ヒト
2026.05.21
人生に寄り添う接客とは。お客様の物語を共に紡ぐ販売員の仕事。
ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(以下、GLR)で販売員として活躍し、ルミネストゴールドやセールスマスターゴールドなど数々の実績を持つ平田 誠哉さん。平田さんにとって販売の仕事とは、「洋服を売る」ことではなく、「お客様の日常を豊かにする」こと。一人ひとりに寄り添う丁寧な接客で、多くの顧客様から信頼を集めています。現在は店頭に立ちながら、接客教育チームの一員として人材育成にも携わり、ブランド全体の接客力向上にも貢献。今回は、こだわりの接客や印象に残るお客様とのエピソード、さらに教育活動について伺いました。
Photo:Yuco Nakamura
Text:Riho Abe
服を通して、お客様の人生に寄り添う仕事に魅了されて。
もともと洋服が好きで、大学時代は4年間アパレルでアルバイトをしていました。新卒では不動産業界に進みましたが、お客様とのやり取りの中で「本当に好きなことをやったほうがいい」と背中を押していただいたことをきっかけに、改めて自分の気持ちと向き合い、アパレルの道に戻ることを決めました。学生の頃、UA社のブランドは、当時の自分にとって少し背伸びをするような特別な存在でした。店舗で買い物をした際、スタッフの方がサイズの悩みに丁寧に寄り添ってくださり、その品のある接客が今でも心に残っています。その体験が、自分にとって特別な買い物の記憶となり、こんな環境で働けたらと思い、入社を志望しました。
2015年2月に入社し、〈GLR〉ルミネ横浜店に配属されました。約2年間勤務した後、〈GLR〉大船ルミネウィング店へ異動し、9年間経験を積みました。そしてこの4月から、再び横浜店へ。新たな気持ちでスタートしています。
最近は、オムニチャネル化やSNS、AIの普及によって、お客様ご自身が事前に情報を得たうえでご来店されるケースが増えていると実感しています。実際に「AIで自分に似合う素材や色を調べてきました」といったお声をいただくこともあり、店頭での接客のあり方も変化し続けているな、と。
その中で大切にしているのは、人だからこそ伝えられるあたたかさと、店頭での購買体験です。時間をかけて足を運んでくださるお客様に、「来てよかった」と思っていただける時間をつくること。そして、お客様のライフスタイルに寄り添いながら、明日が楽しみになるようなお手伝いができたらと思い、日々接客しています。
大船店に勤務していた頃、プロポーズという大きな節目を迎えられたお客様との関わりが印象に残っています。最初は、デート用の装いを探しに来てくださったことがきっかけで、その後もご来店のたびにお話を重ねながら、スタイリングをご提案していきました。少しずつ表情や雰囲気が前向きに変わっていき、最終的にはプロポーズ当日の装いもお任せいただきました。
後日、満面の笑みでエスカレーターを上がってくるお客様の姿を見て、思わず店頭でハイタッチをしたことをよく覚えています。さらに、お菓子とお手紙までいただき、そこには出会った日のことから感謝の気持ちが丁寧に綴られていました。大切な節目に、洋服を通して関わらせていただけたことがとても嬉しく、この仕事の喜びとやりがいを改めて実感しました。そのお客様とは、いまでも関係が続いています。
長く関係が続く中で、プライベートでもお付き合いさせていただく方も。顧客様から学ばせていただくことが本当に多く、お気遣いのこもったお言葉に日々の疲れが和らぐこともあります。そうした繋がりが、モチベーションにもなっています。
小さなきっかけを届ける、スタッフ育成のカタチ。
現在、担当課長とスーパーバイザーを含む7名のチームで、全国の店舗で高いパフォーマンスを発揮し、次期セールスマスターを目指すメンバーの育成や接客力向上のための研修を行う「ハイパフォーマープロジェクト」や、店頭での教育担当者を育成する「ELプロジェクト」などを担当しています。
また、〈GLR〉内の新卒研修や、今期からはロールプレイング大会の運営サポートにも取り組んでいます。
育成に関わるようになってから、「きっかけをつくること」の大切さを実感しています。研修や日々の関わりのなかで私がお伝えできるのは、あくまで小さなきっかけにすぎません。
それがその方の中で磨かれ、自ら考え行動した結果として、お客様から「ありがとう」をいただいたという報告を受けることがあります。その瞬間が本当に嬉しくて、自分が経験してきた喜びを同じように感じてもらえているのだと思うと、見えないところで花が咲いているような感覚があります。また、全国のスタッフと関わる機会があることも魅力のひとつ。直接顔を合わせてつながりを感じられることがとても楽しいです。
気配りや心配りは前提として、「人の未来」と「物の未来」をお伝えすることを意識しています。“人の未来”は、お客様がその洋服を着ることでどう見られるのか、そしてそれがきっかけとなり、明日や未来がどのように豊かになっていくのか、ということ。感じたことをしっかりとお伝えすることで、少しでも前向きになるきっかけになればと思っています。
そして、“物の未来”は、その洋服がクローゼットに入ったあと、どのように着られていくかということ。手持ちのアイテムとの組み合わせや、活躍するシーンまで具体的にお伝えすることで、長く愛用していただけるような提案を心掛けています。
ボールペンは、自分用とお客様用で使い分けていて、お客様用には〈モンブラン〉のペンを。ルミネストゴールド受賞後、ロンドンとパリでの研修の際に記念として購入しました。自分用には、大船店からの異動の際にデベロッパーの皆様から贈っていただいた、名入りの〈オロビアンコ〉を愛用しています。
また、手元をよく使う仕事のため、ハンドクリームを常備し、手先まで清潔感を保てるように意識しています。数年前に体調を崩してしまい休職した経験から、万全のコンディションで店頭に立つことの大切さを実感し、日々の体調管理も徹底。毎日のビタミンCを摂取や、はちみつのど飴を常備など、コンディションづくりも仕事の一部だと考えています。
接客の力で、UA社と業界全体の未来を盛り上げたい。
販売員として「洋服を提案する」ことにとどまらず、お客様のライフスタイル全体に寄り添える存在でありたいと考えています。店頭では、デートのプランやお店選びなど、洋服以外のご相談をいただくことも多くあります。自分の経験を交えながら提案できる幅が広がるほど、お客様にとっての存在価値も深まっていくと感じています。これからは、衣食住に寄り添う“ライフスタイリスト”のような存在を目指したいです。
もうひとつは、販売員の可能性を広げていくこと。デベロッパー様の研修やロールプレイング大会の審査員などの経験を通して、社内外や他業種の方と関わるなかで、販売員のスキルはさまざまな分野に活かせるものだと実感しました。
実際、UA社には多彩な強みを持つ販売員が多く在籍しています。販売員という枠にとどまらず、一人ひとりが強みを発揮しながら社内外で広く価値を届けていくこと。その積み重ねがブランドの価値向上に繋がり、さらには小売業やファッション業界全体を盛り上げていく力にもなると考えています。そこに貢献していけるよう、これからも取り組んでいきたいです。
INFORMATION
PROFILE
平田 誠哉
〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉 ルミネ横浜店にてキャリアをスタート後、大船ルミネウィング店へ異動し、約9年間にわたり経験を積む。2026年4月より再び横浜店に勤務。2018年にはルミネストゴールドおよびセールスマスターゴールドを受賞。現在は店頭に立ちながら、接客教育チームの一員として全国のスタッフ育成にも携わる。