B&Y

Yu Imaizumi
Eyewear Designer
スウェットシャツ

Text Takuhito Kawashima
Photographs Reiko Toyama


Published March 5, 2021

Text Takuhito Kawashima
Photographs Reiko Toyama

Published March 5, 2021

原宿から少し離れた場所にayameの旗艦店はある。食材にこだわったカジュアルなレストランやインテリアショップなどが点在し、生活者も多い千駄ヶ谷と呼ばれるエリアでayameは、「街のメガネ屋」を目指している。デザイナーは今泉 悠さん。無駄な装飾を省いたayameのプロダクトデザインとは打って変わって、今泉さんは好奇心旺盛なパーソナリティの持ち主だ。サーフィンやテニスなどのアクティビティから、行きつけの老舗クッキー屋まで、今泉さんならではの体験がayameのメガネを誕生させている。

Q&A with Yu Imaizumi

Q: 今回は東京・千駄ヶ谷にあるayame optical storeで撮影させていただきました。撮影時に今泉さんがおっしゃっていた「この場所が目指すのは街のメガネ屋さん」とは、どういう意味だったのでしょうか?

A: ブランドに憧れを持たすことも大事なのですが、ayame optical storeは、メガネと生活することの本質的な部分を伝えられるような場所にしたいと思っています。例えば、他ブランドのフレームは受け付けられませんということではなく、他社のフレームでもカラーレンズを入れさせていただきますし、最近は曇らないレンズを開発したのですが、そのレンズも入れさせていただいています。そういう意味でも、“街のメガネ屋さん”という立ち位置が理想なのかなと思っています。

Q: 確かに、お店には自然光もたっぷり入ってきたり、ほどよくオープンな空気感が気持ちいい場所ですからね。

A: メガネはパーソナルなアイテムです。だからこそ、僕らがお客さまに対して積極的に最新のアイテムを勧めることに少し違和感を感じています。お客さまのライフスタイルに合っていることがベストですし、そのメガネがお客さまに美しい生活文化をもたらせることができるのであれば、それはもの作りに関わる人間としては本望です。ブランド名を大きく掲げすぎてしまうと、そうはならない気がしています。もちろんayameが好きと言っていただけることはありがたいのですが、かけ心地がいい、使い勝手がいい、というプロダクトを目指していきたいと思っています。

Q: ビューティ&ユースが掲げる「何を着るのかではなく、誰が着るのか」そして「いいものはいい」というメッセージと重なります。もののよさをブランドや値段で決めるのではなく、TPOでみる。これは今泉さんにとってのいいメガネとあまりよくないメガネの違いでもありますか?

A: そうですね。僕にとってのいいメガネは、扱いやすいメガネだと思っています。プロダクトとして凝ってる、デザインにこだわっているからと言って、=いいメガネという方程式は通用しないと思っています。かけ心地の調整がしやすい、修理を受けれる環境にすることの方がことメガネをデザインすることに関しては大切なことだと思っています。

Q: その考え方はayameのものづくりにも影響している……?

A: その通りです。だから自分だけで作っているというよりも、お客さまと一緒に作ってる感覚があります。

Q: 定番品が多いのもそれが理由ですか? 

A:はい。一つのデザインに対して、どんどん改良を重ねています。もちろん新型と呼ばれるプロダクトも作っていますが、年間で10型ほどです。しかも、そのほとんどが定番品として残っているので、リピートして購入してくださる方も多いんです。

Q: 定番品として残っているものの特徴はありますか?

A: COVID-19のようなガラッと生活様式が変わるような出来事があっても残ってくれているのは、先ほどお伝えした使い勝手のいいものです。それに加え、ayameらしいちょっとした気の利かせ方や遊び心に共感をいただけると本当に嬉しい気持ちになります。

Q: 視覚を良好にするツールでもあると同時に、気分を上げるファッションアイテムでもあるメガネを今泉さんはどのように見ていますか?

A: その人の印象を変えてしまうものだと思っています。それはつまりその人の変身願望を叶えるアイテムでもあります。「人生を変える」と言ってしまうと、おこがましいかもしれませんが、それぐらい力のあるアイテムだとは思っています。

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