ネクタイピンの正しい付け方|スーツのシーンごとの位置や色の選び方、種類と特徴
スーツのときのネクタイピンの付け方を説明します。胸元にさりげなく華やかさを加えられる一方、「どの位置に付ければいい?」「仕事でつけても大丈夫?」と迷う方もいるのでは? ネクタイピンは、付ける位置やデザインによって見え方が大きく変わるアイテム。基本の付け方からシーン別のマナー、代表的な種類まで解説します。
「ネクタイピン」は実用性と装飾性を兼ねたアイテム
「ネクタイピン」の本来の役割は、ネクタイをシャツに固定し、前に垂れたり左右に揺れたりするのを防ぐこと。ジャケットを脱いで仕事をするときや、食事で前かがみになる場面でも、ネクタイの汚れや擦れを防ぎやすくなります。
金属の輝きがVゾーンのアクセントとなり、スーツスタイルを少し華やかに見せられるのも特徴です。
基本の位置:シャツの第3〜第4ボタンの間
スーツやジャケットを着用するときは、シャツの上から数えて「第3ボタンと第4ボタンの間」がひとつの目安です。
ジャケットの第一ボタンを留めたときに、Vゾーンから少し見える程度の高さと考えるとわかりやすいでしょう。
位置が高すぎると装飾性が強くなり、低すぎると間延びして見えるため、まずは胸の中央付近に水平に付けるのが基本です。
ジャケットを脱ぐとき:少し低めに付ける
クールビズやデスクワークなどでジャケットを脱いで過ごす場合は、通常より少し低い「第4ボタンと第5ボタンの間」あたりがおすすめです。低めの位置でシャツに固定することで、前かがみになったときもネクタイが垂れにくくなります。
ジャケット着用時は見た目のバランス、シャツ一枚のときは実用性を優先すると考えるとよいでしょう。
ベストを着るとき:基本的に必要なし
スリーピーススーツなどで「ベスト」を着用する場合は、ベスト自体がネクタイを押さえてくれるため、ネクタイピンは基本的に必要ありません。
胸元に金属のアクセントを加えたい場合は付けても構いませんが、ベストとネクタイピンの両方が目立つと装飾過多に見えることも。すっきりと見せたいなら、あえて使わないのも選択肢です。
ネクタイピンの色の選び方
ビジネスではシンプルな「シルバー」が基本
ビジネスで使うなら、装飾の少ない棒状の「シルバー」が取り入れやすいでしょう。モチーフ付きや宝石をあしらったものは華やかに見えるため、結婚式やパーティーなどの場に向いています。
また、ネクタイピンの金属色を、腕時計やベルトのバックルとそろえると、胸元だけが浮いて見えにくくなります。長さはネクタイの幅より短く、7~8割程度を目安に選ぶとバランスよく収まります。
パーティーなどでは「ゴールド」で華やかさを
結婚式やパーティーなどの華やかな席では「ゴールド」のネクタイピンもおすすめです。胸元に温かみのある輝きが加わり、スーツスタイルをクラシックでドレッシーな印象に見せてくれます。
ただし、装飾の強いものは目立ちすぎることも。ネクタイや時計など、ほかの小物とのバランスを考えながら取り入れましょう。
ネクタイピンの種類とそれぞれの特徴
ワニ口式
バネの力でネクタイとシャツを挟む、最も一般的なタイプです。固定力が強く、片手でも着脱しやすいため、初めてネクタイピンを使う方にもおすすめ。厚みのあるネクタイにも対応しやすく、ビジネスで日常的に使えます。
クリップ式
バネを使わず、金属そのものの弾力で挟むシンプルなタイプです。金具がすっきりしており、Vゾーンをシャープに見せやすいのが特徴。
ただし、厚手のネクタイでは挟みにくい場合があるため、生地との相性を確認して選びましょう。
装飾性の高いタイプ
細かな彫刻や宝石をあしらった「タイタック」、チェーンを胸元に見せる「タイチェーン」などは、装いに華やかさを加えられるタイプです。ビジネスよりも、結婚式やパーティーなどのドレッシーな場に向いています。
存在感があるぶん、ネクタイやポケットチーフは控えめにし、ネクタイピンを胸元のアクセントとして取り入れると、バランスよくまとまります。
ネクタイピンで胸元をさりげなく格上げ
「ネクタイピン」は、いつものスーツスタイルに控えめなアクセントを加えられるアイテムです。派手に飾らなくても、胸元にひと筋の輝きが加わるだけで、装いが少し洗練された印象に。まずはシンプルなデザインを選び、正しい位置に付けることから始めてみましょう。小さなアイテムだからこそ、無理なく取り入れられ、普段のスーツ姿を手軽に格上げしてくれます。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。