スーツで上下の色が違うのはあり?ジャケパンスタイルのマナーと着こなしのコツ
上下で色の違うスーツの着こなしについて解説します。ジャケットとパンツを別の色で組み合わせる装いは「ジャケパンスタイル」と呼ばれ、ビジネスカジュアルや休日のきれいめな装いにも取り入れやすい着こなしです。
ただし、上下揃いのスーツを単に別々に着るのではなく、基本は単品使いを前提に作られた「ジャケット」と「パンツ」を組み合わせるのがポイント。上下揃いのスーツよりもカジュアルに見えやすいため、職場やシーンに合わせた判断も必要です。
「ジャケパンスタイル」とは?
スーツのように「ジャケット」と「パンツ」を組み合わせているのに、上下の色が違う。そんな着こなしは「ジャケパンスタイル」と呼ばれます。
ここで気をつけたいのは、上下揃いの「スーツ」を単純にバラして着るわけではない、ということ。スーツは同じ生地の上下をセットで着ることを前提に作られていますが、ジャケパンスタイルで使うのは、単品使いしやすい「ジャケット」と「スラックス」です。似ているからといって、セット売りのスーツを別々に組み替えると、素材感やシルエットがちぐはぐに見えることも。上下で色を変えるなら、それぞれ単品として完成しているアイテムを選ぶのが基本です。
ビジネスで着るならTPOの見極めが大切
装いのカジュアル化が進む昨今、ジャケパンスタイルはビジネスシーンでも取り入れやすくなっています。社内でのデスクワークや、ビジネスカジュアルが認められている職場なら、上下揃いのスーツよりも軽やかに見せられる便利な着こなしです。
一方で、大切な商談や式典、相手先のドレスコードが読みにくい場面では、やはり上下揃いのスーツが安心。おしゃれに見えるかどうか以前に、相手や場に対して失礼に見えないか。その判断ができると、ジャケパンスタイルも正しく着こなせます。
まずは「ネイビージャケット×グレーパンツ」から
初めてジャケパンスタイルに挑戦するなら、まずは「ネイビージャケット×グレーパンツ」がおすすめです。
ネイビーはビジネスでもなじみやすく、清潔感や誠実さを出しやすい色。そこにグレーのパンツを合わせることで、上下にほどよいコントラストが生まれ、ジャケパンらしい軽快さも楽しめます。
シャツは白や淡いブルーを選ぶと、ビジネスでも使いやすい落ち着いた印象にまとまります。
「柄」はどちらか一方に絞る
ジャケットかパンツに柄を取り入れる場合は、どちらか一方に絞るのが基本です。上下どちらにも柄が入ると、装いがにぎやかになりすぎて、ビジネスでは落ち着きに欠けて見えることがあります。柄物を取り入れる場合は、もう一方を無地にすると全体がまとまりやすいとされています。
例えば「チェック柄」などのジャケットを着る場合は、パンツは「無地」を選ぶのがおすすめです。上半身に柄が入るぶん、下半身をシンプルにすると全体がすっきりまとまります。ビジネスでも取り入れやすい印象に。柄を主役にするなら、ほかの要素は控えめにまとめるのがコツです。
素材感と季節感をそろえる
色合わせがうまくいっていても、素材感がちぐはぐだとジャケパンスタイルはどこか不自然に見えてしまいます。
たとえば、厚手の「起毛素材」のジャケットに、「薄手」の春夏用パンツを合わせると、上下で季節がずれて見えることも。ウール同士、リネン混同士、コットン系同士など、生地の重さや表情を近づけると、色が違ってもまとまりやすくなります。
上下色違いの装いでは、色だけでなく“生地の質感”をそろえる意識も大切です。
カジュアルなインナーとも好相性
ジャケパンスタイルは、シャツだけでなく、「カジュアルなインナー」とも相性のよい着こなしです。
ビジネスではポロシャツで上品に
ビジネスでは襟付きの「ニットポロ」や「ポロシャツ」を合わせれば、軽やかさがありながら、きちんとした印象も保ちやすくなります。
休日はTシャツでリラックスした装いに
休日なら「Tシャツ」や「ニット」を合わせて、ほどよく力の抜けた雰囲気に仕上げるのもおすすめ。より休日らしく着こなすなら、「カラーTシャツ」で遊びを加えるのもよいでしょう。
「ニットTシャツ」を選べば、Tシャツ感覚の軽さはそのままに、より大人らしい着こなしになります。
足元はローファーやスニーカーで軽快に
ジャケパンスタイルは、上下揃いのスーツよりも軽やかに見えるぶん、足元も少し抜け感のある靴と好相性です。
きれいめに装うならローファーを
ローファーは、革靴らしいきちんと感と軽快さを両立できる一足。レースアップシューズほど堅く見えず、それでいてスニーカーよりも大人っぽい印象にまとまるため、ビジネスカジュアルのジャケパンスタイルと好相性です。
黒やダークブラウンを選べば、軽やかでありながら品のある足元に見せられます。
オフのカジュアルな装いならレザースニーカーを
休日のジャケパンスタイルなら、スニーカーで軽快に見せるのもおすすめ。
ただし、スポーティすぎるものや色柄の強いものは、装い全体がラフに寄りすぎることも。合わせるなら、白/黒/グレーなどのシンプルな「レザースニーカー」が取り入れやすくなります。
スラックスの足元にほどよい抜け感が生まれ、きれいめな休日スタイルに仕上がります。
リュックで今時の通勤スタイルに
通勤や移動が多い日なら、ジャケパンスタイルに「リュック」を合わせるのも◎。上下揃いのスーツよりカジュアルだからこそリュックとは好相性です。
ただし、アウトドア感の強いものや装飾の多いデザインは、ビジネスではラフに見えすぎることも。
選ぶなら、黒やネイビー、グレーなどの落ち着いた色でシンプルなデザインを。レザーや上品なナイロン素材なら、現代的な通勤スタイルにもぴったりです。
「ジャケパンスタイル」は統一感が大事
「ジャケパンスタイル」は、上下揃いの「スーツ」よりも自由度が高いぶん、全体の統一感が大切です。色や柄、素材感、小物のどれかがバラバラに見えると、洒落感ではなく“ちぐはぐ”な印象になってしまうことも。
まずは「ネイビージャケット」と「グレースラックス」のような定番配色から始め、インナーや靴できちんと感を調整して着こなしましょう。
上下の色を変えても、どこかに共通点を作ること。それが「ジャケパンスタイル」を大人らしく見せるセオリーです。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。