スーツにはどんな生地の種類がある?選び方のポイントとおすすめの着こなし方
スーツに使われる代表的な生地と着こなし方について紹介します。同じ色のスーツでも、生地の織り方や厚み、表面の風合いによって、見た目や着心地は大きく変わるもの。仕事で着やすい端正な生地もあれば、季節感や洒落感を楽しめるものも。そんな多種多様な生地について、それぞれの特徴や向いているシーン、相性の良いシャツや靴について解説します。
同じ色のスーツでも、生地が変われば印象が激変
スーツの印象を決めるのは、形やデザインだけではありません。なめらかで光沢のある生地ならドレッシーに、起毛感のある生地なら温かみのある表情に、凹凸のある生地なら軽快にというように、生地によってその印象は大きく変わります。
また、生地の厚みや通気性によって、快適に着られる季節も変わるもの。着用する時期や場面まで考えると、自分に合った一着を選びやすくなります。
きちんとした場に向く「ドレッシーな生地」の種類
・ツイル
・シャークスキン
・トロピカル
・フレスコ
・モヘヤ混
仕事や会食など、端正に見せたい場面には、表面がなめらかで織り目の細かな生地が向いています。ほどよい光沢やハリがあるものはスーツの輪郭を美しく見せやすく、白シャツやシルクタイ、ドレスシューズとも好相性。
ビジネススーツに取り入れやすい代表的な生地をご紹介します。
「ツイル」はなめらかな艶と端正さが特徴
斜めに走る織り目が特徴の「ツイル」は、ビジネススーツで広く使われる生地です。表面がなめらかで、ほどよい光沢があるため、商談や会食などきちんと感が必要な場面にも向いています。
白シャツとシルクタイ、内羽根式の革靴を合わせれば、スーツらしい端正な印象を引き立てられます。今らしいノータイのビジカジスタイルも、どこか上品な印象になってくれるのもポイントです。
「シャークスキン」は控えめな織り柄が特徴
濃淡の異なる糸を使い、サメ肌のような細かな表情を生み出した「シャークスキン」。遠目には無地に見えますが、光の当たり方によって織り柄が浮かび、ベーシックなスーツにさりげない変化を加えてくれます。
柄の主張が控えめなので、画像のようなペイズリー柄のネクタイを合わせてもVゾーンが騒がしく見えません。白いポケットチーフを加えれば、会食にもぴったりな華やかさが生まれます。
「トロピカル」は春夏のビジネス向き
細いウール糸を平織りにした「トロピカル」は、薄手で通気性に優れた春夏の定番生地です。さらりとした手触りながら、ウールスーツらしい端正さを保てるのが特徴。
ニットタイのようなざっくりした生地感のアイテムとも好相性で、暑い時期にもタイドアップが必要なシーンにも重宝します。
「フレスコ」は通気性とハリが特徴
強く撚った糸を粗めに織り上げた「フレスコ」は、ドライな手触りとしっかりしたハリが特徴です。通気性がありながら形が崩れにくく、暑い時期にも立体的なシルエットを保ちやすいのが利点。スーツだけでなく、画像のようなアンコン仕立てのジャケットにも使われ、裏地を省いた軽い作りでも生地のコシが輪郭を支えてくれます。
シャツやニットの上に羽織る、少し力の抜けた装いにもマッチします。
「モヘヤ混」は涼やかな艶が特徴
アンゴラヤギの毛である「モヘヤ」をウールに混ぜた生地は、シャリ感とハリ、ほのかな光沢が特徴です。肌離れがよく、暑い時期にも着やすい一方、光を受けると細かな艶が生まれ、夏のスーツにもドレッシーな印象を加えてくれます。
華やかな光沢ある生地は、パーティーまで幅広い場面で活躍してくれます。
素材感を楽しめる「カジュアルな生地」の種類
・リネン
・シアサッカー
・コットン
・フランネル
・コーデュロイ
・ツイード
表面に起毛感や凹凸がある生地は、なめらかなウール生地よりも柔らかく、カジュアルな印象になります。休日のスーツスタイルや、服装の自由度が高い職場、季節らしい着こなしを楽しみたい場面におすすめです。
ニットやポロシャツ、ローファー、スエード靴など、少し力の抜けたアイテムともよく合います。
「リネン」は夏らしい軽快さが特徴
「リネン」は、ドライな手触りと通気性のよさが特徴の夏素材です。着用によって生まれるシワも、生地ならではの味わいとして楽しめます。
画像のように鮮やかなカラーのストライプシャツと合わせたりすると、リネンの軽さを生かしたサマースーツスタイルに。
「シアサッカー」は涼しげで軽やかな印象
表面に波状の凹凸がある「シアサッカー」は、肌に触れる面積が少なく、汗ばむ季節にもべたつきにくい生地です。見た目にも涼しく、夏のスーツやセットアップに軽やかな印象を加えます。
さらりと白シャツを合わせたノータイの着こなしでもニュアンスある生地感がアクセントになり存在感を演出してくれます。
「コットン」はラフなシワ感まで楽しめる
「コットン」は、ウールよりも光沢が控えめで、ドライな手触りとほどよいハリが特徴。スーツに用いると、仕立てのきちんと感を残しながらも、肩肘張らない軽快な印象に。
着込んだときのシワ感が生まれるので、休日にTシャツやローファー、スニーカーなどを合わせて、リラックス感を持ちながらカジュアルにスーツを着るときなどにおすすめです。
「フランネル」は柔らかくあたたかな印象
「フランネル」は、ウール生地の表面を起毛させた、柔らかな風合いが特徴です。見た目にもあたたかみがあり、秋冬のスーツスタイルに季節感を加えてくれます。
画像のグレースーツのようにシャツと柄タイを合わせても、かっちりしすぎずに、柔らかな印象でビジネススタイルで着こなすことができます。
「コーデュロイ」はあたたかみのある休日向き
縦に畝が走る「コーデュロイ」は、あたたかみのある柔らかな表情が特徴です。畝が太いほどカジュアルに、細いほどすっきり見えるため、品よく着るなら細畝がおすすめ。
ポロシャツやモックネックを合わせれば、秋冬らしいビジネスカジュアルとしても楽しめます。
「ツイード」は重厚でクラシックな印象
太めのウール糸で織られた「ツイード」は、ざっくりとした表情と温かさが特徴です。スーツやジャケットで取り入れると、重厚でクラシックな印象を加えられます。
生地感のあるウールのネクタイやオックスフォードのシャツなどと好相性で、ジャケットであればデニムと合わせて冬の休日ジャケットスタイルとしても楽しめます。
生地を知れば、スーツを着る楽しみが広がる
同じ色や形のスーツでも、生地が変われば見た目や着心地、似合う季節まで変わります。まずは「なめらかならドレッシー」「凹凸や起毛感があればカジュアル」という違いを知るだけでも、店頭での見方は大きく変わるはずです。着ていく場所や合わせたいアイテムを思い浮かべながら、自分の装いに合った生地を選んでみてください。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。