ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2020.05.15 FRI.

おうちもココロも身軽に! モノと丁寧に向き合う、すっきり収納術。

いつもは目に見える部分だけを片付けるだけで、いつかやろうと思っていた身のまわりの整理整頓。おうちにいる時間が長い今こそ生活空間を見直す絶好のチャンスです。毎シーズン買い足す服、捨てるに捨てられない雑貨など…、いつの間にか増えているモノと向き合い、整理することで気分も晴れやかに。今回はスタイリストの檀上 曜さんからただ片付けるだけでなく、自分らしいおしゃれな空間を作る、とっておきの収納術を教えていただきました。この機会にぜひ実践を。今よりもっとおうちが好きになるはず。

Photo:Yuco Nakamura
Styling:Yo Danjo
Text:Kozue Takenaka

生活をしている上で心地よいと思える物量を見つけることが大切。

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「住む家はなかなか変えられるものではありません。なので、居住空間で毎日をいかに快適に過ごせるかを考えたとき、視覚的にリラックスできるよう整えたり、限られたスペースに綺麗に収納するために物量をコントロールすることで自分なりの収納方法を見つけました」と言う檀上さん。快適に感じる物の量は人それぞれ違いますが、まずは自分が居心地いいと思える物量を把握することから始めてみてください。それがわかると、断捨離やリユースのタイミングも定期的に訪れ、身のまわりの循環もよくなるはず。

<スタイリスト檀上さんに学ぶ、かしこい収納の見直し3箇条>

1 スペースや時間を大切にすることを意識して、要不要を考える。
「リラックスできる空間と時間はとても大切です。混沌としたものを毎日見るうちに知らず知らずのうちにストレスを感じていたり、多すぎるものを維持するために、より時間も使わざるを得なくなってしまったり。持っているものを把握できないが故に、更に<本当に必要なもの>ではないものを購入してしまい、さらに混沌とさせてしまうという負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあるかもしれません。そのためには、自分のライフスタイルにとって、「いる」「いらない」を明確にすることが大切です」

2 クローゼットもほかのお部屋と同様、インテリアの一部。
「自分の好きな空間に作り変えると、そこでのコーディネートや片づけなど、毎日のマストの作業も快適な楽しいものとなり、その結果自然と整っていきます。<収納用品>にとらわれず、ボックスやかご、棚など<好きなインテリアアイテム>を取り入れて自分好みの空間になると、いつものワードローブも見ていてワクワク、着るのも楽しみに思えるものへとアップします。お気に入りのものを選ぶことで自分らしさもある、心地良い空間になると思います」

3 自分の好みや傾向をしっかりと把握する。
「いま、どんなものをどれだけ持っているのかを把握できれば、そのシーズンやこれからどういう服を買えばいいかが明確になります。また、どんなテイストが根本的に好きで、どんな服を着て過ごしたいのかもわかりやすいかと思います。結果、どういうライフスタイルを選び進みたいのかを考えるヒントにもなりますよ」


クローゼットの視覚を自分好みに統一する。

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クローゼット全体で割合をしめるハンガーラック部分は、ハンガーの色やデザインをまとめるとすっきり見えます。また、ハンガーラックにかけるアイテムの順ですが、トップス(カットソー→シャツ→ブラウス)、ボトムス(スカート→パンツ→ワンピース→ワンピース&オールインワン類)、アウター(ショートジャケット→ロングコート)とします。さらにそのアイテムごとの中でも、ノースリーブ、半袖、長袖と分けます。そうすることで丈の短いアイテムの下に収納スペースが生まれます。ワードローブも一目瞭然となるので、コーディネートがしやすく、時間はコンパクトに、でも幅は広がる、そんな嬉しい効果も。


省スペースはアイテムごと大きさを揃えて収納する。

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たたみで収納する服は、引き出しやボックスの大きさに合わせ、横幅を揃えて丁寧にたたみます。また、アイテムごとに、色もグラデーションを意識すると美しく整い、スペース的にも視覚的にもよりコンパクトに収まります。持っているものを把握できるよう視覚的にも物量的にも整えるのがおすすめです。そうすることで忙しい朝でもコーディネートが楽になるし、自分の好きなファッションの傾向がおのずと見えてくるでしょう。毎日使うハンカチやストールなどのリネン類は、アイテムごとに分類して収納すれば、見た目にも美しく使い勝手も抜群です。


出しっぱなしでも“映える”グッズで見せる収納を楽しむ。

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キッチンやリビングの収納も、「隠す」のではなく、無造作に置いてあってもストレスを感じないデザインのボックスやバスケット、かごバッグなどで、「見せる」収納を楽しむのがおすすめです。収納するという考えよりもインテリアの一部として捉えて、自分の好きなテイストやライフスタイルに適したものを選ぶといいでしょう。妥協して「あまり好きでない」ものや、「収納アイテム」として特化させ普段と違うテイストものを取り入れると、空間に違和感が生まれてストレスを感じたり、結局は使わなくなってしまうことも。


意外なものがおしゃれで頼もしい収納力を発揮する。

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出番が少ないトランクにはオフシーズンアイテムを。ハイゲージのニットや小物類、薄手の夏物の場合は、ビニールパックで小分けにするときれいに収まります。また、クローゼットの中で大きなスペースを占めるトランクの有効活用にもなります。アクセサリー類は、「見せる」ことを意識して。陶器、アイアン、マーブルなど、自分ならではのアイテムをチョイスするのがおすすめ。「いつでも見たい」ようなお気に入りのプレートやボックスなどに入れると、インテリアとしてもテンションが上がるスペースが完成します。

檀上さん曰く、「正直なところ、忙しかったり疲れたりで散らかってしまう日もありますが、それはそれでよし。あまりストイックになりすぎず、明日の朝にゆっくりやろう! と体力があるとき、やる気があるときに緩やかに片付けをするのが一番です。でも、頭の隅には整えようという気持ちを忘れずに…」。最後に、収納上手な5名の収納実例を紹介します。個々の収納に対するこだわりやヒントをぜひ参考にしてみてください。


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近藤有紀さん
UNITED ARROWS 六本木店 スタッフ

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見える部分の統一感と動線を考えた収納スペース。

「賃貸なので収納スペースも限られているため、定期的に見直すようにしています。収納面では、クローゼットの中はできるだけたくさん吊るせるようにMAWAの滑らないハンガーを使っています。その際、私の服は白ハンガー、主人の服は黒ハンガーに統一して見た目もわかりやすくきれいに。その他の収納グッズもモノトーンで揃えています。また、靴が好きなのでたくさん収納できるように、シューズラックを駆使し突っ張り棒で段を増やしたり靴ホルダーを使っています。ヘビロテで着る服や靴を出し入れしやすい動線にもこだわっています」。


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大野 亮さん
UNITED ARROWS 第一事業本部 デジタルマーケティング部メンズPR課

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たくさんの服が視野に入る設計で選びやすく。

「ブランド別、アイテム別、シーズン別、各ラックや棚ごとに自分自身が選びやすく探しやすいことを感覚的に設定しています。できる限り沢山の服が視野に入るように設計して作りました。買ったこと、持っていることをついつい忘れてしまうということがだいぶ少なくなりました。また、気に入って買った服がほとんどなので取っておくタイプですが、サイズが合わなくなったものは積極的に友人や同僚に譲るようにしています」。


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山本有紀さん
エディター&ライター

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仕切りやボックスを駆使して、使いやすさときれいさをキープ。

「仕事上、本や書類が多くなってしまいがちなのですが、高さを揃えることで見た目もきれいで片付けもしやすいです。キッチンでは、よく使う豆皿や調味料は引き出しに入れて見やすく&取りやすく、ここにおさまるだけと買いすぎ防止にも。どの部屋の収納も使いやすさをベースに、見せたくない部分は自分の好きなカゴや布を使い、あくまでもインテリアの一部として部屋に馴染ませています」。


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池田尚輝さん
スタイリスト

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生活の援助になるような収納方法や場所を心掛ける。

「自分の家族の癖や動きを考慮した収納を考えています。例えばソファ下のウッドボウルにはあえて雑多なものを入れることで使った後に戻すことが好きになれました(笑)。たたみ収納のキャビネットにはインナー仕様と主役とでTシャツのたたみ方を変えたり、よく使う小物類は2×4材で柱を立てて壁を作りフックを上下段に設置しました。また、ある程度新しいものが増えたら要不要を確かめていますし、手に入れるときに不要になったときの行く末も想像することで収納する快適さや心地よさに近づけるのかなと考えています」。


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二ノ宮和佳子さん
AEWEN MATOPHディレクター

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お店のディスプレイのような収納空間がテーマ。

「見た目だけでなく実用性も兼ね備えた収納空間にこだわっています。トレイにおいたアクセサリーは見やすいので朝のコーディネート決めもスピーディに。無印良品のアクセサリーケースはクリアなので見やすく便利です。エンダースキーマーのメガネホルダーももうひとつ追加しようかと思うくらい使い勝手のよさを実感しています。パンツなどのメインアイテムはパッと見てわかりやすく、見た目もきれいな印象になるようにアイテムごとにカラー分けをしています」。

PROFILE

檀上 曜

スタイリスト。雑誌、WEB、カタログ、広告等にて、ファッション、インテリア、テーブル、フラワーのスタイリングを手掛ける。趣味は旅と自然に関わること。 https://www.yo-danjo.com

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