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縁起物。

Happy New Year by UNITED ARROWS

お正月のおせち料理、節分の福豆、鯛にだるまなど、ちょっと考えただけでも、日本にはたくさんの縁起物があります。季節の変わり目に、人生の節目に、私たちは自然と縁起物に願いを託してきました。五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、無病息災、夫婦円満。2021年第一回目のIDEASでは、幸せを招く縁起のよいものを紹介します。インテリアにも、贈り物にもどうぞ。みなさんの新しい一年に、福がやってきますように。

2021.1.8

Text by Shogo Kawabata
Photography by Erina Takahashi

川端正吾/フリーランスの編集者。雑誌『BRUTUS』では日本全国のユニークなおみやげを集める「みやげもん」を連載中。

 

太宰府の木鷽(福岡県)

「替えましょ、替えましょ」の掛け声とともに木鷽を交換する鷽替え神事。「鷽」が「嘘」に通じることから、前年にあった厄を嘘としてくれるとされ、各地の天満宮で行われいる。そのルーツとされるのが太宰府天満宮で、木を薄く削り翼を表現している特徴的な木鷽が授与される。

 

太宰府木鷽保存会 

✉︎kiuso0211@mail.goo.ne.jp

 

 

 

 

 

手向山八幡宮の立絵馬(奈良県)

絵馬は、もともと雨乞いの際、神に黒馬を奉献していたものが、時代を経て、板に描かれた馬を奉納するようになった風習。現在は紐で吊るものが多いが、かつてはこのような置き型だった。手向山八幡宮の立繪馬は、応神天皇が寵愛した「あつふさ」 という黒馬がモデルとなっている。

 

手向八幡宮

☎0742-23-4404

 

 

 

 

 

木の葉猿(熊本県)

 

どことなくエキゾチックな面持ちの厄除けの土人形。約1300年前、赤土で祭器を作ったところ、その余土から猿が生まれ、以来、災害が起きなかったという伝説がもとになっている。木の葉猿にはいくつかのバリエーションがあるが、写真は「飯食い猿」と呼ばれる作品。

 

熊本県伝統工芸館

☎096-324-4930

 

 

 

 

 

長崎凧(長崎県)

 

運気を「揚げて」くれる凧。長崎では、ガラス粉を塗りつけた特殊な糸を使い、お互いの糸を切り合う喧嘩凧が盛んに行われた。模様は絵でなく、色紙を張り合わせて作られる。遠くからでも自分の凧がわかりやすいよう、ビビットな色合いのデザインに。

 

小川凧店

☎︎095-823-1938

 

 

 

 

 

玖珠のきじ車(大分県)

 

コシアブラの木を削り出し、釘や接着剤の類は一切使わずに作られる、ソリッドな美しさを持つ玩具。子供の健康な成長を願い、子供たちに贈られた。バーナード・リーチが大分に滞在した際に、このきじ車を高く評価し、全国に知らされることになった。

 

大野原きじ車保存会

☎︎0973-73-7405

 

 

 

 

 

夫婦鶺鴒(福岡県)

 

伊邪那岐大神と伊邪那美命の夫婦神を祀る多賀神社。二柱が夫婦交合を行おうとした際、やり方がわからず困っていると、2羽の鶺鴒が飛んできて首と尾を振り、この鶺鴒の動作を見て交合のやり方を学習した、という神話がもとになった、夫婦円満の土鈴。

 

多賀神社

☎︎0949-22-0125

 

 

 

 

 

魔除け渦巻き守り(京都府)

 

平城京跡から見つかり、伏見神宝神社の社殿に祀られている「隼人の盾」にちなんだ、魔除け札。朝廷の儀式などに用いられ、邪悪なものを追い払うために使われたもの。黒と朱の渦巻き紋が重なった妖しげな模様が描かれおり、鳥居にも下げられている。

 

伏見神宝神社

☎︎075-642-5838

 

 

 

 

 

祝結び(宮崎県)

 

水引の結び方から考案されたデザインの高千穂地方のしめ縄で、「悪いことが再び起ることがないように」という願いが込められている。この地域では、年末年始だけでなく、年間を通して注連縄を飾る。藁細工職人の穂積ツヤ子氏が、伝統的な技術を守り、作り伝えている。

 

わら細工たくぼ

☎︎080-1792-0753

 

 

 

 

川端正吾/フリーランスの編集者。雑誌『BRUTUS』では日本全国のユニークなおみやげを集める「みやげもん」を連載中。