B&Y

ISLND & Ryota Ishii
Sound Sports
スニーカー

Text & Edit by Mikiya Matsushita(kontakt)
Photography by Tess Ayano


Published April 1, 2022

Text & Edit by Mikiya Matsushita(kontakt)
Photography by Tess Ayano

Published April 1, 2022

一見しただけでは、そこはどこかわからない。どのようにその考えが生まれたのさえ。肩書きの異なる同世代4人から構成されるクリエイティブコレクティブSound SportsのISLNDさん(写真左)とRyota Ishiiさん(写真右)が作り上げる作品の多くは、文脈や感情が削ぎ落とされていながら、シンプルというにはどこか違う不思議な雰囲気がある。「よくわからない」けれど、目と耳に残り続ける……そんなヴィジュアルやサウンド。デジタルネイティブとして、彼らはさまざまな国で起こるモノやコトをSNSを使いトリップし続けてきた。だからこそできる現代的で新しい表現。ミックスして削ぎ落とす。その工程をシビアに追求することで生まれるのがSound Sportsの世界観だった。

Sneakers, White, New Balance for BEAUTY&YOUTH ¥14,850

表現する手段にしばりをもうけないSound Sportsにおいて、主にサウンドを担当するISLNDさんと映像と写真を担当するRyota Ishiiさん。

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今回<BEAUTY&YOUYH>が<New Balance>に別注したのは、「ML725」をベースにカラーと素材を変更した特別な一足。

服飾学校にてファッションを学んでいたRyotaさんは映像や写真のみではなく、洋服に対する造詣も深い。

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重厚さとスポーティーさが程よくミックスされたメッシュアッパーとクッション性、グリップ性に優れたアウトソールが快適な履き心地を実現する。別注として採用したのはホワイトとライトグレーのベースにグリーンとゴールドをアクセントにした爽やかなカラーリング。

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作品と同じく、ファッションにおいてもシンプルなようで細部にこだわった洋服を選ぶふたり。

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2000年代のランニングスタイルから着想を得たライフスタイルモデルである「ML725」は、現代においても程よいモダンさを持ち、スポーティーなスタイルだけでなく、モードからカジュアルまで合わせの懐も深い。

実験のように新たなことを試み続けるISLNDさんが昨年発表した1stアルバム『Travel Through Sound』は海外渡航が困難になった今、音を通じて旅をすることを目指した一枚。

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機能靴としてだけでなく、ファッションアイテムとして楽しむ<New Balance>をスタイリングで体現してくれたふたり。

ファッションシーンとの関わりも強いSound Sportsはさまざまなジャンルを横断しながら、自分たちらしい表現を追求していく。

Interview with ISLND & Ryota Ishii(Sound Sports)

Q: まず初めにSound Sportsがどういった活動をしているのか教えてください。

ISLND: 4人メンバーがいるのですがやることはあまり決めていなくて、それぞれが違う活動をしています。主にやっていることといえば、DJのMIXを作ること、イベントのオーガナイズ、洋服のデザインから販売、それにおけるヴィジュアルも全て自分たちで制作しています。Sound Sportsの世界観が表現できるなら洋服でも写真や音楽でも手段はなんでもいいと思っています。

Q: 他のファッションブランドのヴィジュアルも制作していますよね。

ISLND: Sound Sportsでの活動を見て僕たち個人にお声がけいただくこともあります。この前もサルバムの22SSコレクションでRyotaが映像を担当し、僕が音楽を制作しました。そういった依頼も徐々に頂けるようになってきています。

Q: Sound Sportsという名前はどこから?

Ryota: 本当はもうひとり、5人目のメンバーがいたんですが、みんなで集まって名前の候補を出しているときにその彼がぽっと出した名前だったんです。聞いた瞬間、感覚的にそれいいねとなって。彼は今、和食の修行をしていてSound Sportsからは抜けてしまったんですが、いつか何か一緒にモノづくりをしたいなと思っています。

Q: 制作されたヴィジュアルや音楽にはSound Sports特有の“色”があると思うのですが、あの美意識はどう共有されているんですか?

Ryota: 元々は、好きな音楽が似ているということで一緒に活動を始めたのですが、ファッションや映像に対しても同じく似た感覚を持っていたんです。

ISLND: 4人とも自分の好みがSound Sportsの雰囲気かというと違うと思うんです。4人の中にある共通の好きな部分を切り取るとあの世界観につながっているのかなと。

Q: 作品を見るとどれも文脈や感情が意図的に消されているように感じます。表情やポージングひとつとってもそこに至るまでの道筋が見えないと言いますか・・・。

ISLND: 今の東京のシーンは面白いことをしている人がたくさんいるので、そこに自分たちのフィルターを通し、削ぎ落としているイメージです。

Ryota: 僕たちはインスタグラムを見て育ってきた世代ですよね。日本の人やカルチャーより海外のものをずっと見てきたように感じます。海外と言ってももちろん広いので、世界中にあるいいと思ったモノやコトがミックスされることで、文脈の無さにつながるのかもしれません。

ISLND: 昔だったら、かっこいいことをしている先輩に憧れて何かを始めるみたいなことが多かったと思うんですが、僕らは世代的にも、SNSなどのもっと広くものを見ることができるツールを大人になる前から持っていましたから。

Q: 場所や情報の匿名性も高いですよね。

Ryota: 情報が伏せられた場所やモノがかっこいいと思うんです。ただ情報を全部無くしたら表現ができなくなってしまう。どこからどこまでを残すのか、その塩梅こそ難しくて面白いところだと思っています。

ISLND: 見た人や聞いた人が「なにこれ」とか「どここれ」と考えられるような余白があるといいですよね。

Ryota: ありそうで無くて、特徴的だけどよくわからない。そんなものを作りたいんです。

Q: Ryotaさんだけ見ても、音楽に映像、写真と個人でできる範囲はそれぞれ広いように思いますが、それでもSound Sportsというチームで動くのはなぜでしょうか。

Ryota: アイテムを作って売るにしても、自分の世界観だけだと、ひとつの価値観でとどまってしまいますよね。4人で意見を出し合って作ったものは、自分が最初思い描いていたものとは違ったものが出来上がる。それが面白いなと思います。

Q: いい意味で思い通りに行かないと。

Ryota: そうですね。メンバー全員を僕はリスペクトしているので、どう見えるか、どう感じるかと意見が言い合えることもチームとして活動する意味になっています。

ISLND: 僕はあまり深く物事を考えるタイプではないんですが、そうだと思います。あとは一人でいるよりみんなでいた方が単純に楽しいですよね。

Q: 昨年開催された「Six」などSound Sports主催でイベントを何度か開催していると思いますが、イベントをオーガナイズする意味はなんでしょうか?

ISLND: ヴィジュアルも映像もその場の雰囲気も自分たちで作れるのが面白いですよね。あとは一度、実験的にドレスコードをもうけてみたりしたのですが、イベントそのものの見せ方もまだまだ考えられる余白があると思うんです。

Q: 洋服はどういうツールだと考えていますか?

Ryota: おいしいご飯を食べに行くときに、こだわりなくいつも通りの服を着ていくのと、ジャケットにネクタイ締めていくのとで、テンションとか味の感じ方って変わると思うんです。音楽聞くときも同じ感覚なんですけど、ジャズ聞くときはやっぱり白いシャツを着ているとスッと入ってくる……。そういうシチュエーションとの組み合わせを楽しむものだと思います。

Q: 最後にこれからSound Sportsとしてどう活動していくのかを教えてください。

Ryota: まずは色々な人に僕たちの世界観や活動を見て知ってもらいたいですね。

ISLND: 今やっていることの規模感を大きくしたいです。お金を稼いで、贅沢をしたいとかではなく、お金がないと実現できないことって多いと思うんです。今もアイデアはあるけど、実現させるのは難しいみたいなこともある。例えば撮影に飛行機を使いたいと思っても借りるのにはお金がかかりますよね。自分たちの表現のスケールを大きくしたいんです。もちろん制限された中で生まれるアイデアの面白さもありますけどね。

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