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Well-being by UNITED ARROWS
2021年も終わりに近づき、今年もこの季節がやってきました。紹介するのは、遠い昔から各地で大事にされてきた伝統的な縁起物。チャーミングな見た目とともに新年に福を運んでくれるものたちを日本各地から。大切な人への贈り物やインテリアにもどうぞ。2022年もみなさまの一年がすてきなものになりますように。
2021.12.17
Text by Shogo Kawabata
Photography by Erina Takahashi
Edit by Takuhito Kawashima(kontakt)
川端正吾/フリーランスの編集者。
雑誌『BRUTUS』では日本全国のユニークなおみやげを集める「みやげもん」を連載中。
雪入道(岐阜)
雪深い奥飛騨に伝わる、雪夜に一本足で飛び回る「雪入道」という妖怪の伝説にちなんだ、魔除けの願いが込められている縁起物。まだ比較的新しいものだが、その土地の風土や習俗を伝えてくれる素敵な玩具に仕上がっている。
奥井木工舎の雪入道 ¥3,850 BUY NOW
奥井木工舎
http://mainichi-kotsukotsu.jimdo.com
今町だるま(新潟)
明治期より新潟県見附市の今町で作られていた土人形の「今町だるま」。しばらく廃絶してしまっており、残された資料もわずかであった謎の多いだるまだったが、「今町べと人形伝承会」の尽力により見事に復活した。七転び八起きの起き上がり小法師になっている。
新潟ど真ん中市場 どまいち
☎0258-62-7807
よしだの熊手(東京)
福を掻き込んでくれる縁起物として有名な熊手。「よし田」の熊手は、昔ながらの紙の指物が特徴で、ひとつひとつ何度も抜き重ねて描かれている。毎年11月に行われる鷲神社の酉の市でのみ購入することができる。今年の販売は終了してしまっていますが、来年のご参考に。
よし田
☎03-3874-3096
寂光院紙つばめ(愛知)
尾張最古刹として知られる寂光院の縁起物。参拝客たちは、このツバメを“田の害虫を食べてくれる観音様の使い”として、田の畔にたくさん立てて五穀豊穣を祈った。風に向けると、ふわりと浮き上がり、尾羽根がくるくると回る。
レストラン桃太郎
☎0568-61-1576
木の葉猿(熊本)
どことなくエキゾチックな面持ちの厄除けの土人形。約1300年前、赤土で祭器を作ったところ、その余土から猿が生まれ、以来、災害が起きなかったという伝説がもとになっている。木の葉猿にはいくつかのバリエーションがあるが、写真は右が「飯食い猿」左が「団子猿」と呼ばれる作品。
写真右 木葉猿窯元の飯食い猿 ¥1,210 BUY NOW
写真左 木葉猿窯元の団子猿 ¥880 BUY NOW
熊本県伝統工芸館
☎096-324-4930
いなり狐(山形)
古くから和紙の里として有名な山形県上山市に伝わる張り子の面。現在作られていないものも合わせると約300種も作品がある多彩さが特徴。その中でもこの「いなり狐」は、古くから作られている伝統的なもので、狐は神の使いとされている。
蔵六面工房
http://www.zorokuharico.com/gallery
寒水のガラガラ(佐賀)
かつて福岡の英彦山神宮で授与されていたが、神宮が火災にあった際に、猿が頻繁に出没していたことから忌み嫌われ、廃絶してしまったという土鈴。長年幻の土鈴だったが、近年、古い鈴が発見され、復元された。
佐賀一品堂
☎070-5276-2797
長崎凧(長崎)
長崎で盛んに行われた凧合戦の際に、地上から自分の凧がわかりやすいように非常にはっきりした色彩と図案があしらわれている。図案は塗料で描かれるのでなく、赤と青の紙を張り合わせることで表現されている。運気が揚がる縁起物としても愛される。
小川凧店の長崎凧 ¥3,080 BUY NOW
小川凧店
☎090-823-1938
鴨方の招き猫(岡山)
「多幸猫」は、腹に大きな蛸を抱く、鴨方土人形の招き猫。タコを「多幸」にかけている。末広がりの数字でもある「八」本の足を持ち、赤い体は疱瘡除(ほうそうよ)けや魔除けの意味も持っているため、タコはとても縁起の良い生き物と信じられてきた。なにかと幸を多く招いてくれそうなありがたい猫。
鴨方の招き猫 ¥5,500 BUY NOW
鴨方土人形 橋本淳一
☎0865-44-2976
六本木ヒルズ店とエイチ ビューティ&ユース、オンラインストアにて、縁起物を販売中。
川端正吾/フリーランスの編集者。
雑誌『BRUTUS』では日本全国のユニークなおみやげを集める「みやげもん」を連載中。