
ヒト
2016.11.25 FRI.
働き方を工夫して日々を充実。〈THE STATION STORE UNITED ARROWS LTD.〉斉藤 真紀さんの笑顔の理由。
毎日の通勤やオフに出掛けるときなど、日々何気なく利用している駅に〈THE STATION STORE UNITED ARROWS LTD.〉はあります。このお店に所属する斉藤真紀さんは、12月に新しくオープンする品川店の店長を任されるスタッフ。ショップの特色から導き出したお客さまとの接し方、そしてお店づくりの方法に、仕事もプライベートも充実する彼女の知恵が隠されていました。斉藤さんの働く姿勢のなかから、毎日を笑顔で過ごすためのヒントを探してみましょう。
Photo:Takeshi Wakabayashi
Text:Yuichiro Tsuji
駅のなかにある洋服屋。
―はじめに〈THE STATION STORE UNITED ARROWS LTD.〉とは、どんなお店なのか教えてください。
斉藤:いちばんの特徴は、駅にある、というところです。表参道、東京、池袋、大手町、銀座駅に出店していて、今年の12月にはJR品川駅の改札内にもお店をオープンします。通勤中や、なにか急用があって必要なものができた方、例えば突然雨が降ってきたから靴を履き替えなければいけないとか、そのような緊急時にも対応できるお店になっています。
―来店されるお客さまは通勤の方が多くいらっしゃるんですか?
斉藤:そうですね、通勤中のお客さまもいらっしゃいますし、銀座店では美容室やネイルサロンへ行く途中にご利用される方も多いですね。地下鉄の改札の目の前にお店がありますので、サッとご入店いただけるんです。そういった特色がありますので、リピーターのお客さまもたくさんいらしてくださいます。「また来ますね」とお帰りになり、翌日再度ご来店いただいた時はとてもうれしく思い、こちらがお客さまから笑顔をいただきます。
−〈THE STATION STORE UNITED ARROWS LTD.〉の商品ラインナップは?
斉藤:働く女性のためのリアルなワードローブを取り揃えています。このお店は「いまの私にちょうどいい」というのがコンセプトなんです。オリジナルブランド〈closet story〉を中心に、毎日の生活やオフィススタイルに必要なアイテムを、程よいトレンド感を加えて提案しています。
プラスアルファを持ってお帰りいただくための接客。
―斉藤さんはお店に所属してどのくらいになるんですか?
斉藤:1号店である表参道店がオープンした頃からでして、約2ヶ月表参道店に所属しました。そのあとは東京店で4年弱、そして現在の銀座店で1年くらい、計5年ほどになります。〈THE STATION STORE UNITED ARROWS LTD.〉に入る前は〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉でショップスタッフとしてお客さまのご対応をしていました。
―駅のなかにあるということで、他のブランドとは別の接客方法が求められるんですか?
斉藤:お客さまの“急用”のお手伝いをすることが多いので、接客にもスピーディーさが求められます。私たちはお客さまの行動や表情などから、何を求めていらっしゃるか? ということを素早く察知するように意識しています。例えば、急いでいらっしゃる方は、ご入店されると何かを探すように店内を回られるんです。そんなときは、迅速にお声がけをし、お客さまのご要望をお伺いするようにしています。少しでもお買い物の時間を短縮して、お役に立つことが大事だと思いますので。
―短い時間のなかでお客さまの心に響く接客をするのは、簡単なことではないですよね。
斉藤:お客さまと接する時間が短いからこそ、何気ない会話であったり、お会計の際の笑顔であったりと、お客さまと過ごす時間を大切にしています。ただ単純にお買い物をしていただくだけではなく、なにかプラスアルファをお持ち帰りいただきたいんです。私の実家は飲食業を営んでいて、学生時代によく手伝いをしていたんです。母が接客に厳しく的確な人で、そこで学んだことが今になって活きているような気がします。
お客さまと同じように、一緒に働くスタッフのことも大事。
―お店として大事にしていることを教えてください。
斉藤:当たり前のことなのですが、やっぱりチームワークですね。私を含めて6人のスタッフが所属しているんですが、それぞれがお互いを尊重できるように意識しています。
―チームワークを大事にする気持ちの裏側には、なにか理由があるんですか?
斉藤:以前、研修でグループワークをした際、チームにとって大切なことはなにか? ということを考える課題がありました。そこで私たちのグループが出したのが「スタッフのことを尊重する」という答えでした。一緒に働くメンバーって、もしかしたら家族よりも共にする時間が長いじゃないですか。だからこそ、スタッフ同士が家族と同じように思いやりをもって接することが大事なんじゃないかと。スタッフに対して思いやりを持てなければ、お客さまとの接客もうわべだけのものになってしまうと思うんです。
―その答えを現在のお店でも活かしているんですね。
斉藤:そうですね。お互いを尊重し、スタッフのいい部分を確認し合ったり、改善要素がある際は一方的に伝えるのではなく、相手に響くように意識したり。相手のことを思いながら接するようにみんなで心がけています。
―お店の雰囲気をよくすることが、結果としてお客さまにとって居心地のいい空間になる、と。
斉藤:そうなんです。お店が成り立つのは、お客さまに商品をお買い上げいただいているからなんですが、そこに辿り着くまでのプロセスで、スタッフみんなが頑張っているからでもあるんです。従来は結果を見て「頑張ったね」という会話を交わしていましたが、それぞれを尊重し合う自分たちの努力あっての結果だということに気付けるようになったんです。
労働時間はできるだけ短く! が公私を充実させる方法。
―ほかにも日々お店に務める上で大事にしていることはありますか?
斉藤:できるだけ残業はしないことですね。早く仕事が終わった日は、旦那さんと待ち合わせて一緒に外食をして家族との時間を大切にしたり、自分の趣味を充実させています。
―一生懸命仕事に向き合っている分、プライベートの時間も充実させたいですもんね。そこで得たバイタリティーをまた仕事に活かすことができて、いいサイクルが生まれる。
斉藤:そうなんです。みんなプライベートの時間も大事にしたいじゃないですか(笑)。だから労働時間を可能な限り少なくできるようにシフトを調整していますね。時期によってお客さまの来店状況も変動しますので、時間に余裕があるときは、時短にして仕事を切り上げる。そして短縮した分を、残業しなければいけない忙しい時期に当てたりしています。
―なるほど。フレキシブルな働き方が可能なんですね。
斉藤:報告書も週と月の2回に絞り、必要最低限にしています。自分たちだけではなく本部スタッフもこのような姿勢を理解してくれていて、いろいろ工夫しながら働き方を精査していったんです。
―本部も店舗も、みんなが働きやすい環境をつくっていった、と。
斉藤:プライベートが充実しているからこそ仕事にも一生懸命になれるのは、誰にとっても共通していることじゃないですか。いまの環境があるのは、みんなの力があってこそだと思います。
お客さまの思い出つくりに貢献するお店へ。
―12月にオープンする品川店では店長を任されるそうですが、準備のほうはいかがですか?
斉藤:1ヶ月以上前から研修がはじまり、余裕をもって準備が進められていますので、万全の体勢でオープンを迎えられると思います。
―これまで培ってきた経験がさらに活きるといいですね。
斉藤:〈THE STATION STORE UNITED ARROWS LTD.〉ができたとき、株式会社ユナイテッドアローズの玄関になればいいなって思ったのを覚えています。品川は新幹線が通る駅。通勤で利用される方に加えて、旅行客の方も大勢いらっしゃると思いますので、玄関の意味合いがさらに強まると思うんです。
―なるほど。
斉藤:これまで以上に気持ちを引き締めるのはもちろん、お客さまの思い出づくりに貢献できるようなお店にしていきたいです。もちろん、通勤で利用されているお客さまにとっても品川駅がより便利になったと思って頂けるように、品川駅の個性に合わせてお店を成長させていきたいと考えます。
INFORMATION
PROFILE

斉藤真紀
2004年、〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング 北千住店〉のオープニングスタッフとして入社。その後複数の店舗で経験を積み、2011年より〈ザ ステーションストア ユナイテッドアローズ〉をスタートし、東京店の店長に。2016年12月からステーション事業初の〈ザ ステーションストア ユナイテッドアローズ エキュート品川 サウス店〉の店長に就任。