#LIFESTYLE

Plants by Kei Amano(Yard Works)
しばらく続いている多肉植物ブームの中、多肉の次はどんな植物がくるんだろう?そんな疑問を、昨年日本橋の兜町にできたHOTEL K5の植栽演出を手がけ、デザイン界隈の人たちの話題をさらったヤードワークスの天野 慶さんに相談してみました。「ん〜。多肉の次ね……。なんせ僕も多肉が大好きだからさ。難しいテーマですね。ちょっと考えてもいいですか?」と天野さん。翌日、天野さんから着信があります。「斑入り(ふいり)のドングリがあるの知っています? めちゃくちゃカッコいいんですよ」と興奮した様子。「山梨のコーヒーを淹れて待ってますね!」という天野さんの言葉を最後に、私たちはYard Worksが拠点にする山梨県笛吹市へ向かいました。
2021.2.26
Text Takuhito Kawashima
Photography Lance Henderstein

天野 慶/山梨県笛吹市を拠点にし、造園や植栽など、風景をつくるランドスケープデザインを生業としている。個人邸宅の植栽からセレクトショップやワイナリー、さらにレストランやホテルなどのグリーンスペースを手がけるなど幅広く活動する。2017年にはコンセプトショップ「ザ・ソイル」(THE SOIL)をオープンし、植物やガーデングッズなども提案しながら、緑のある生活の素晴らしさを伝えている。
「最初は、例えばアカシアやユーカリなどのシルバーリーフで考えていたんですが、すでに流行っているし……。だからここはガーデナーっぽく“斑入り”(ふいり)がいいなと思いました。斑点や筋が葉っぱに入っているものを“斑入り”と言うのですが、これは決して病気とかではなく、遺伝子が影響して柄のようになっている。時には、“柄物”とも呼ばれていたりして、珍重されているんですね。そういえば電話でお話した斑入りのドングリ。この切り口を思いつくきっかけになったものが、どうしても時期的に間に合わなくて……。ものすごく見せたかったんですけど。
植物って緑単色のイメージがありますが、斑入りの葉っぱは、一段と明るく、花が咲いていなくても色彩が出る。いわゆるカラーリーフと呼ばれる植栽の一部になります。花を楽しむことも植栽の魅力ですが、花が咲いている時期はどうしても限られてしまいます。だからこそ葉っぽでいろいろと楽しむわけです。
斑入りも種類がさまざまあります。白や黄、紫のような色、それに斑の入り方も千差満別。単体でももちろんかっこいい出で立ちですが、斑入りであることによって、濃い緑が映えたり、逆に濃い緑の中に斑入りの植栽が入るとコントラストが生まれて斑がさらに美しく見えたりと、お互いを引き立たせてくれる不思議な魅力があります。部屋の中やベランダはもちろん、お庭もより一層鮮やかで豊かに見えると思います。時期によって斑入りの植栽の種類も変わってきますが、今日はオススメの7点をご紹介しますね。斑入りは一期一会なので、選ぶのが楽しいですよ」
ユーフォルビア・ラクテア
一見サボテンの様に見えるユーフォルビア・ラクテアの白い斑入りの品種、通称“ホワイトゴースト”。なんといっても一番の特徴は、斑入りの枝が醸し出す不思議な美しさにあります。白い出で立ちはまさに"白い幽霊”と呼ばれるだけあります。流通量の少ない希少品種の中でも人気の品種。 ¥7,260
斑入モンステラ
エキゾチックな葉の形、野性味あふれる根っこ、そして切れ込みや穴の空いたユニークな緑の葉が特徴のモンステラ。育てやすいこともあって、人気の観葉植物のひとつです。中でも斑入りのモンステラは希少性の高い品種。葉っぱの形に白の斑が入ることでさらにグラフィカルな印象で単体としての存在感も十分。直射日光は葉焼けの原因になるので注意してください。 ¥6,380
ハオルチア・瑠璃殿錦
ハオルチアの一種の瑠璃殿錦(るりでんにしき)。特筆すべきは、肉厚かつどっしりと放射状に広がるツヤ感のある葉です。そんな独特な容姿に加え、白の縦ストライプが弧を描く美しい斑は、まるで爬虫類を想起させます。この多肉植物ならではの愛らしく、そしてユニークな見た目からファンも多い。 ¥7,150
斑入パキラ
放射状に広がる葉一枚一枚がまるでマーブルのようにも見える斑入りのパキラ。凛とした一本幹の立ち姿も品がよくて美しい。“money tree”(発財樹)という名前をもっており、幸運をもたらすお金の木として、また風水学的にも運気が上がるとされているため、贈り物としても最適です ¥19,800
斑入アガベ・アテナータ
男性ファンが多いアガベ。しかしこのアガベは、まるで葉っぱの輪郭をなぞるように描かれた白いラインが美しい斑入りのアガベです。お部屋にも馴染みやすいサイズ感ではあるものの、ひとつ置くだけで空間にほどいいアクセントが加わります。この存在感だけでなく、乾燥や寒さにも強いなど育てやすさも人気の理由の一つ。 ¥5,720
蛇の目松
マツ特有の針葉の根元に分量多くクリーム色の斑が入り、枝の周囲に葉が輪生するピヌス オクルス ドラコニス。和名は蛇の目松。和名にある通り、蛇の目状の装飾的な枝姿を呈する貴重なアカマツの斑入り品種になります。オーナメンタルなルックスから従来の松に比べると、コンテンポラリーな印象もあり、洋風な植栽との相性も◎。 ¥2,640
ピンクレモネードの木
高さ1mほどに育つ常緑低木のピンクレモネードの木です。光沢のある葉には、黄色の縞斑が入っています。レモンの果肉はその名の通りきれいなピンク色で、種も少なく、料理などにも使いやすいのが特徴。葉っぱからほのかにレモンの香りがし、季節感を感じさせる植栽です。 ¥6,160
ユーフォルビア
常緑性のため一年中グレーグリーンと斑入り葉のコントラストが楽しめる耐寒性のあるユーフォルビア。花も綺麗ですが、存在感のある草姿だけでも十分楽しめるのがこの植栽の魅力です。かすみ草のように他と合わせることで植栽全体をより引き立たせる名脇役として、欧米の有名ガーデンなどでも定番になっています 写真左/ゴールデンレインボー ¥600 写真右/シルバースワン(写真右)¥600

天野 慶/山梨県笛吹市を拠点にし、造園や植栽など、風景をつくるランドスケープデザインを生業としている。個人邸宅の植栽からセレクトショップやワイナリー、さらにレストランやホテルなどのグリーンスペースを手がけるなど幅広く活動する。2017年にはコンセプトショップ「ザ・ソイル」(THE SOIL)をオープンし、植物やガーデングッズなども提案しながら、緑のある生活の素晴らしさを伝えている。
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