

トーマスメイソンこそ最高峰であり、いつの時代も “ いいシャツ ” の証|知っておくべきブランド
いくら直幸
仕立てやシルエットはもとより、シャツ選びの重要なポイントであるファブリック。上等な一枚を求めるなら必ず触れてほしいのが、世界で最も名の通った高級シャツ生地ブランド<トーマスメイソン(THOMAS MASON)>です。
英国王室ご用達シャツにも長年採用
古来より家内制手工業での織物が盛んに行われてきた英国・ランカシャー。世界有数の高級シャツ生地メーカー<トーマスメイソン>は、産業革命の真っ只中にあった1796年、この地で産声を上げました。創業当初から高品質と謳われた同社のファブリックは、貴族や上流階級を顧客とするロンドンのテーラーで取り扱われ、次第にイギリス全土、海外諸国へと評判が広がることに。
時代を経て20世紀。第一次大戦下では国からの要請を受け、耐水性や耐火性のあるコットン生地を開発し、多くの兵士の命を救ったと伝えられています。'36年には、英国王室ご用達の名門シャツメーカーであるターンブル&アッサーへ独占的にファブリックの供給を開始し、さらなる信頼と支持を得たのです。
'90年代初頭、大きな転機が訪れます。かねてより<トーマスメイソン>の長く輝かしい歴史をリスペクトしてきたイタリア3大ファブリックメーカーの一翼、アルビニ社の傘下となったのです。これに伴って、生産拠点もイタリアを中心とする世界6つの工場へ。ランカシャーの工場より移設された織機、インスピレーションの源となる膨大な数の貴重なアーカイブ、そして約200年にもわたって培われた伝統を活かしながら、アルビニ社の先進技術を掛け合わせたファブリックは、最高峰のシャツ生地を表す代名詞となります。今もトップサプライヤーを続けるターンブル&アッサーや名高いオーダーシャツ店で取り扱われ、世界中のVIPやセレブリティ、本物の上質を求めるウェルドレッサーたちに指名される揺るぎない地位を守っています。
時代を経て20世紀。第一次大戦下では国からの要請を受け、耐水性や耐火性のあるコットン生地を開発し、多くの兵士の命を救ったと伝えられています。'36年には、英国王室ご用達の名門シャツメーカーであるターンブル&アッサーへ独占的にファブリックの供給を開始し、さらなる信頼と支持を得たのです。
'90年代初頭、大きな転機が訪れます。かねてより<トーマスメイソン>の長く輝かしい歴史をリスペクトしてきたイタリア3大ファブリックメーカーの一翼、アルビニ社の傘下となったのです。これに伴って、生産拠点もイタリアを中心とする世界6つの工場へ。ランカシャーの工場より移設された織機、インスピレーションの源となる膨大な数の貴重なアーカイブ、そして約200年にもわたって培われた伝統を活かしながら、アルビニ社の先進技術を掛け合わせたファブリックは、最高峰のシャツ生地を表す代名詞となります。今もトップサプライヤーを続けるターンブル&アッサーや名高いオーダーシャツ店で取り扱われ、世界中のVIPやセレブリティ、本物の上質を求めるウェルドレッサーたちに指名される揺るぎない地位を守っています。
プレミアム素材による特上の風合い
<トーマスメイソン>の真骨頂は、主に100~140番手の細い糸で織り上げた、しなやかな風合いと上品な光沢です。番手とは糸の太さを表す単位であり、数字が大きいほど細いことを示し、それと比例して滑らかで艶やかな生地に仕上がります。一般的なカジュアルシャツに用いられる糸は50番手前後なので、いかにキメ細かく柔らかいかがわかるでしょう。

これを具現化するうえで、特に大切なのが原料です。コットンを細く紡ぐには、超長綿と呼ばれる繊維の長い高価な綿花を使わなければなりません。同社では、柔軟性と美しい発色を特長とするアメリカンスーピマを筆頭に、均質性に優れた繊維がもたらす強度と光沢が魅力のギザ45や、洗濯を重ねても白さと光沢が損なわれないギザ87をはじめとしたエジプト各産地のギザコットン、そして超長綿のなかでも最も繊維が長く、とりわけ希少なシーアイランドコットンといった極上素材のみを採用。そのほか夏の着用に適し、リゾートウェアとして好まれるリネンも、ハイクオリティで知られるプレミアムなヨーロッパリネンが厳選されています。
ただし細番手の糸は、やはり繊細。ここに挙げた超長綿は十分な強度も兼ね備えているものの、さらに加えて1本の糸からなる単糸ではなく、2本を撚り合わせた双糸にすることで、より高い耐久性を実現しています。綿100%でありながら絹のような肌触りを味わえ、それでいて安心して袖を通せて長く付き合える丈夫さも併せ持っているのです。
ただし細番手の糸は、やはり繊細。ここに挙げた超長綿は十分な強度も兼ね備えているものの、さらに加えて1本の糸からなる単糸ではなく、2本を撚り合わせた双糸にすることで、より高い耐久性を実現しています。綿100%でありながら絹のような肌触りを味わえ、それでいて安心して袖を通せて長く付き合える丈夫さも併せ持っているのです。
大人カジュアルな一枚としても人気
ブランドには、大きく2つのコレクションが設けられています。1つは100/2(100番手の双糸)~120/2(120番手の双糸)の生地をメインとする「シルバーライン」。比較的シワになりにくいのでビジネスユースに適し、なかでも70/1(70番手の単糸)~140/2(140番手の双糸)までを取り揃えるジャーニーシリーズは、特殊な加工によっていっそうシワになりにくいため出張や旅行に好評です。一方、主に140/2を使用する「ゴールドライン」はフォーマルシャツにオススメ。通常140番手ともなると、あまりに柔らかく取り扱いが難しくなるところ、同社の糸は豊かなハリ・コシも備えています。
オーダー&既製を問わず、高級ドレスシャツのファブリックにおいて定番中の定番。さらに現在では肩肘張らないカジュアルシャツに使われるケースも増えており、それらはラフさやリラックスした雰囲気のなかにも上質生地ゆえのエレガンスを薫らせ、どこかキチンと感の漂う装いを演出します。ビジネスシーンはもちろん、かしこまった場面から休日まで、大人を取り巻くいかなるシチュエーションにもふさわしい<トーマスメイソン>は、“ いいシャツ ” を物語るひとつの証であり、これまでもこの先も絶対に間違いのない選択なのです。
オーダー&既製を問わず、高級ドレスシャツのファブリックにおいて定番中の定番。さらに現在では肩肘張らないカジュアルシャツに使われるケースも増えており、それらはラフさやリラックスした雰囲気のなかにも上質生地ゆえのエレガンスを薫らせ、どこかキチンと感の漂う装いを演出します。ビジネスシーンはもちろん、かしこまった場面から休日まで、大人を取り巻くいかなるシチュエーションにもふさわしい<トーマスメイソン>は、“ いいシャツ ” を物語るひとつの証であり、これまでもこの先も絶対に間違いのない選択なのです。

ファッションライター いくら直幸
人気アパレルメーカーのPRを経て、1990~2000年代に絶大な影響力を誇ったストリートファッション誌『Boon』の編集者に。現在は『Begin』『OCEANS』をはじめとするメンズ雑誌とウェブマガジンに寄稿するほか、有名ブランドや大手セレクトショップの広告&オウンドメディアなどで活動。また、日本テレビの情報バラエティ番組『ヒルナンデス!』のコーディネート対決コーナーでは審査員も務める。
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