B&Y

Katsuya Aotani
Buyer
デザートトレック

Text Takumi Sato
Photography Yusuke Iida


Published November 5, 2021

Text Takumi Sato
Photography Yusuke Iida

Published November 5, 2021

「ないとソワソワしてしまうのがクラークスです」とBEAUTY&YOUTHとクラークスの蜜月な関係について話すのは、バイヤーの青谷克也。13年間、クラークスを担当し、これまでに数々の別注アイテムを手がけてきた。2013年には実際にロンドンから3時間離れたストリートという小さな街に本社を構えるクラークス社にも訪れている。そんなBEAUTY&YOUTHの“Mr. クラークス”が、今年の冬にはマストハブだとリコメンドする一足がある。ワラビーでも、デザートブーツでもない。クラークス オリジナルズのデザートトレックについて。

「メンズカジュアルにおいて靴選びはかなり重要です。例えば、Tシャツとデニムでも靴を変えるだけで全体の印象が変わってくる。僕自身も洋服を選ぶときは、靴を最後に選んでいます。パンツを選んで、トップスを選んで、最後に革靴にしようか、スニーカーにしようか……といったように。自分のワードローブにあるパンツやトップスでそこまでテイストは変わらないんです。だからこそ靴でその日の気分を変えていく。綺麗目にいくか、スポーティーにいくか。僕にとって靴は、変化をつけるためにある」と話すのはBEAUTY&YOUTHメンズのバイヤーを務める青谷克也。

BEAUTY&YOUTHのメンズバイヤーとして13年クラークスと関わり、何を取り扱うか、またコラボレーションしてどんなものづくりができるかを考える青谷。2013年にはイングランド南西部にあるストリートという町に本社を構えるクラークス社にも訪れている。

現在もイングランド南西部にある小さな町ストリートに本社を構えるクラークス。本社の入り口には、創設者である兄弟二人の名前の頭文字であるC. & J.CLARKの文字が刻まれている。「クラークスがあるから経済が回っているような町でした。それにお年寄りや子供まで、たくさんの人がクラークスを履いていたのが微笑ましかったです」と街全体の様子について話す青谷。

「当時、社内にはミュージアムが併設されていました。そこでクラークスがもともとは靴メーカーではなく、シープスキンのラグを扱う会社であったことを知りました。建物はもちろん、のどかな町の風景は、本当に映画でよく見る英国の田舎町の風景そのもので、ものすごくいい雰囲気でした。クラークス オリジナルズのクレープソールとその町の道路の様子がものすごく合っていたんです」

クラークス発祥の地ストリートでは、古くから羊や牛の牧畜が盛んな地域であったため、創業当初はシープスキンスリッパをはじめとするムートン製品がメインのラインナップとして存在していた。

BEAUTY&YOUTHとクラークス。両者の関係性はかなり深い。実際にBEAUTY&YOUTHが取り扱うブランドの中でも、クラークスとの歴史は長く、青谷曰く「BEAUTY&YOUTHを象徴する足元のひとつ」であり、店頭のシューシェルフに並んでいないとソワソワするほど。

「かつてギンガムチェックのボタンダウンシャツがこのレーベルを象徴していたように、クラークスの靴も同じです。革靴とスニーカーのどちらにも該当しない“ちょうどいい”靴。カジュアルだけれども品がいい。まさにBEAUTY&YOUTHらしいんですね」

そんな青谷がバイヤーとして今季BEAUTY&YOUTHからクラークスに別注したのがデザートトレック。ワラビーでもなく、デザートブーツでもなく、なぜトレックなのだろう。

Desert Trek, Medium Brown, Clarks Originals×BEAUTY&YOUTH ¥33,000

センターシームの独特なデザインは、ファッション性だけでなく履きやすさに裏打ちされたもの。 広めの履き口は脱ぎ履きがしやすいが、2アイレットのレースによって足首をしっかりとホールドしてくれる。

「次第に落ち着きはじめてきたコロナですが、まだまだ洋服に求められているものは、社交的に着飾るようなものではなく、安心感やリラックス感だったりします。だからこそ気張ってない佇まいだけれども、品のいい靴が欲しかったんです」
ワラビーの生みの親でも知られるランス・クラークさんがアイルランドで出会ったオランダ人陶芸家が履いていた靴をモチーフに作られたデザートトレック。ヒールパッチには“トレックマン”という愛称で親しまれるロゴが描かれ、無骨なイメージのあるデザートトレックにシープスキンという柔らかな素材を使用したのが、今回BEAUTY&YOUTHが別注したデザートトレック。イギリス生まれの品のよさを残しつつ、シープスキンが持つ季節感に加え、暖かみが、気負いすぎない空気感を演出している。

Desert Trek, Medium Brown, Clarks Originals×BEAUTY&YOUTH ¥33,000

クラークス オリジナルズのデザートトレックのシンボルとされているかかと部分の“トレックマン”。かかとの芯材を排除することで、かかとを踏んでも履ける仕様に。クラークス創業当初の看板商品であったシープスキンスリッパを今の時代に合わせた。原点回帰を感じさせる一足。

「いわゆる冬のビーサン的なアイテムなんです。近くのスーパーに行くときのワンマイルフットウェアとしてはもちろん、お出かけするときのコーディネートにもリラックス感を与えてくれます。またシープスキン特有のマットな質感やキャメルのような落ち着いた色味は、白いパンツと合わせても上品にまとまりますし、今日僕が穿いているようなネイビーパンツとの相性もよく、比較的どんなコーディネートにも合わせられる万能な色なんですね。それに、なんといってもプロダクトとしてかわいいクラークスという由緒正しいシューメーカーの出自であることはもちろん、今主流になっているワイドなシルエットのパンツとの相性もいい。靴といえば通年履くもののイメージがありますが、まさにビーサンのように、その季節にしか堪能できない靴としてワードローブに取り入れていただけると嬉しいですね」

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