
スーツにチーフは必要?基本のマナーとおすすめの挿し方の手順
メンズスーツの着こなしにおけるポケットチーフの挿し方をご紹介。普段電車でスーツを着ているビジネスマンを見ると、シャツやネクタイに気を配っても、チーフはなおざりにしている方が多くいらっしゃいます。ですが、チーフがあるとないとでは、その装いの印象は大きく変わります。チーフの重要性を知り、正しい挿し方や折り方、そして取り入れるべきシーンを学ぶことで、普段のスーツの着こなしがグッと格上げすることができます。
INDEX
スーツにチーフを挿す意味は?

チーフというと日本ではおしゃれのための装飾というイメージが強く、特別な場でないと取り入れるのは気恥ずかしいと感じる方も多いのでは?しかし、国外のビジネスマンや国際政治の場においては、チーフを挿している方が多く見られ、特に白チーフは飾りというよりも身だしなみとして取り入れられています。チーフは、スーツのVゾーンにメリハリをつける効果があり、見栄えを良く保つのに効果的な一手なのです。
チーフを挿していいシーンは?

畏まったビジネスシーンでは、装飾的な印象を与えるチーフは不要と考える方も多いですが、むしろフォーマルな場こそチーフの活用を。特に「TVフォールド」(挿し方の手順は後述)で挿した白チーフは、端正な印象を与え、シンプルなネイビースーツの着こなしをワンランク上の上品な雰囲気へと演出してくれます。

チーフはパーティなどの華やかなシーンにおいては絶大な効果を発揮します。「3ピークス」や「パフドクラッシュ」(挿し方の手順は後述)は、装いにエレガントな印象を与えてくれ、ハレの場に相応しい装いを実現してくれます。
チーフを挿さない方がいいシーンは?

覚えておきたいのが、チーフを挿してはいけない場面があるということ。お通夜や告別式などのお悔みの場においては、チーフを挿すのは厳禁。たとえ白のものであってもチーフは控え、喪服としての装いのルールを遵守しましょう。
基本の折り方「TVフォールド」

チーフの最も基本的な挿し方が「TVフォールド」。商談、面接、式典などのあらゆるビジネスシーンで取り入れることができる万能な挿し方と言えるでしょう。アメリカのテレビキャスターが多く取り入れたことをきっかけに、このような呼び方がされるようになったと言われています。
TVフォールドの挿し方はとても簡単。
TVフォールドの挿し方はとても簡単。

① 四つ折りにして小さな正方形に。
② 両端を中央に折り込んで縦長の長方形に。
③ ジャケットの胸ポケットの深さに合わせて、下部の4分の1ほどを折る。
④ 胸ポケットから5mm〜1cmほどでるように挿せばOK!
胸ポケットに挿して綺麗に見える形にチーフを折ったら、アイロンなどで軽くクセづけして保管しておくのもおすすめです。毎回折りたたむ必要がなく楽にチーフを入れられます。
② 両端を中央に折り込んで縦長の長方形に。
③ ジャケットの胸ポケットの深さに合わせて、下部の4分の1ほどを折る。
④ 胸ポケットから5mm〜1cmほどでるように挿せばOK!
胸ポケットに挿して綺麗に見える形にチーフを折ったら、アイロンなどで軽くクセづけして保管しておくのもおすすめです。毎回折りたたむ必要がなく楽にチーフを入れられます。

「TVフォールド」でチーフを挿す際に、最も端正に見えチーフ自体も折りやすいのが、「白のリネンチーフ」。リネン生地自体にハリがあるので初心者でも綺麗に折ることができます。
「3ピークス」はパーティシーンで活躍

結婚式などお祝いのシーンで活躍しれくれるのが「3ピークス」の挿し方です。ビジネスシーンでは活用する機会があまりないものの、ハレの場で取り入れれば、スーツの装いをグッとエレガントな雰囲気へ格上げしてくれます。
「3ピークス」は3つの山を綺麗に作るのがポイント。
「3ピークス」は3つの山を綺麗に作るのがポイント。

① 対角線で二つ折りに。
② さらに二つ折りに。
③ チーフの先の山の部分を少しずらしながら、さらに二つ折りにして3つの山ができるように。
④ 胸ポケットに入るように、両端を少しだけ折り曲げる。
⑤ 形を崩さないようにポケットに挿し込みましょう。
「TVフォールド」と同じく、生地にハリのある白のリネンチーフと好相性の挿し方です。
② さらに二つ折りに。
③ チーフの先の山の部分を少しずらしながら、さらに二つ折りにして3つの山ができるように。
④ 胸ポケットに入るように、両端を少しだけ折り曲げる。
⑤ 形を崩さないようにポケットに挿し込みましょう。
「TVフォールド」と同じく、生地にハリのある白のリネンチーフと好相性の挿し方です。
「パフドクラッシュ」はカジュアルパーティに最適

「3ピークス」のようにエレガントな挿し方は気恥ずかしいけれど、ちょっとだけ華やかな雰囲気でチーフを取り入れたい。そんなときは「パフドクラッシュ」に挑戦を。こちらは、シルクの柔らかい生地感で色柄のあるチーフと相性が良く、イベントや食事会などカジュアルパーティで活躍してくれます。
一見難しそうに見える挿し方ですが実は簡単。無造作に入れても様になり、派手な柄のチーフでも悪目立ちせずに取り入れられます。
一見難しそうに見える挿し方ですが実は簡単。無造作に入れても様になり、派手な柄のチーフでも悪目立ちせずに取り入れられます。

① チーフの中央を指でつまみ上げる。
② チーフの四方を上に向けて、下部を折り曲げる。
③ チーフの端の山を散らせて、下部を折り曲げてできた袋部分と重なりすぎないように整えて完成。
② チーフの四方を上に向けて、下部を折り曲げる。
③ チーフの端の山を散らせて、下部を折り曲げてできた袋部分と重なりすぎないように整えて完成。
「色柄チーフ」の簡単なコーディネート術とは?


チーフを挿すときに最も難しいと思われることが多いのが、色柄のコーディネートの仕方。複雑な色柄のものが多いチーフは、取り入れるのにかなりのセンスが必要と考える方が多くいらっしゃいますが、実は思っているよりも簡単。特にチーフコーデで最も失敗しにくいのが、スーツと同系色のチーフを挿す方法。チーフがスーツに馴染むことで悪目立ちせず、落ち着いた印象で取り入れることができます。


シャツやネクタイの色を拾ってチーフを挿すコーディネートも簡単でおすすめ。
左の写真ではネクタイのグリーンカラーを拾ってチーフを合わせ、右の写真ではストライプシャツのブラウンカラーと色を合わせてチーフを取り入れています。
左の写真ではネクタイのグリーンカラーを拾ってチーフを合わせ、右の写真ではストライプシャツのブラウンカラーと色を合わせてチーフを取り入れています。

また、コーディネートアイテムの色を拾ってチーフを合わせる方法は、ノータイでのスーツスタイルでも活用できます。写真は、インナーのブラウンボーダーの色を拾ったチーフを合わせてコーディネート。チーフがコーディネート全体と調和させつつ、ノータイのシンプルなスーツスタイルにアクセントを加えた着こなしとなっています。
チーフを活用してワンランク上の装いを!
ポケットチーフ。単なる飾りというよりも、身だしなみのマナーのひとつと言えます。取り入れるのが気恥ずかしい、挿し方や色合わせが難しい、と思われがちですが案外簡単に取り入れることができて、その効果は絶大。スーツの着こなしがどこか冴えない……、と思ったらぜひチーフを活用し、ワンランク上の着こなしを実践してみてください。

橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。
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