#LIFESTYLE

ゆっくり楽しむお酒たち。

Osake by UNITED ARROWS BOTTLE SHOP

「ビールは喉越し!」や「日本酒は淡麗・辛口!」。お馴染みのお酒の醍醐味は今も変わらず。しかしその一方で新たなお酒との付き合い方をする人も増えているようです。日々お酒を飲む人も、そうじゃない人にも楽しめる、気分や天候、そしてヘルシーマインドにも寄り添う新しいお酒との付き合い方を、UNITED ARROWS BOTTLE SHOPディレクターの鈴木貴至から教わります。

2021.8.27

Text Mikiya Matsushita
Photography Erina Takahashi

鈴木貴至/「昔からお酒が好き」、「お酒の世界のワクワクをたくさんの方に紹介したい」、「もっと手軽に手にしてもらいたい」と、誰よりもお酒を愛するUNITED ARROWS BOTTLE SHOPのディレクター。自らのネットワークを駆使して人脈を広げ、全国の酒蔵やブリュワリーに直接足を運び、想いを伝えて信頼関係を築きながら、商品のセレクトやオリジナル企画商品の開発準備に務める。

「コロナ禍による自粛期間によってライフスタイルが大きく変化しました。それはお酒との付き合い方にも言えます。かつて居酒屋やバーで飲んでいたお酒をお家でという人も多いはずです」とユナイテッドアローズが手がけるお酒のセレクトショップUNITED ARROWS BOTTLE SHOPのディレクターを務める鈴木貴至。「例えば、料理との飲み合わせでビールを選んでみたり、作り手のクラフトマンシップに共感できる日本酒を選んでみたり……。まるでファッションのようにその日飲むお酒を選んでみる、その楽しさを伝えたいと思っています」。
一方でイギリスでは健康や犯罪抑制の観点から、“ドライ・ジャニュアリー”という禁酒月間が設けられている。その考え方に賛同する若者たちによって禁酒がある種のトレンド化していると聞く。感染症拡大以降の世界的な健康志向と相まって、世界中でノンアルコールドリンクの種類や味のクオリティも上がり、盛り上がりを見せている。「この前も海外のノンアルビールを試してみたのですが、びっくりするほど美味しくて。もはやお酒が飲めない時に仕方なく飲む“代替品”ということではなく、気分や状況、体調などに合わせて積極的に選択して飲むものへと進化している感じがします」と鈴木は言います。
今回はそんな鈴木貴至さんが考える“新しいお酒”を日本酒、ノンアルコールビール、そしてクラフトビールの3カテゴリーに別けて紹介します。

 

 

 

スタイリッシュな日本酒。

 

 

「自分たちのアイデンティティを明確にした蔵が、個性豊かなお酒を続々と生み出していて、これまであまり得意ではなかった方も、イメージを覆されて魅了されてしまうような日本酒に出会えるかもしれません。今、日本酒は国内外で人気を博していますが、人気銘柄を作っている蔵元のなかには30代から40代ぐらいの若い方も増えてきました。歴史ある蔵と技術で、若い作り手のアイデアを用いてお酒を作る。栃木に蔵を構える、仙禽(せんきん)も200年以上の歴史を持つ蔵ですが、十一代蔵元の薄井さんが元ソムリエだった経験を生かし、従来タブーとされていた甘酸っぱい、ワインのような飲み口の日本酒を開発し、今では大人気の日本酒になっています。
 飲み方はお酒やその日の気分によって、酒器を変えて楽しむのも、おすすめです。私自身、ワイングラスで飲むこともあれば、平盃や徳利を使うこともあります。銘柄によって変わるお酒の香りを楽しめたり、なにより選択肢が広がってとても面白く感じています、気分もあがりますよね」

 

 

 

風の森 露葉風 807/油長酒造

 

奈良酒を今の技術で進化し続ける蔵“油長酒造”。こちらのお酒は、奈良県産の酒米“露葉風”を低精白で使用した生酒。開栓したては、自然な発泡感とフレッシュさを感じます。様々な味わいの要素が調和し、果物のような香りとフレーバー。

 

 

 

モダン仙禽 亀の尾/せんきん

 

栃木県さくら市に酒蔵を構え200年以上の歴史を持つ仙禽。十一代蔵元の薄井一樹さんは辛口淡麗が主流だった時代に、タブーとされていた甘酸っぱい味を生み出しました。古代米“亀ノ尾”を使い、甘みと酸味を含んだジューシーな味わい。イタリアンやフレンチにも向く、スタイリッシュなお酒です。

 

 

 

屋守 純米中取り 無調整/豊島屋酒造

 

明治神宮、神田明神、日枝神社にお神酒を納め、江戸の街の歴史にも足跡を刻む豊島屋酒造は東京都東村山にあります。豊島屋酒造の代表銘柄“屋守”のもろみを搾り採れる「中取り」部分だけのお酒。フルーティーな香りと優しい甘味や旨味のバランスの良さが秀逸です。

 

 

 

FOMALHAUT /阿部酒造

 

刈羽三山と日本海に挟まれた街、新潟県柏崎市で作られる日本酒を醸す阿部酒造。同蔵が挑戦的な酒造りを目指すラインナップとして位置付けるスターシリーズより、「FOMALHAUT」は仕込みの際、水の代わりに清酒を使用した貴醸酒と呼ばれる贅沢なお酒です。濃醇で甘い味わいは、料理だけでなくアイスやフルーツといったデザートとの相性もいい。

 

 

 

ヘルシーマインドと
ノンアルコールドリンク。

 

 

「ノンアルコールドリンクがお酒の代替品であるというイメージは徐々に変わりはじめ、気分やシーン、体調に合わせて積極的に選択されるモノになりつつあります。
また何よりもノンアルコールなので、ビールの心地よい苦みと爽やかな香りの元であるホップを感じつつも、行動が制限されないというのが魅力的です。パッケージデザインもかなり斬新で、いわゆるジャケ買いを楽しんでもいいかもしれません」

 

 

 

Konx / Omnipollo

 

イギリス出身の二人組が、自身で考えたレシピでベルギーの醸造所に委託してつくられている<オムニポロ>。彼らのうちの片方がグラフィックデザイナーということで見た目も◎。パッケージデザインも手がけている。柑橘系の清涼感を感じながらも甘くない「Konx」はビールともジュースとも違う、新たなノンアルコールドリンクを完成させました。

 

 

 

Limbo Series Blueberry / Mikkeller

 

デンマーク・コペンハーゲン発のクラフトブリュワリーであるミッケラーが作るのは、果汁をふんだんに使ったノンアルコールビール「Limbo」。写真はブルーベリーで、濃厚なジューシーさと爽やかな酸味が楽しめる一本です。

 

 

 

Limbo Series Yuzu / Mikkeller

 

こちらも同じくミッケラーの「Limbo」からユズ果汁を使ったノンアルコールビール。ユズの清涼感がホップと相性よく、つい沢山飲んでしまう味わいです。

 

 

 

テイクアウトする
クラフトビール。

 

 

「長い歴史を持つビールには100以上のスタイルがあります。そして日本のスーパーマーケットやコンビニで売られているビールはそのほとんどが同じスタイルで作られているんです。つまり日常的に私たちが目にするものはビールという大きなジャンルのほんのわずかということになります。
UNITED ARROWS BOTTLE SHOPでご紹介しているクラフトビールは、そんな普段私たちが目にするビールと異なるスタイルで作られたものがほとんどです。クラフトビールは、泡をできる限り立てずにグラスに注ぐのがおすすめ。グビッとのどごしを楽しみたくなる気持ちをグッと堪えて、少しずつ少しずつ、その味がわかるように飲んで頂きたいラインナップです。
 コロナの蔓延防止対策で、お店でお酒を飲めない今こそ、試して頂きたいのがお酒のテイクアウトです。酒屋に足を運べば、普段出会えない味に出会うこともできますし、最近だとグラウラーという生ビールをテイクアウトできるビールの水筒も人気があります。それを自宅で飲むのもお酒の楽しみ方としておすすめです」

 

 

 

CROSS ROAD / NARA BREWING CO

 

NARA BREWING COとFar Yeast Brewingが互いのビール酵母をミックスカルチャーという手法でブレンドさせて完成したのが「CROSS ROAD」です。IPAと呼ばれるホップの苦みが強いスタイルのビールですが、フルーティーな香りと味わいの後に来る苦味が全体を引き締めてくれます。

 

 

 

PUDDING HAZY IPA / Far Yeast Brewing

 

NIGHT WATCH PROJECTよりFar Yeast Brewingが今、アメリカで流行しているお菓子のような甘いビール、ペルストリービールに着想を得たのが「PUDDING HAZY IPA」。HAZY IPAと呼ばれる濁ったIPAビールです。プリンのフレーバーが入っているため、デザートのような甘い香りがしますが、飲むとカラメルのように苦味が口に広がり、決してくどくないのが特徴です。

 

 

 

Je m’appelle AKIRA / 忽布古丹醸造

 

北海道上富良野にブルワリーを持つのは忽布古丹醸造。汗をかき働く人に向けて作られたこのビールの特徴は、仕事終わりに乾いた喉を潤してほしいと爽やかな飲み心地でたくさん飲めるように設計されています。フルーティーさとスパイシーがありつつも爽やかな飲みやすさは、クラフトビールの入口にもしても適しているかもしれません。

 

 

 

越乃米 こしひかり仕込みビール/ SWAN LAKE BEER

 

新潟県阿賀野市、白鳥が飛来する瓢湖にちなんだ名前を持つブルワリー、スワンレイクビールが作るのは、お米からくるすっきり感やドライさを感じる一本。ビールには100以上ものスタイルがあると言われていますが、この「越乃米」はラガーと呼ばれる日本で売られている多くのビールと同じスタイルで馴染みのある飲みやすさがあります。

 

 

 

PI-NE-IPA / CAMADO BREWERY

 

世界中で人気の高いHAZY IPAスタイルのクラフトビールです。パイナップル由来の爽やかな酸味とHazy IPAのジューシーさが心地よい味わいになっています。

 

 

 

UNITED ARROWS BOTTLE SHOPにイラッシャイマセ。

 

 

8月13日より、ユナイテッドアローズ 原宿本店とエイチ ビューティ&ユースにて「UNITED ARROWS BOTTLE SHOP」がスタートしました。
「UNITED ARROWS BOTTLE SHOP」はファッションのセレクトショップであるユナイテッドアローズが今、日本だけでなく世界で起こっているお酒の流れを汲み取り、今の気分にぴったりなお酒をセレクトします。本日、ご紹介したお酒も多数取り扱っていますので、ぜひ洋服のお買い物と一緒にその日飲むお酒を見つけてください。

 

なお、8月26日(木)には静岡県静岡市の用宗(もちむね)漁港にあるクラフトビール醸造所West Coast Brewingとのコラボレーションビール「#refresh」を発売しました。詳しくはこちらからご覧いただけます。

 

 

 

鈴木貴至/「昔からお酒が好き」、「お酒の世界のワクワクをたくさんの方に紹介したい」、「もっと手軽に手にしてもらいたい」と、誰よりもお酒を愛するUNITED ARROWS BOTTLE SHOPのディレクター。自らのネットワークを駆使して人脈を広げ、全国の酒蔵やブリュワリーに直接足を運び、想いを伝えて信頼関係を築きながら、商品のセレクトやオリジナル企画商品の開発準備に務める。