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花を飾ろう

Flower by Simone Gooch

マンネリ化したリビングルームに花を飾ってみたり、近所のスーパーに隣接する小さな花屋にふと入ってみたり、映画で見た主人公の部屋にあった適当な一輪挿しの花が素敵に見えたり……。そんな些細な動機からはじめてみる植栽。今回はロンドンを拠点にフラワーアーティストとして活躍するシモーネ・グーチさんとすぐにでもできるフラワーアレンジメントを考えてみました。花瓶は不要。それに比較的手に入りやすいバラを使って。

2020.10.30

Edit Takuhito Kawashima

シモーネ・グーチ
シドニーに生まれ育ち、現在はロンドンを拠点にするフラワーアーティスト。過度な表現を避けた、ミニマルなアプローチが業界から高い評価を受け、<シャネル>や<エルメス>、<ルイ・ヴィトン>などをクライアントにもつ。

 

計量メジャーカップとバラ

 

 

 

 

 

 

いつも使っているコップとバラ

 

 

 

 

果物ジュースのペットボトルとバラ

 

 

 


飲料水のボトルとバラ





パスタに使ったトマト缶とバラ




「いざ花を飾ろう!ってなった時に、花瓶はどうすればいいのかとか、自分で花を選ぶ自信がないとか、色々と悩んでしまう。でもまずは気軽な気持ちではじめてみること。

 

 花瓶に関して言えば、花の茎が入ればなんでも花瓶になると考えてしまう。作家性を感じる渋い花瓶や華やかなデザインの花瓶などたくさんありますが、花を活ける際にそれらが必ずしもなければいけないものだと私は思っていません。慣れてくると花瓶を選ぶこと、それに生ける花を選ぶことも楽しいですが、まずは身近にあるものを使ってみましょう。そして1種類か2種類の花だけでアレンジメントすることからはじめてみるのがいいと思います。

 

 私が花を飾る時に大切にしている言葉があります。それはLess is More(少ないことは豊かなこと)。デザイン業界でよく使われている言葉で、少ないもので最大の効果を得るために、あえて最小限の要素に絞り込むという美意識のことを言います。これは当然ファッションにも通じる言葉です。過剰な装飾的なデザインの服やたくさんの要素を入れることよりも、まずは花の種類や色数などを絞ることで、服を着る人自身の真面目な部分やユニークな部分、または活ける花の魅力を最大に引き出してあげるんですね。

 

 ほとんどの花屋ではもちろん、スーパーマーケットでも買うことができるバラ。そしてトマト缶や捨てるはずのペットボトルやスパークリングウォーターのガラス瓶、いつも使っているコップ。それらを花瓶として、どうすれば買ってきたバラが綺麗に見えるのかをちょっとの間考えてみましょう。いつものリビングの風景が変わるかもしれないし、朝食がいつもより美味しく感じるかもしれない。仕事が捗るかもしれない。また毎朝花瓶のお水を変えてあげるようなルーティーンも生まれ、よりヘルシーな生活をもたらすひとつのきっかけになります。私もかれこれ、太陽が顔を出すちょっと前の4時に起床して、太陽が沈む夕方に仕事を終える生活を続けています」

シモーネ・グーチ
シドニーに生まれ育ち、現在はロンドンを拠点にするフラワーアーティスト。過度な表現を避けた、ミニマルなアプローチが業界から高い評価を受け、<シャネル>や<エルメス>、<ルイ・ヴィトン>などをクライアントにもつ。