
ヒト
2025.03.11
異業種からの転身。メンズとウィメンズを横断し、磨き続ける接客力。
自動車製造会社からアパレル業界へと飛び込み、ユナイテッドアローズ 広島店でキャリアを重ねてきた柿田 剛志さん。2011年の入社以来、メンズ・ウィメンズのフロア担当を経験し、商品担当としての知見も培ってきました。現在はメンズフロア責任者として、接客の最前線に立ちながら、後進の育成にも尽力しています。異業種からアパレルへと進んだ理由や、接客にかける想い、そして今後の展望について伺いました。
Photo: Shunya Arai
Text: Daiki Yamazaki
「好き」が原動力。異業種からアパレルへ。
元々、お客様として通っていたUA 広島店のスタッフの方々の接客に感動したことがきっかけです。特にいま店長を担当されている先輩が親身になって接してくれたことに感銘を受け、販売員という仕事に魅力を感じました。もともと洋服が好きで、いつかファッション業界に関わりたいという想いもあったので、働いていた自動車製造会社から転職を決意しました。
— 異業種からの転職に不安はありましたか?
もちろんありました。接客業の経験がない中でやっていけるのか不安はありました。ただ、UA 広島店のスタッフの皆さんがとても温かく迎えてくれたことで、すぐに環境に馴染むことができましたし、販売員という職業の素晴らしさを知ることができ、今までずっと従事させてきていただいています。
入社して最初の1年半はメンズドレスの販売を担当していました。その後、ウィメンズの担当者が異動することになり、新たな挑戦としてウィメンズフロアへ異動しました。そこでは商品担当も経験し、接客だけでなく商品の知識を深める機会に恵まれました。そして2019年、メンズドレス部門へ戻り、現在はメンズフロアの責任者として後進の育成にも携わっています。トータルでメンズ部門は5年、ウィメンズ部門は8年ほど担当させていただきました。
―メンズとウィメンズのドレス担当を経験されたことで、仕事への取り組み方や心情の変化みたいものはありましたか?
メンズはロジカルに説明しながらご提案することが多く、ウィメンズでは感覚的なコミュニケーションが重要になると感じました。特にウィメンズフロアでは、男性販売員が少なかったため、「どう見られているか」を常に意識しながら接客していました。表情や声のトーン、相槌のスピードなど、細かな部分まで気を配るようになったのは大きな学びですね。
また、ウィメンズフロアでは、コスメやスキンケアに対する意識が高いお客様が多く、細かい変化に気付くことも重要でした。「髪色が変わった」「ネイルのデザインが変わった」など、小さなことでも会話の糸口にすることで、より深い信頼関係を築くことができました。
感覚的ではなく、ロジカルな接客でお客様に喜んでいただいたということが何度かありました。スーツをお求めになられている方や、サイズに不安のあるお客様に対して、きちんと順序立ててご説明をすることで信頼関係を得て継続して顧客様として来ていただいています。
―商品担当を長くご担当されていると伺ったのですが、何か変わったことはありますか。
特に変わったことはなかったですが、昔から商品担当になりたいという意思は会社に伝えてきたので、やっと叶ったなという想いはありました。商品担当ということで、私が1番商品について詳しく知っているのは間違いないので、どのように周りのスタッフに魅力を伝えるかというのは常に考えています。他のスタッフが商品の説明をお客様に伝えているのを見て、そのお客様がご購入いただいたら、商品担当をしていてよかったなと思います。また、商品説明会で東京に行くのですが、本社の方や各店舗の商品担当の方とお話しすることも日々のモチベーションに繋がっています。
―柿田さんにとって接客する際に心掛けていることや、大事にしていることを教えてください。
「素直であること」です。私は対面での接客だけがすべてではないと考えています。ご来店いただいたお客様には、良いお店だと感じていただけるよう、立ち振る舞いだけでなく、店内のディスプレイにも気を配っています。いつ訪れても気持ちよくお買い物ができるよう準備を整えることも、大切な接客の一部だと思っています。
また、会話が一方通行にならないよう心掛け、お互いに誠実に向き合いながら、相互理解を深めることが重要だと考えています。
接客と同じですが、しっかりと私が思っていることを伝えることです。また、熱量を持ってコミュニケーションをとることで、想いが伝わると思っています。売り場の中でもお客様に熱意を持ってアプローチしているのを見ると伝わっているなと実感できますし、私自身もやりがいを感じることができています。
唯一の息抜きは、家族と共に過ごすキャンプの時間。
家族とキャンプに行くことが多いです。周りの友人と同じタイミングでアウトドアにハマったので、家族ぐるみで予定を合わせて休日にキャンプに行ったりしています。なかなかリラックスできる時間がないので、自然の溢れる場所でゆっくり過ごすコトが息抜きになっていますし、焚き火を眺めながらお酒を飲むことが今の私にとって至福の時間です。


ひろしまゲートパークがおすすめです。土日祝日は、イベントをやっていることが多いので子供を連れて遊びに行っています。近くに原爆ドームもありますので、広島観光にお越しになられた際は、UA広島店からのひろしまゲートパークや原爆ドームに行かれるのもおすすめコースです。
ひろしまゲートパーク
一つは〈hoechstmass〉のメジャーです。入社した際に先輩から頂いたのをきっかけにずっと使いつづけています。今使っているもので8つ目なのです。他のメーカーのモノも試したりしましたが、結局手に馴染む〈hoechstmass〉のメジャーに戻ってきてしまいます。もう一つ仕事に欠かせないアイテムは〈Chromehearts〉のリングです。入社してすぐ購入しました。その当時は、UA=〈Chromehearts〉というイメージがありましたし、ドレススタイルに合わせるのがUAらしい着こなしでした。このリングは、ドレススタイルを邪魔せずに着用できるデザインが気に入って10年以上使い続けています。
育成とマネジメント、次のステージへ。
後輩育成に携わっているので、次世代の商品担当者を育てていけるようになりたいです。それに伴って私もお店全体のマネジメントのようなキャリアアップをしていきたいです。そのためにUA社の中で講習を受けたり、自己啓発本を読んだりするなど勉強をやっていきたいと思っています。
INFORMATION
PROFILE

柿田 剛志
2011年に入社し、ユナイテッドアローズ 広島店へ配属。2013年よりウィメンズドレスの商品担当を経験し、その後2019年にメンズドレスの商品担当へ。メンズ・ウィメンズ両方の商品知識を活かし、現在メンズのフロア責任者を担う。