
モノ
2021.06.01 TUE.
新たなテーマを掲げて、「united LOVE project」が今年もスタート!
売り上げの一部を寄付する「united LOVE project2021」。2010年からスタートした本プロジェクトは、お客さまやデザイナーの方にご賛同いただき、今年で11年目を迎えます。スタートしたきっかけや変化したこと、また今年のプロジェクトにはどのような想いが込められているかなどについて、「united LOVE project」に携わる、〈ユナイテッドアローズ〉ウィメンズ商品部の小松 裕美子さん、森 麻衣子さん、バイヤーの和泉 啓子さんの3名に語っていただきました。
Photo:Jun Nakagawa
Text:Noriko Ohba
“楽しむこと”を大切にしてきたからこそ、長く続けられた。
ーチャリティプロジェクト「united LOVE project」は、2010年にスタートしました。スタートしたきっかけを教えてください。
小松:実は、デザイナーさんとのおしゃべりから生まれたプロジェクトなんです。仕事でご一緒するデザイナーさんとは、何度も商談を重ねていく中で、だんだんとお互いのことを知って仲良くなったり、プライベートな話をするようになって。その中で自然と環境や社会のこと、次の世代のことが話題に出るようになったんです。
森:この先の未来に向けて、いまわたしたちにファッションを通して何かできることはないかな、という話から発展し、売り上げの一部を寄付する「united LOVE project」がはじまりました。
ー最初は雑談から生まれたんですね。そんなプロジェクトも今年で11年目。これだけ長く続けられてきた秘訣はなんでしょうか?
小松:プロジェクトがスタートするときに掲げた「ファッションを楽しみながら、チャリティーを」というコンセプトにあると思いますね。きっと“楽しむこと”がベースにあるから、長く続けられるんじゃないかなと思います。
森:手に取ってくださるお客さまはアイテムを気に入って愛用してくれたり、デザイナーさんも普段とは違い、わたしたちと一緒に行うモノづくりの工程を楽しんでくださったり、またわたしたちは毎年毎年、今回はどんなアイテムができあがるのだろうとワクワクしています。関わっている人たちがみんな楽しんでくれているのもありがたいです。
和泉:ご協力いただくデザイナーさんは、毎シーズン参加してくださる方から、今回初めて参加してくださる方までさまざまですが、コンセプトをお話しするとみなさん共感してくださいます。何年も続けてくれているデザイナーさんは、「今年もやりましょう!」と快諾してくださって、新しく参加される方からは、「ずっと参加したかったんです」と言ってもらえたり。やはり、そういった声を聞けると嬉しいですね。
ー長く続けてきたからこそですね。
和泉:そうですね。デザイナーさんも自身のブランドで何か社会貢献できないかと考えている方がとても増えています。いくつかのブランドが集まって行う「united LOVE project」への参加は、単体のブランドで行うよりも大きな規模で行えて、なおかつ支援できる金額も大きくなることが嬉しいという声もありました。
社会をより良くする“サステナビリティ”が今年のテーマ。
ー今年のテーマはサステナビリティということですが、これはどのように決まったのですか?
小松:サステナビリティは、いまわたしたちのモノづくりにおいて切り離すことのできないキーワードです。今回プロジェクトに参加してくださっているブランドの中でも、環境に配慮した素材を使ったコレクションを発表していたりと、同じ方向性でモノづくりを行っていることがわかり、このテーマとなりました。もちろん、「ファッションを楽しみながら、チャリティーを」というベースのコンセプトは変わらず、そこに“サステナビリティ”というテーマを加えて、より付加価値を高めたいという想いがあります。コロナ禍となり、改めて地球の環境や自分たちのライフスタイルについて考えたり、自分は何を大事に暮らしていきたいか、何が心地いいのかを考える機会も増えましよね。この状況も重なり、今年のテーマは自ずと“サステナビリティ”に決まりました。
日常の暮らしにも“サステナビリティ”を取り入れる。
ーみなさんは、日常のどんなところでサステナビリティを意識していますか?
小松:必要以上にモノを持たないということはより意識するようになりましたね。食材の買い物にしてもまとめて買うと思わぬロスも生んでしまうので、日々の足りないものを少しずつ買い足して、きちんと消費できるようにしています。
森:わたしもそうです。自炊が増えたので、必要な分だけ買うことを前より徹底するようになりましたね。あとは、昔から親に言われていた「質のいいものを買って、長く愛用する」ことを改めて実践しています。洋服でも食器でも本当に気に入ったものを買って、丁寧に使うこともサステナブルな暮らし方だと思っています。
和泉:今日もそうですが、わたしは外出の際には必ずマイボトルを持参して、ペットボトルは極力買わないようにしています。使っているマイボトルは、海洋プラスチックゴミをリサイクルして作ったもので、製品を選ぶ際にもそういったことを以前より気にするようになりました。
人気5ブランドによるオーガニックコットンTシャツとエコバッグをリリース。
ー今回は5つのブランドからTシャツとエコバッグが発表されました。
和泉:はい。Tシャツの素材はすべてオーガニックコットンを使っています。最初は再生素材のTシャツを作ろうと考えていたのですが、やはり夏なので湿度や気温等肌触りの気持ち良さを考えて、オーガニックコットンで統一しました。普段ウェアを作っていないブランドに関しては、こちらでいくつかオーガニックコットン素材を用意して、デザイナーさんに選んでもらうなど、協力しながら完成させました。
森:エコバッグについては、すべてエコペット®という使用済みのペットボトルや繊維クズから再生されたリサイクルポリエステル繊維を使用しています。素材だけでなく、エコバッグを持ち歩くという行動自体もサステナビリティに繋がると考えて、今回の共通アイテムにしました。
PIPPICHIC
愛犬と散歩中に目にした子どもが書いた落書きの文字「SLOW」。それを見て、こんな時代だから少しスピードを落として一歩ずつゆっくり進むのもいいと考えたところから、実際の落書きを撮影しデザインに。
SAYAKA DAVIS
Tシャツは、細くしなやかな糸を紡ぐ超長綿を原料にした、インド産のオーガニックコットンを使用。極上の肌触りと光沢感が魅力。ロゴの「BE ONE」には、一人ひとりの力を信じること、人や自然と繋がりひとつになるというメッセージが。
A VACATION
気持ちが開放的になり、リラックスできるVACATIONタイム。旅のときだけでなく、リビングにいるときにもそんな時間を過ごしてほしいとの願いから「LIVING ON A VACATION」のロゴに。シンプルなデザインのTシャツはジャストサイズでインナーとしても活用できる。
MUVEIL
プロジェクト名の「LOVE 」をテーマに、スマイルモチーフを集合させ、遠目からはハートマークのようにも見えるデザインに。プラスティックフリーをイメージさせる紙袋のようなベージュのエコバッグは、大きな筆記体がおしゃれ。
FILL THE BILL
上段と下段の文字を点の部分で重ねると、「YES」というワードが浮き上がる、オノヨーコさんの作品からインスピレーションを受けた、遊び心たっぷりのTシャツ。エコバッグは、さまざまなパーツが支え合ってバランスを取るアート、モビールからイメージ。
森:エコバッグは、コンパクトに畳めるようになっていて、ハートのような形になるのが愛らしくて可愛いですよね。毎日持ち歩くものなので、自分が気に入ったアイテムを持っていたいと思いますし、仕事帰りにスーパーへ買い物に行くことが多いので、このフォルムなら気分が上がるし常に仕事用バッグに入れておきたいです。
ープロジェクトの売り上げの一部は、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが行う災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”」に寄付して、新型コロナウイルス感染症の対応にあたる医療従事者の支援に活用されるそうですね。
小松:命がけで医療の現場に立ってくださっている関係者の方々には、感謝の気持ちしかありません。その方々に少しでも支援が届けばと寄付させていただきます。
森:個人としても手洗いうがい、消毒といった当たり前のことを徹底して、なるべく感染しないように、できることを一生懸命やりたいと思います。
和泉:こういったプロジェクトを毎年続けていくことをこれからも大切にしながら、この活動が少しでもサステナブルな社会への後押しになれば、本当に嬉しいです。
INFORMATION

商品の売上の一部(1点につき500円)は、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが行う災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」に寄付し、新型コロナウイルス感染症の対応に当たる医療従事者の支援などに役立てられます。
関連アイテムはこちら
PROFILE

小松 裕美子
UA本部 ウィメンズ商品部 副部長
東京地区のユナイテッドアローズにて販売を経験。その後、ユナイテッドアローズ商品部でMD業務に携わり、現在はウィメンズ商品部副部長を担当。

森 麻衣子
UA本部 ウィメンズ商品部
東京、名古屋地区のユナイテッドアローズにて販売を経験。その後、ユナイテッドアローズ商品部でバイヤー・ディストリビューション業務に携わり、現在はウィメンズ彩貨MDを担当。

和泉 啓子
UA本部 ウィメンズ商品部
ユナイテッドアローズ 丸の内店を経て、横浜店へ異動。2013年よりアシスタントバイヤーとしてオフィスに勤務。2015年に出産し、その後復帰。現在はユナイテッドアローズ ウィメンズのバイヤーとして活躍。