
ウツワ
2020.12.24 THU.
“ニューノーマルな”お正月。新年を迎える準備と次の年に向けての意気込みは?
自宅時間が増えているいま、年末年始の休みはどう過ごそうか、もう考えていますか? せっかくの休みに家で過ごす時間は、有意義で楽しいものにしたいもの。時間があるからこそできて、気持ちや暮らしを整えてくれる4つの過ごし方をご紹介します。また各分野で活躍されている方々に、来年の抱負を伺いました。少しずつ気持ちを年末モードへと切り替えてみてはいかがでしょうか。
Photo:Yuco Nakamura
Text:Maki Kakimoto
日々見て見ぬフリをしがちなラグを、
徹底的にお手入れ。
暮らしの中でラグのお手入れといえば、掃除機をかけるくらい。天日干しする人さえも少ないのではないでしょうか。年末年始は、ホコリや小さなゴミが絡まりがちなラグを、とことんキレイにするチャンス。ラグの種類、素材などによって変わりますが、表示をチェックして洗濯できるラグは丸洗いを。洗濯ができないラグは、まず天日干ししてはたきをかけて、ホコリなどを落とします。その間にラグが敷かれていた場所の水拭きも忘れずに。ブラシを使って根元の毛を起こすようにしながら、間に挟まったホコリやごみをかき出しましょう。ブラシ掛けは毛足の長いラグの毛並みを復活させるのにも有効です。
ラグのお手入れはどんなブラシを使うかも重要。家のラグをもう一度よく見直し、何でケアするのが最適なのか探してみてください。
正月飾りを手作りして、お正月気分をぐっと盛り上げる。
清々しく新しい気持ちになるお正月。好きな花屋やお店で素敵な正月飾りを買うのもいいけれど、時間に余裕があるのなら、手作りしてみるとまた愛おしさが倍増するはず。いまはキットもたくさん発売しているので、気軽に自作することができます。お正月飾りは意外と自由。さまざまなカタチがあるので自分らしいお正月飾りを探してみてください。松の枝や稲、椿、南天、松、黄緑の菊、水引などの縁起物は好きなバランスで。どんな飾りを作りたいか事前にイメージを膨らませておき、作りながら自分らしいバランスを見つけてください。完成したお正月飾りに、好きな香りを馴染ませると一緒にいい香りも楽しめます。
水引は封印や魔除け、人と人を結びつけるという意味があり、色や結び方によっても意味が異なります。吉事のお正月には、魔除けの赤と神聖を表す白が用いられ、一度結ぶとほどくことが困難な「結びきり」や「あわじ結び」が良いとされており、人と神との強い結びつきを願います。
食器をすべて出して乾拭き。
ついでに食器棚の中を整理整頓。
気付かないうちに器にはホコリが溜まっていくもの。食器棚からすべて出して、乾拭きを。その際にそのまま棚に戻さず、器すべてをあらためて把握しましょう。何を持っているのかを確認することで、しまい込んで使い忘れてしまったり、同じような器をまた買ってしまうことを防ぐことができます。しっかり把握した後は、棚に戻す際に器の住所を決めましょう。色ごとに分けるのか、サイズ、頻度など、自分が使いやすい仕分け方法で並べましょう。
器一つひとつを眺めながら乾拭きする時間は、心が静かに落ち着くはず。この器はどこで買ったか、など器にまつわる思いに馳せながら、整理整頓を心掛けましょう。
欠けてしまった器を金継ぎすることで、長く愛する。
食器棚を整理整頓する際に、欠けてしまった器をピックアップ。ちょっとした欠け、ヒビ、割れてしまった器たち。家時間を使って、金継ぎで蘇らせましょう。初心者は、まずちょっとした小さな欠けを直すことから練習を。金継ぎキットが売っているので自分で練習したり、オンラインワークショップに参加するものいいかもしれません。金継ぎすることで、その器が更に愛着あるものになりそう。壊れたら捨てたり買い換える、そういう考え方から、長く大切に愛し続けていくという感覚に変わっていき、器への愛情がまたさらに増すはずです。


こんなちょっとした欠けなら約2週間で金継ぎが完成。欠けてしまって少しだけ悲しかった気持ちまで一緒に修復してくれるはず。欠けを蘇らせることができたら、次はひび割れの修復にも挑戦を。
年末に差し掛かり、新しい年を迎えようとしています。多くの人にとってさまざまな環境の変化があった2020年。今年の一年を振り返り、各分野で活躍されている5名の方に来年の抱負を伺いました。例年とは少し趣の違った今年ならではのお正月の過ごし方を参考にしてみてはいかがでしょうか。
01 / 05
西岡 麗さん
JUICEディレクター/ STYLE for LIVINGバイヤー兼MD
「家にいる時間が増え、さまざまなことを考える時間ができたことで、以前に比べ自分の仕事に対してストイックに向き合うことができた一年でした。仕事上、化粧品の成分を見たりすることは以前からよくあったのですが、今年は化粧品に含まれている成分がどのように肌に作用するのか、ネットや本を見て調べるように。成分を知ることで本当にいい化粧品はどのようなものなのかあらためて知ることができたんです。今回は、『美意識改革』と言う言葉を色紙に書きました。来年は、今年以上に仕事にストイックにという意気込みと自分自身の美意識を高めていくぞという想いを言葉で表現しました。自分の美意識を高めることがよりよい商品作りにも繋っていくと思っています」。
「お正月はいつもより時間をかけてスキンケアをしたいです。実家に集まる家族には〈JUICE〉の使用感などを聞いてみようと思っています」。
JUICEのアイテムはこちら
02 / 05
小林 新さん
スタイリスト
「今年は自分を見つめ直すいいきっかけになったように感じます。仕事をはじめてから、こんなにも自分と向き合う時間があったのは初めての経験で、“自分はこういう人なんだ”と新しい発見もありましたね。そして仕事のことを振り返ったときに思ったのは、小さいことの積み重ねでいまの自分があるということ。『水滴石穿』という言葉は来年の抱負というよりも、わたしの座右の銘ですね。一気になにかを成し遂げたいと思っても、乱暴な方法になってしまったり、ぶっ叩けば当然石は割れるでしょうけど。それで完成したものってあまりキレイじゃないと思うんです。この先もコロナとともに生活しなくてはなりませんが、自分にできることは小さなことでも一つひとつ丁寧に取り組んでいくことだと思っています」。
「今年の垢は今年のうちに」。新居で迎える初めてのお正月は、のんびり家族と過ごしながら、シルバーや靴のケアをして新年を迎える準備をする。
03 / 05
磯部 安伽さん
編集者・ライター
「あらためて自分の原点に戻ることができた一年になりました。4月、5月はコロナの影響で仕事がすべてキャンセルになってしまって、何をしたらいいかわからない2カ月でした。でもそういう時間があったからこそ、仕事のありがたみや楽しさをより感じることができたなって。いままであまりの忙しさで、大好きな仕事を心から楽しめていなかったり、ありがたさを忘れてしまっていたのかもしれません。だから6月に仕事がはじまってからは、すべてが楽しくてしょうがなかったです。人と喋ることや、忙しくて寝れないことが嬉しいくらいに(笑)。来年の抱負に『瞬間を楽しむ』という言葉を選んだのは、先のことを気にしていまを楽しめなくなるのはもったいないと思ったからです。コロナに翻弄されて、日々の出会いや大好きな四季を上の空で過ごすのではなく、純粋にその瞬間を楽しみたいと思いました」。
季節の節目を味わうことも“瞬間を楽しむ”ことのひとつ。ずっとやりたかったという、おせちづくりに初挑戦するそう。
04 / 05
増田 晋作さん
UNITED ARROWS & SONSディレクター
「今年は良くも悪くもいままでの自分の価値観が大きく変わった一年でした。いままでは、通常業務に加え、半年に一回海外に買い付けに行っていたため、常に忙しく毎日を過ごしていた気がします。その点、海外に行けなくなった今年は、ちゃんと地に足をつけて自分の仕事の本分を見つめ直せたんです。また、お客さまが当たり前にお店に来ていただくことが難しかったので、どうすれば自分達の仕事でお客さまに喜んでもらえるかを考えるいいきっかけにもなりました。今回、来年の抱負として書いた『一心不乱』という言葉は、お客さまが本当に必要としているものを楽しく提供できるように心を乱さず一生懸命考えて行動していきたいというぼくの決意表明です」。
毎年恒例となる初売りセールの現場に立つという増田さん。「実際にお客さまと会ってお話しできる場が例年通り設けることができて本当に嬉しいです」。
UNITED ARROWS & SONSのアイテムはこちら
05 / 05
高山 都さん
女優・タレント
「年末からはじまる“風の時代”を自由に自分らしく乗りこなしたいという気持ちを込めて『濁らず軽やかに』という言葉を選びました。今年はコロナ禍の影響で環境や価値観の変化が大きい年でしたが、自分自身はまわりに流されることなく柔軟に軽やかでありたい。そして、引き続きマイペースに“丁寧に生きる”を実践していきたいと思っています。毎年お正月には“今年も一年がんばるぞ”という決意表明を込めて都内を30kmランニングすることからスタートするのですが、もちろん来年もそのつもり。走っていると文字通り心と身体のバランスが“ととのう”感覚があるんですよね。あとは、最近新しい自転車を手に入れたので、一緒にいろいろな場所に出掛けたいな」。
BLUE LUG KAMIUMAの店長と相談しながら完成させた1台は、海外から取り寄せたパーツを使ったり、ボディの塗装に至るまで、高山さんの“好き”が詰まったオリジナル仕様。