初めての歌とダンスをお芝居と同時にやっていくという点では同じ環境。等身大で苦労や大変さが表現できたことは、すごく貴重な経験になりました」

原 菜乃華
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原 菜乃華

驚いているけど、
それをバレてはいけない
おさえる演技への挑戦

6月6日に公開を控えている映画『見える子ちゃん』では、見えるのに見えないフリを続ける主人公・四谷みこを演じるが、一般的なホラー作品の設定とはまったく違うからこそ、大変な点も多かったという。
「ホラー映画というと、幽霊が出てきて驚くというお芝居ですが、今回は驚いてはいるけど、それがバレないように、何事もなかったように見せなくてはいけないという塩梅がすごく難しくて…。撮影中は幽霊自体もどのような演出になるかは見えていないので、最初はリアクションに戸惑いました。ですが、監督から“観ているお客さんにはちゃんと見えているから、そこは怖がらずにしっかりと驚きをおさえる芝居をしていこう”と声をかけてもらえたことで、演技の方向性が見えた気がしました」
見えないフリを続けるという難しい役ではあったが、実際に現実で“見えていたら”という話になると「無視しますね。見なかったことにします!」ときっぱり。「無視がいちばん良いと聞きます」と、そこは四谷みこと同じく見えないフリを続けるそう(笑)

原 菜乃華
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原 菜乃華
原 菜乃華
原 菜乃華
原 菜乃華

黒ばかりのワードローブ。
この夏は淡いカラーやスパンコール、
新しいスタイリングにも挑戦したい

オフの日は「まったく家から出ない」という彼女が、愛してやまないのはアニメ鑑賞の時間。
「好きなお香を焚いたり、温かい飲み物を飲みながらひたすらアニメを観たりしている時間が好きで、何時間も同じ格好をしていると思います(笑)。鑑賞した作品は、スマホのメモ機能に自分なりの言葉とともに記録しています」
洋服を選ぶときは、「黒とジャストなサイズ感」を選びがちだというが、撮影中は爽やかな素材感やカラーの新作スタイリングとともに変幻自在に表現して魅せた。
「普段のコーディネートは黒ばかりになってしまうことが多いですが、今回着用したスパンコールが散りばめられたキラキラと光るスカートや、淡いカラーのシアー素材のトップスは涼しさと上品さが素敵だったので、これからの季節に取り入れてみたいですね。仕事の日は移動もあるので着心地の良い服を選びますが、普段は体のラインが綺麗に見えることを意識して、ジャストサイズを選ぶことが多いです。今回着用したオーバーサイズのジャケットに透け感のあるスカートを合わせたコーディネートはすごく印象的で、女性らしさもありつつ、カッコよさもあって、サイズ感も新鮮でした」

原 菜乃華
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原 菜乃華
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どんな仕事も“楽しもう”
という気持ちで向き合うようになり、
いい意味で力を抜けるように

「“やりたい”と思っている自分の気持ちにブレーキをかけないようにしています」
子役からキャリアを重ねて20代に突入し、仕事への向き合い方が変化したという。
「オーディションに受からない時期も長かったので、これでダメだったらどうしよう…、って現場に入るたび不安と緊張が大きくてネガティブになってしまうことが多かったんですが、最近は“楽しもう”っていう気持ちを持って取り組むようになりました。仕事への向き合い方が変わったことで、今までよりも表現を褒めてもらえることも増えて、いい意味で力を抜けるようになったと思っています」
経験を重ねながら培った、どんな状況でも懼れることなく、自分のやりたいという想いやアイデアを表に出し、挑戦していく姿勢。話題作への出演が続き活躍の幅は広がり、新たにチャレンジしたいことも増えていく。
「今までは学生で制服を着用してお芝居をすることが多かったですが、これからは、専門用語を使用する役や、アクションにも挑戦していきたいです」

原 菜乃華
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原 菜乃華俳優

2003年生まれ。俳優。2009年芸能活動を開始。『はらはらなのか。』(17)で長編映画初主演を果たし、その後 『無限ファンデーション』(19)、『罪の声』(20)に出演。2022年には新海誠監督作の 『すずめの戸締まり』 で主人公・岩戸鈴芽役に抜擢されたことが話題に。「第18回 声優アワード」で新人賞を受賞した。翌年、映画 『ミステリと言う勿れ』 では、「第47回 日本アカデミー賞」 新人俳優賞を受賞。その他、NHK大河ドラマ『どうする家康』(23)の千姫役、『【推しの子】』(24)シリーズでは有馬かな役を演じた。今年NHK連続テレビ小説 『あんぱん』(25)にも出演。メジャー映画初単独主演となる 『見える子ちゃん』 が2025年6月6日に全国公開予定。

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映画『見える子ちゃん』

映画『見える子ちゃん』6月6日 公開

コミックス累計発行部数330万部突破、13言語で翻訳出版されている話題のホラーコメディ漫画 『見える子ちゃん』 が実写化。脚本・監督は、『忍びの国』、『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』 を手掛けた中村義洋。ある日突然“見える”ようになった女子高生の主人公・四谷みこを演じるのは、メジャー映画初単独主演となる原 菜乃華。ヤバすぎる霊たちに囲まれたみこが選んだ生き残り術は「見えないフリ」をすること。親友のハナ(久間田琳加)に霊が憑いても、同級生のユリア(なえなの)に見えることがバレそうになっても全力スルーを貫いてきたみこに無視できない恐怖が立ちはだかる!「見えても見えてないフリ。」その選択は正解なのかー。前代未聞の全力無反応系エンターテイメント!

  • 脚本・監督 中村義洋
  • 原作 泉 朝樹 『見える子ちゃん』 (WFC/KADOKAWA刊)
  • 出演 原 菜乃華、久間田琳加、なえなの、山下幸輝、堀田 茜、吉井 怜、高岡早紀、京本大我、滝藤賢一
  • 制作 ©2025「見える子ちゃん」 制作委員会
  • 配給 KADOKAWA

公式サイト https://movie-mierukochan.jp/

PhotographyTaro Mizutani/StylingSumire Hayakawa

KEY PERSON
ユナイテッドアローズが注目する、
その世界で影響を与えるKEY PERSONが
最新のスタイリングを纏う。
今の心境を語るとともに、自由に表現するその先に
内面に秘めた、美しさを映し出す。