ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

すべては最高のおもてなしのために。「ID UNITED ARROWS」が手がけた、「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」の新ユニフォーム。

ウツワ

2024.01.24

すべては最高のおもてなしのために。「ID UNITED ARROWS」が手がけた、「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」の新ユニフォーム。

2022年にリブランディングを開始して以来、さらに上質な滞在時間を提供している「三井ガーデンホテルズ」。リブランドの一環として、同じホテルグループの「ザ セレスティンホテルズ」と共に、スタッフユニフォームも新たなデザインに生まれ変わることになりました。このプロジェクトを手掛けたのが、ユナイテッドアローズ社(以下、UA社)のユニフォームレーベル<ID UNITED ARROWS>で、企業ユニフォームを手掛けるUNIX TOKYO株式会社との協業によって実現しました。今回は「地球環境への配慮」も強く意識して進められたのだそう。格式あるホテルグループが未来に向けて考えていること、さらに気になるデザインの詳細まで、「三井不動産ホテルマネジメント」ダイバーシティ&インクルージョン推進室長の相場香折さんにお話を伺います。

Photo:Jun Okada
Text:Maho Honjo
撮影場所:三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア

新コンセプトにふさわしい、ホテルユニフォームとは。

−「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」のスタッフユニフォームをリニューアルすることになった背景と、そのコンセプトについて教えてください。

相場:時代とともに価値観が大きく変化するなか、お客さまがホテルに求めることがどんどん多様化しています。そこで2022年11月「三井ガーデンホテルズ」は、新たなブランドタグラインを「Stay in the Garden」と定めて、リブランディングしました。その名のごとく、Gardenのように心地よい空間でゆっくりと寛いでいただきたい、という思いを込めています。また、ザ セレスティンホテルズにおいては、「絆をつむぐ」を理念として掲げ、「もうひとつの我が家のように自分に還れる時間」を提供することを目指すホテルブランドです。その2つのブランドに共通するのは「お客様へ”心からの寛ぎ”をご提供したい」という想いです。そのブランドメッセージをより深く伝えるべく、スタッフユニフォームを一新することになったのです。

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−ホテルにとって、ユニフォームとはどんな役割を果たすものでしょうか。

相場:お客さまがホテルに滞在して何を感じるのか。ホテルの印象を左右する大切な要素だと考えています。また、もてなす側のスタッフが着用したときにどう感じるのか。このホテルで働くことの喜びや誇りを抱くための重要なアイテムだとも考えています。


−今回のリニューアルに際して、最大のミッションはどんなことでしたか?

相場:これまでホテルの制服といえば、テーラードジャケットにネクタイなど、格式あるスタイルが優先されてきたように思います。ただ今回の新たなコンセプトは「心からの寛ぎ」であり、ゲストに親しみやすさを感じていただくことが重要課題。ホテルとしての品格と、リラックスしたムードと。そのふたつを両立させるユニフォームとはいったいどんなものなのか。また、全スタッフがストレスなく気持ちよく着用できるようにするためには、どうすべきか。<ID UNITED ARROWS>の皆さまと話し合いを重ねながら、最適解を探っていくことになりました。

ノーネクタイでも品格を放つ、新時代のユニフォームが完成。

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−ではさっそく、どんなユニフォームができあがったのか、デザインの詳細を教えてください。まずシャツについては、なんとノーネクタイのスタイリングを採用したのですね。

相場:タイドアップ(ネクタイを締めるスタイリング)ではなく、ノーネクタイになったというのは、いちばんの大きな変化だと思います。ともなって、ジャケットは従来のテーラードタイプからノーカラータイプに。シャツは、カジュアルながらフォーマルな印象もある比翼仕立てのバンドカラーを採用したことで、感度の高いコーディネートが完成しました。

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−ジャケットに関して、細部にまでこだわりが詰まっていると聞いています。

相場:まず、袖は9分丈にしてスリットを入れることで、折り返しても着用できるようにしました。腕の長さの違いはもちろん、作業スタイルによって調整できるようにしたのです。また、名刺入れやメモ、ペンまでスムーズに収納できる内ポケットも充実させました。ホテルスタッフはインカムをつけることが多いのですが、そのコードをスマートに通すことのできる専用のループも取り付けているなど、カスタマイズが細部に施されているのです。

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−スカートスタイルについてはいかがでしょうか。制服とはいえ、とても洗練された印象を受けます。

相場:いちばんの特徴は、スカートのデザインがアシンメトリーなところではないでしょうか。タイトシルエットで品格は保ちつつ、柔らかさや優雅さも醸し出されているのがポイントです。さらに大きな変化として、スタッフから要望の多かったパンツスタイルも選択できるようにしました。バックウエストをゴム仕様にして、動きやすさを重視したつくりに。またクルーネックのインナーは、透けにくい素材を厳選したほか、デコルテをきれいに見せてくれて着脱するときにもファンデーションがつきにくいよう、襟ぐりをやや広く取っています。

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−今回使用した素材にも大きな特徴があると聞いています。

相場:軽量かつ、収縮性の高いストレッチ素材を使用しているので、とにかく軽く、そして動きやすいというのがポイントです。ホテルの仕事は、フロント業務からバゲージの持ち運びまで実にさまざまです。凛とした印象を保ちながら、アクティブに動けるよう随所に工夫を凝らしました。また、インナー類はすべてウォッシャブル。形態安定素材のため、自宅で洗ったらそのままノーアイロンで着用できるというのも優れた点だと思います。

−今回はSDGsの観点から、地球環境に配慮した視点でつくられているのですよね。

相場:まず、すべての生地にリサイクルペットボトルからつくられたECO素材を使用しています。また全体的にタイトではなく、ややゆとりのあるシルエットを採用したことで、幅広い体型に対応することが可能に。これまでの細かいサイズ展開を見直すことで、無駄な在庫をもたないという運用改善が可能になりました。さらに、ユニフォームを使用したあとは廃棄するのではなく、回収してリサイクルします。実際には「マテリアルリサイクル(物から物へと再利用すること)」を行い、自動車の内装材として再利用されることになります。

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新ユニフォームが授けてくれる、「このホテルで働く」というプライド。

−<ID UNITED ARROWS>とユニフォーム制作を進めるなかで感じたこと、気づいたことを教えていただけますか。

相場:私たちホテル業界の人間が無意識のうちに抱えていた既成概念を、美しく取り払ってくれたように思います。たとえば今回の素材について、私たちは漠然とスーツで使うような素材をイメージしていました。でも提案されたのは、異なる表情のもの。理由を聞くと、ホテルの照明が落ちた夕刻以降、その素材がさりげない光沢を放つこと、それがニュアンスとなってゲストに親しみやすさを感じさせることなどを説明してくれたのです。

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−空間のライティングや環境の時間軸まで捉えて素材を提案するのは<ID UNITED ARROWS>ならではかもしれませんね。

相場:ほかにも、ホテルスタッフはどのような作業をするのか、そのときにどんな体勢を取るのかなど、丁寧にヒアリングしてくれました。実際に私たちと<ID UNITED ARROWS>の皆さんがサンプルを着用し、その動作をしたときにストレスがないか、繰り返し確認し合ったことも印象深いですね。これらのブラッシュアップがあってこそ、時代と新コンセプトに合った、今回のユニフォームが完成したのだと感じています。

−では最後に、ホテルスタッフの方々の声を聞かせてください。

相場:自分たちのユニフォームに<UNITED ARROWS>のタグがついていることに、まず喜びの声が上がっています。さらに着用してみて、ホテルスタッフの仕事を理解した上で製作されていることを実感し始めているようです。「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」のスタッフとしての誇りをもち、モチベーション高く働くことができる。ユニフォームというアイテムの存在の大きさ、その絶大なる効用を実感している今日この頃です。

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PROFILE

その土地ならではの体験を、自分に還れるような場所で。かけがえのない居心地のよさをかなえるために「おもてなし」を一人ひとりに。「絆をつむぐ」を理念に、「LOCAL EXPERIENCE」「PRIVATE STYLE」「PERSONALIZED HOSPITALITY」をコンセプトに掲げ、東京 銀座・芝公園、京都祇園にて3施設を展開しています。
https://www.celestinehotels.jp/

“ガーデンのような豊かさと潤いのある滞在体験を提供したい”という想いから、理念を「Stay in the Garden」と定め、国内外で34施設を展開しています。全国各地の地域性を大切に個性豊かなデザインと「楽しみになる朝食」をご用意し、ビジネスユースだけでなく、レジャー、リトリート、リフレッシュ、長期滞在等、様々なシチュエーションでお楽しみいただけます。
https://www.gardenhotels.co.jp/

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