パーティーにはどんなスーツを着て行けばいい?ドレスコードとシーン別の装いを解説
パーティーに着て行くスーツの選び方をご紹介します。企業のレセプションや創立記念式典、ホテルでの祝賀会、友人の集まりなど、ひと口にパーティーといっても内容はさまざま。普段のビジネススーツでよいのか、もう少し華やかに見せるべきか、迷う方も多いでしょう。招待状からドレスコードを読み取る方法をはじめ、シーン別の着こなしやパーティー向けスーツの色や素材まで解説します。
パーティーの服装は「招待状のドレスコード」で決める
パーティーの服装を考えるときにまず最初に確認したいのは、招待状や案内メールに記された「ドレスコード」です。
「ブラックタイ」、「平服」、「スマートカジュアル」などの指定があれば、着たいスーツを先に決めるのではなく、まずその基準に合わせます。
そのような指定がない場合は、
・主催者
・会の目的
・会場
・時間帯
の順に考えましょう。
たとえば、企業の周年行事や表彰式、ホテルの宴会場で行われる祝賀会なら、ダークスーツにネクタイを合わせるのが無難です。レストランを貸し切った友人どうしの集まりなら、明るい色のスーツやノーネクタイが許容されることもあります。
パーティーで知っておきたい主な「ドレスコード」
「ブラックタイ」:黒いネクタイではなく、タキシードを指定する言葉
「ブラックタイ」は、黒い長ネクタイを意味する言葉ではありません。一般に夜のフォーマルなパーティーで用いられるドレスコードで、男性はタキシードを着用します。
礼装のなかの一つとなる「ブラックタイ」の装いは、ブラックまたはミッドナイトブルーのタキシードに、白の比翼のシャツやドレスシャツ、黒のボウタイ、エナメルシューズを合わせるのが基本です。通常のブラックスーツに黒い長ネクタイを合わせても、ブラックタイの装いにはならないので注意しましょう。
「平服」:普段着ではなく、ダークスーツのドレスアップ
「平服でお越しください」という案内は、日常着でよいという意味ではありません。正礼装や準礼装までは求めないものの、会の内容にふさわしいきちんとした服装が必要です。
企業やホテルで行われるパーティーであれば、ダークネイビーやチャコールグレーのスーツに、白または淡い色のドレスシャツ、シルクのネクタイを合わせるのが王道となります。
「スマートカジュアル」:スーツを少し力を抜いた着こなしに
スマートカジュアルは、スーツやネクタイを必須としないドレスコードです。テーラードジャケットとスラックスを組み合わせるほか、スーツをノーネクタイで着る方法もあります。
シャツやハイゲージニット、革靴や端正なスリッポンなど、カジュアルなアイテムも品のよいものを選びます。デニムやTシャツ、スニーカーまで許容されるかは会場によって異なるため、「スマートカジュアル=何を着てもよい」とは考えないほうがよいでしょう。
「ドレスコード」がない場合のスーツの選び方
仕事関係のパーティー:ダークスーツで上品にドレスアップ
「ドレスコード」の指定がない場合は、パーティーの内容に合わせてスーツや着こなしを選びます。
例えば取引先の周年行事や新製品の発表会、仕事関係のレセプションでは、ダークネイビーやチャコールグレーの無地、または遠目には無地に見える細かな織り柄が使いやすいでしょう。シングルの2つボタンや3つボタンなら、昼夜を問わず幅広い会に対応できます。
普段のビジネススーツを使う場合は、シャツやネクタイまで仕事の日と同じにしないことがポイントです。白のブロードシャツに、織りに表情のあるシルクタイやポケットチーフを加えると、節度を保ちながら会食の席に合う装いになります。
ホテルや夜のパーティー:生地やダブルブレストで変化を
ホテルで行われる夜の祝賀会や社交的なパーティーでは、モヘヤ混やシャークスキン、目の詰まったウールなど、照明を受けて控えめに艶が出る生地も選択肢の一つ。さらにダブルブレストやピークドラペルのスーツを選べば、色を増やさなくても普段の仕事着とは違って見えます。
ドレスコードの範囲内であれば、グレーがかったブルーや深いブラウンも取り入れられます。
ただし、強い光沢のある生地に大柄のシャツやネクタイまで重ねると、装いの主張が強くなりすぎる恐れも…。スーツに特徴がある場合は、Vゾーンはシンプルにまとめましょう。
ブラックスーツを選ぶ場合は、黒い長ネクタイを避け、ネイビーやボルドーのシルクタイ、白いポケットチーフを合わせます。色を増やしすぎなくても、弔事とは異なる装いになります。
親しい人が集まるパーティー:普段着ない色のスーツも◎
友人の出版記念や誕生日、趣味の仲間が集まるパーティーなら、明るいブルーやブラウン、柄物のスーツなど、ビジネスでは着る機会の少ないスーツも楽しめます。ドレスコードがスマートカジュアルであれば、シャツの代わりにハイゲージニットを合わせるのもよいでしょう。
ただし、色柄のあるスーツ、強い柄のシャツ、ボウタイと、目立つ要素をいくつも重ねる必要はありません。スーツを主役にするならシャツとタイは控えめに、無地のダークスーツならチーフやネクタイに色を加えるなど、装いのアクセントとなるポイントを絞ると上品に着こなせます。
靴は着こなしの格式に揃える
「ブラックタイ」では「オペラパンプス」を
パーティーでは、スーツがドレスコードに合っていても、靴がカジュアルすぎると全身がちぐはぐに見える恐れも。「ブラックタイ」の指定がある場合は、白のフォーマルシャツに黒のボウタイを合わせ、足元には黒のオペラパンプスやエナメル靴を選びます。
「平服」では「フォーマル仕様の靴」を
平服の指定でダークスーツを着るなら、白または淡いブルーの長袖ドレスシャツにシルクタイを合わせ、靴は黒の「内羽根式ストレートチップ」が基本となります。つま先に一本の切り替えが入るだけのこのデザインで、仕事関係の会やホテルの宴会場にも合わせやすい靴といえます。
「スマートカジュアル」では「スリッポン」も
薄手のハイゲージニットをスーツに合わせることもある「スマートカジュアル」では、足元も少し軽くし、モンクストラップスリッポンやローファーを選ぶのもおすすめ。
また、スエード素材のものなら一般的なドレスシューズより力が抜けて見えながら、スニーカーほどスポーティーになりません。厚いソールや大きなロゴのあるものは避け、パンツの裾幅と釣り合う、すっきりした形を選びましょう。
ドレスコードと会の趣旨に沿ったドレスアップが大事
パーティーの装いで大切なのは、単に華やかに見せることではなく、ドレスコードと会の趣旨を踏まえて服装を選ぶことです。企業の式典なら節度のあるタイドアップ、ホテルでの夜の祝賀会なら艶のある生地やシルクの小物、親しい人が集まる会なら色や柄を取り入れるなど、ふさわしいドレスアップは場面によって異なります。
まずはスーツ、シャツ、靴の格式を揃え、そのうえでネクタイやポケットチーフ、カフリンクスを選びましょう。どのような目的で開かれ、誰を招く会なのかまで考えると、装いの方向性を判断しやすくなります。その場への敬意を示しながら、普段とは異なる着こなしを楽しむことが、パーティースタイルの基本です。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。