#HEALTH

Nail Care by ukacojp/store
一部の意識が高いビジネスマンが商談前日にネイルサロンへ行き、プレゼンテーションに向けて準備をするという話を聞いたことがある。名刺交換の時、食事の時、文字を書いている時。それにエレベーターのボタンを押す時。どうやら爪というものは色々なシーンで見られているらしい。
現在は、ネイルサロンも次第にジェンダーレスな空間になっている。かつて、男性は理容室や床屋で散髪をし、体をくの字に曲げて洗髪をしていた時代があったが、今は心地のいい香りとBGMが流れる美容室に行くことは当たり前となっている。それと同じ現象がネイルサロンでも起こることが予想される。メンズも爪をケアして当たり前という時代がいつかはやってくる。
今回は、知っていて損はないメンズのネイルケアについて。ユナイテッドアローズのセールスパーソン、後藤優人とレポートします。手指はいつもキレイにしておいた方がいい!
2021.7.21
Report Yuto Goto(UNITED ARROWS)
Text Takuhito Kawashima

ukacojp/store
トータルビューティーカンパニーのukaが、表参道に構えるコンセプトストア。シャンプーやネイルケアプロダクトなどのストア機能とネイルサロンも併設する。ジャンダーレスな外観に加えて、ブランドカラーでもあるグレイイッシュな店内は、メンズも入りやすい空間となっている。東京メトロ千代田線の明治神宮前<原宿>駅より徒歩5分の場所に位置する。
後藤優人/ユナイテッドアローズのセールスパーソン。ジャケットスタイルをこよなく愛する29歳。
ユナイテッドアローズに入社して5年。現在セールスパーソンを務める後藤優人は、勤務時間のほとんどを店頭に立ち、お客さまをお迎えし、計り知れない時間を洋服に触れながら過ごしている。「すべてはお客様のために」を社是に掲げるユナイテッドアローズのフロントマンとして、当然マナーは欠かせない。シワのないジャケット。磨かれた靴。そして清潔感のある肌に髪型。「お客様に心地いい時間を過ごしていただくためにできるだけのことはやっています」と後藤は話す。こうして普段から身だしなみについて人一倍考える後藤の指先のケアはどうだろう? それを当人に聞いてみると「洋服を触っている時間が多いので、どうしても指先は乾燥しがちです。かといってハンドクリームを塗って洋服を触ってしまうと、洋服を汚してしまうことも。ですから普段は定期的に爪を切るぐらいです」。そんな後藤の指先を、表参道の近くにあるukacojp/storeでネイリストの古屋 葵さんに見てもらうことにした。
トータルビューティーカンパニーukaのストア旗艦店でもあるukacojp/store。コンクリート打ちっ放しのグレイッシュの店内は男性でも入りやすい。
古屋葵さん(以下、古屋):キレイな爪の形をされていますね。
後藤優人(以下、後藤):ありがとうございます。ネイルサロンははじめなので、緊張しています。男性のお客様はよくいらっしゃいますか?
古屋:少し前は、比較的年齢層の高い男性のお客様がいらっしゃっていましたが、最近は30代や20代の若い子も来ていただいています。
後藤:そうなんですね。
古屋:メンズメイクやメンズのスキンケアなども普及しはじめている潮流もあるんだと思います。(後藤の指や爪を見つつ・・)全体的に乾燥されていますね。それに甘皮もちらほらあるようです。
ネイリストの古屋葵さん。いつもはuka 東京ミッドタウン 六本木に勤務する。
後藤:甘皮……。どの部分ですか?
古屋:この指のここの部分です。甘皮を放置しておくとささくれの原因になります。ささくれてしまうと炎症を起こしてしまうので、処理しておくことをおススメします。
後藤:結構ささくれもありますよね。
古屋:後藤さんはユナイテッドアローズで働いていらっしゃるということで、洋服を触る機会も多いと思います。ささくれに生地が引っかかってしまったりしませんか? ストレスだと思うので、甘皮もささくれも取り除きましょう。なので、今回はディープケアと呼ばれる施術を体験していただきたいと思います。
後藤:ドキドキしますね。
古屋:お任せください(笑)。まずは、ファイリングと呼ばれる工程をしていきますね。いわゆる爪やすりを使用して、指先の状態を確認しつつ、施術しやすいように爪の長さを整えていきます。
後藤:気持ちいいですね。
古屋:ファイリングで爪の長さを整え終わりましたら、甘皮や溜まった角質を取り除いていきます。まずはこのボウルの入ったぬるま湯にしばらく指先を浸しておいていただけますか? 甘皮をふやかしていきます。
後藤:こんな感じでいいですか?
古屋:(1分後)そろそろ大丈夫ですかね。では除去していきます。この道具を使って……爪の表面を滑らせるように……。
後藤:びっくりするぐらい取れてますけど……大丈夫ですか?
古屋:これが甘皮や角質、つまり爪に溜まった汚れのようなものです。初めてのお客様はみなさん驚きます。ガタガタの爪も滑らかになりますし、爪の輪郭がはっきりとしてヘルシーな印象になります。この工程が終わると、次は爪を切っていきます。
後藤:それ爪切りですか?
古屋:ニッパー型の爪切りです。最近は市販もされているものです。値段はちょっとしますが……。
後藤:そもそも爪の長さに正解ってあるんですか?
古屋:男性の場合は、1mmがスタンダードと言われています。
後藤:自分の爪ちょっと長いですよね。
古屋:そうですね、1.5mmぐらいあるかもしれませんね。爪だけでなく、ささくれそうな皮も切っておきます。
後藤:よろしくお願いします。
古屋:爪を切ったあとは、バッファーと呼ばれるヤスリのような道具を使い、爪の切断面を滑らかにしつつ、表面を磨いていきます。これがものすごく大事なプロセスです。
後藤:切断面もツルツルで、表面にも光沢感が出てきましたね。
古屋:もともとキレイな爪をされていましたが、バッファーを施した後は、見違えますよね。もう少しで終わりますよ。次はネイルセラムを爪先に塗っていきます。
後藤:ネイルセラム? どんな効果があるんですか?
古屋:スキンケアでいうと美容液のようなものです。加水分解ケラチンやビタミンといった栄養分が含まれています。このようにして……栄養を与えつつ、保湿する働きもあります。ネイルセラムを塗布したあとは、ネイルオイルを爪先から指にかけて……。
後藤:いい匂いがします。
古屋:サンダルウッドの香りです。フレッシュな香りで、男性の方からも人気です。
後藤:素敵な香りです。
古屋:施術はこれで終わりです。
後藤:30分程度でこんなに変わるんですね。
古屋:施術後間もないので、ピカピカしていますが、次第に落ち着いてきます。
後藤:こうしてキレイな爪を見ていると不思議と気分も上がってきますね。
古屋:このあと、ご自宅でできる簡単なケアもご紹介します。
プロのネイリストから教わる
自宅でできる簡単なネイルケア。
古屋:せっかくなので、ご自身で試されてみます? 先ほど施術させていただいた工程とほぼ同じなのですが、甘皮処理や角質を落とすところだけはちょっとテクニックが必要なので、そこだけ省略した簡易的なプロセスになります。
後藤:確かに、自分でできる自信はないかもです。
古屋:市販されているツールも最近見かけますが、どうしてもやり過ぎてしまうと爪を痛めてしまう恐れもありますから、なかなかオススメできないんです。
後藤:なるほど。まずはお湯に指をつけて……ですよね。
古屋:ボウルを準備するのも面倒な方もいらっしゃると思うので、お風呂上がりがベストです。爪もたっぷり水分を吸って柔らかくなっていると思うので。
後藤:柔らかくなったら、爪切りで爪を切っていく。
古屋:先ほど使用したニッパー型の爪切りがベストですが、一般の爪切りを使用する場合は、刃を目一杯使って一気に爪を切り落とすのではなく、刃の一部だけを使い、端っこからできるだけ細かく切っていくと、爪にかかる負担も減ります。
後藤:細かく、細かくですね。
古屋:爪を切り終わったら、ファイリングです。
後藤:爪切りの裏についているようなヤスリのようなもので磨いていくんですよね。
古屋:はい。でも、できるだけこのような棒状のものを使うと、作業もスムースにいきます。
後藤:ポイントはありますか?
古屋:爪の切断面に対して90度に削っていくのがポイントですね。
後藤:細かく細かく。ギコギコ……。
古屋:いい感じです!
後藤:最後はスポンジのようなもので磨いていくんでしたっけ?
古屋:はい、バッファーと呼ばれるものです。
後藤:これで爪の切断面と表面を。ツルツル……。
古屋:それが終わったらネイルセラムで栄養を与えていきます。爪の表面だけでなく、裏にも塗布してあげてください。
後藤:こんな感じで大丈夫ですか? 次は、いい香りがするネイルオイルですよね。
古屋:はい、ご自宅でのケアの仕方はこんな感じです。
後藤:日常的に出来そうな簡単なプロセスで嬉しいです。これから仕事なので、ちょっとワクワクしています。ありがとうございました。

ukacojp/store
トータルビューティーカンパニーのukaが、表参道に構えるコンセプトストア。シャンプーやネイルケアプロダクトなどのストア機能とネイルサロンも併設する。ジャンダーレスな外観に加えて、ブランドカラーでもあるグレイイッシュな店内は、メンズも入りやすい空間となっている。東京メトロ千代田線の明治神宮前<原宿>駅より徒歩5分の場所に位置する。
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