ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

育休を取得して生まれた、家庭と職場への良い変化とは。

ヒト

2023.07.20

育休を取得して生まれた、家庭と職場への良い変化とは。

昨年10月、男性が育児休業を取得する権利である「産後パパ育休(出生時育児休業)」が施行に。ユナイテッドアローズ社(以下、UA社)では、「SARROWS」というサステナビリティ活動の一環の中で、健やかに働き、暮らすことを目標に掲げた「Humanity」という項目があります。その中の一つに、人権を尊重しながらダイバーシティな職場環境の構築に努め、いきいきと働ける職場環境を作ること。また、仕事の達成感や従業員の多様性、ワークライフバランスを尊重する“従業員エンゲージメントスコア”を達成することも重要視しています。〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(以下、GLR)〉ららぽーと海老名店で店長として働く福留 康太さんは、育休制度を活用した社員のひとりです。どのような経緯で取得して、どのように過ごされたのか。復帰後の仕事観の変化についても伺いました。

Photo: Taro Hirayama
Text: Ayako Tada

〈GLR〉のブランドコンセプトに魅力を感じ、ホテルマンから販売員へと転身。

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―UA社へは中途採用で入社されたと伺っています。いきいきと働ける職場環境づくりを目標に掲げるUA社への転職を決めたきっかけを教えてください。

福留:学生時代、人と接する仕事がしたいと思い、ホテルに就職しました。でも、働いているうちに人と接する時間よりも作業する時間の方が多くなってきたことに気づき、自分が好きな洋服を通して人と接する仕事をしてみたいと思ったのがきっかけです。

また、スタッフが働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいるUA社の社風と〈GLR〉の“Be Happy”というブランドコンセプトがとても心に響いて、入社を決めました。

―接客におけるポリシーなどがあれば、教えてください。

福留:お客さま一人ひとりのパーソナルな部分を引き出して、商品を提案することを心掛けています。とにかく、お客さまを覚えたいんです。そこはホテルで働いていた頃の経験や能力が活かせています。人を覚える記憶力にはとても自信があるので、お名前はもちろん、お好みのサイズ感や色、採寸のサイズも把握するようにしています。年齢とともにすべて完璧に…とはいかなくなっていますが。

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―福留さんの業務上の必需品を教えてください。

福留:靴ベラ、ボールペン、メジャーの3点です。〈パラブーツ〉の靴ベラと〈フェリージ〉のメジャーはUA社に入社した当時から愛用しています。どちらも経年変化でいい感じの味が出てきましたね。〈クロス〉のボールペンは主にお客さま用で、伝票を書いていただく際に使っています。実はこのペンは、亡くなった祖母に成人のお祝いでもらった思い出の品。しばらく使わずに持っていたのですが、UA社に入社した時から使用しています。普段使いするアイテムは、使っていくうちに愛着の湧くものをセレクトすることが多いですね。

仕事と育休の狭間で揺れ動いた、店長としての想い。

―福留さんは3人のお子さんがいらっしゃるお父さんでもありますよね。それだけ仕事に対して熱心に取り組まれている中で、育休を取得するに至った経緯を教えてください。

福留:2021年の11月頃、妻が妊娠中の二人目の子どもが双子だと分かったんです。上の子はまだ保育園生だし、里帰り出産もできない状況でした。すぐに当時の上長に相談しましたが、社内でもあまり前例がなくて、正直どうしようかと思っていました。ちょうど産まれた後に、ニュースや社内メールのお知らせで「産後パパ育休」が施行されると知り、父親が育休を取ることに対して世の中的にポジティブな流れができたことが育休を取得する後押しになりました。

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―育休を取得されることを悩まれたのでは?

福留:そうですね。店長に就任してまだ2年目だった上に、取得する時期が大事なセール時期とも被ってしまっていました。ちょうど、お店のメンバーにもお子さんが生まれたばかりのスタッフもいて、同時に二人も抜けて大丈夫なのかとかなり悩みました。でも、わたしが心配せずに取得できるように、上長がすごくサポートしてくれたんです。メンバーにも後押しされて、ようやく取得する踏ん切りがついた感じでした。

―実際に取得されていた期間は、どのように過ごされましたか?

福留:授乳以外の自分ができることは全部やりました。掃除、洗濯、買い出し、料理、長女の送迎など。もちろん長女が帰宅した後のご飯や寝かしつけも。生まれたのが双子だったこともあり、目の前のタスクをこなすこと、1日1日をこなすことに必死でしたね。自分が想像していた以上に大変だったのですが、子供たちにとって人生で1度きりの時間を家族と過ごせた日々はとても充実しておりました。

育休取得後に変わった仕事観、そして本当に働きやすい環境を作るためには。

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―4週間の育休を経て復帰された福留さんですが、どんなときに仕事のやりがいを感じていますか?

福留:いち販売員として働いていた頃と店長として働くいまとでは、目線が大きく変わった気がします。いまは自分の成長よりも、メンバー一人ひとりの成長や、お店としてのお客さま満足実現の幸福度が断然高いんです。何よりご来店いただいた皆さま全員に満足していただきたいと思っています。特にお子さまから「ありがとう」の言葉をいただけると、本当にハッピーですね。

―仕事に対する考え方や姿勢の変化はありましたか?

福留:正直なところ、育休を取得する前は家族より仕事を優先していました。オンオフの区別があまりなかったんです。でも、いまは家族との時間も大切にしています。仕事に関しても家事や育児と同じように、いままで以上に効率的にこなすようになりました。

例えば、育児って計画していた通りにはいかないですよね。育休中もそんなことが多々あったんですが、その都度、いまできることはなにかと考えて、気持ちを切り替えて家事をこなしていました。そのような経験も仕事に活かされています。

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育児をしながら働いていると、時間や計画に対する意識が自然と高くなるんです。1週間単位でどれだけのタスクがあるか、それらの優先順位、ゴールを決めるなど、以前と比べると飛躍的に効率化できています。そういった自分の内面の変化だけでなく、お店のスタッフに対する指示や指導も変わったように思います。以前は目の前にあるタスクについてだけを伝えていましたが、その先の目的や目標、それを達成するためにはどの時期になにをやらなければいけないのかなど、より具体的なことを話すようになった気がしています。

―仕事と育児を並行して進められるようになったんですね。保育園からの急な呼び出しにも対応されたりしますか?

福留:ちょうど妻が病気でダウンしているときに、保育園から呼び出しの電話がかかってきたことがあって。しかも月曜の店長業務中に。でも即座に計画を練り直して、メンバーに共有して気持ちを切り替えてお迎えに向かいました。家庭でも店長をしているような気持ちです(笑)。

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―本当ですね! ずばり、育休を取得して良かったこと、また今後より働きやすい職場環境を作ることへの想いをお聞かせください。

福留:育休を取得して本当に良かったです。自分の考え方や仕事に対する姿勢の良い変化もありますが、子どもがいるスタッフへの理解が深まったことも嬉しいです。育休取得に関しては自分の場合もそうでしたが、制度を利用した際、人員補充などの運営的なサポート、上長やメンバーの理解が重要だと思っています。個々の事情や店舗によっての状況もあると思いますが、取得を考えている同僚にはぜひ勧めたいですね。

PROFILE

福留 康太

福留 康太

2012年に入社後、 ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング テラスモール湘南店に配属。その後、新静岡セノバ店でメンズ責任者を担当し、2019年にららぽーと海老名店へ。2021年に店長に就任し現在に至る。

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