ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2022.02.24 THU.

店舗と地域の繋がりが元気な街を作る、
“THINK LOCAL”という考え方。

〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(以下、GLR)〉で約10年前からスタートした“THINK LOCAL”というプロジェクト。東京以外の地方に限らず、東京も含め“ローカル”を再度見直してみよう、という思想を基にGLRオリジナルの冊子『THINK LOCAL』を刊行し、その概念を大切にしてきた。各地それぞれが自分のローカルを見直し、学び、新しい目線で歩いてみる。そして、自分の街のいいところを見つけ、感じ、それをみんなで大切にしながら楽しんでいくこと。今回はGLRのディレクター佐々木 弘幸さんに、また新しく動き出していく“THINK LOCAL”についてお話を伺いました。

Photo:Yoshimi
Illustration:Naoya Enomoto

“自分の地元”がLOCAL。
そこに根付く店やショップスタッフが中心。

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GLRのブランドコンセプトは「Be happy ココロにいいオシャレな毎日」。それを実現するためには日々の暮らしが大切だと考え、衣・食・住・遊・知の5つを軸にした生活様式「HYBRID LIFE」を提案しています。そこで、店舗がある地域に特化してその地元にあるショップをマップとともに紹介する冊子『THINK LOCAL』を発刊。そこには地域に根付いた店づくりや地方創生など、ブランドが大切にする想いが詰まっています。

─まず、“THINK LOCAL”という考え方について教えてください。

元々はGLRオリジナルの冊子『THINK LOCAL』を刊行していました。編集者の岡本 仁さんが「たくさんある店舗の方たちが自分の街をどれくらい理解しているんだろうか」という疑問を投げかけ、まずお店のスタッフたちが自分の店のある街のことを好きになることが大切なのではないかと。そういった考えを根本に、ローカルについて改めて考えるというプロジェクトがはじまりました。『THINK LOCAL』の冊子は現在発刊休止中ですが、これまで全部で47冊を発刊しています。

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─GLR的な観点でのタウンガイドとは、面白い取り組みですね。

GLRは全国に約80店舗あります。一般的にローカルというと地方都市のようなイメージがありますが、そういうことではなく、“自分の地元”がローカルという考え方。「各店舗それぞれが地域に根付いたお店にしていくといいね」と話しています。

─10年前から続けてきたプロジェクトですが、今後はどのように”THINK LOCAL“を体現していく予定ですか?

決して、イベントやポップアップストアを中心に動いていきたいわけではなく、それはあくまでも”THINK LOCAL“という概念を表現する手法のひとつ。これから様々な角度から表現していけたらと楽しみにしています。


プロジェクトを通して、
スタッフとお客さまが街のことを考える機会に。

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─各地方の店舗と同じ概念を共有するにあたり、どういったコミュニケーションをとっていますか?

ローカルをテーマにしているからこそ、お店側からのリクエストを大事にしたいんですよね。そこで、全国にアンケートを募っています。例えば自由が丘店。ここは路面店であり、土地柄もあってゆったりとしたスペースがあります。それにお客さまが自由が丘という土地に根付いた生活や仕事をしている人も多いんです。

そのおかげで、スタッフとお客さまの交流も深く、リクエストが積極的にあがってきます。もっと交流できるようなイベントがしたいという声もあるので、これからなにか企画していけたらいいと思っています。

美味しいお店や景色の良いスポットなどを、”THINK LOCAL”をきっかけに各店舗のスタッフたちに店舗のあるエリアについて考えてもらったり教えてもらうことで、それぞれが自分の住むエリアについて改めて考えるきっかけになればいいなと思います。

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自分が働いている店舗のエリアを
よく知っているスタッフを育てたい。

─佐々木さんがこのプロジェクトを通して願うことはありますか?

僕たち本部は全国にアンケートをとったり、冊子やイベントなどさまざまな形で“THINK LOCAL”を表現していきたいと思っていますが、ローカルをよく知るのはやはりその街の店舗のスタッフたち。

店舗で働いていると、お客さまに「どこか美味しいお店ある?」などと聞かれることも多いので、自分が働いている店舗があるエリアをよく知っているスタッフが良いスタッフだと思うんです。この“THINK LOCAL”というプロジェクトとともに、ローカルにきちんと根付いたスタッフたちがたくさん育ってくれたらいいなと思っています。

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アイデアや要望をどんどん吸い上げ、
店舗や地元を巻き込んでいくのが理想。

─今後、“THINK LOCAL”という考えを軸にどのような展開を予定していますか?

ずっと「イベントがしたい」「お客さまと交流の場が欲しい」という声があがっているので、今後は積極的に動いていけたらと思っています。「ただ利益のために洋服を売る」そういう仕組みや考え方には限界があります。大切なのはそこじゃないなと。

自分が働く場所で過ごす時間はとても長く、地元の人達と交流や関係が生まれていくはずです。そういった部分を大切に捉え、“ローカルに”お店もスタッフも共に根付いていくことが理想ですね。

本部がイベントを企画して、それをスタッフたちが実行するという流れではなく、ローカルで実際に日々働いているスタッフたちを巻き込みながら想いを共有し、相談しながらいろいろな表現を生み出していきたいです。

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コロナ禍を経て、自分自身の生活や暮らし方について改めて考え直したという人も多いはず。自分の住む地元を「知り、学び、楽しむ」。その結果が地元の応援に繋がる、この考えがつまり“THINK LOCAL”の考え方。住んでいるからこそわかる魅力、外から来たからこそわかる魅力、その両方を伝える そのローカルを巻き込んだ取り組みは、大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。3月以降、GLR 自由が丘店で地元のショップとタッグを組んだイベントを続々と予定しているので、ぜひ足を運んでみてください。

PROFILE

佐々木 弘幸

GLR 本部 商品部 メンズ商品課 ファッションディレクター。販売スタッフ、ショップマネージャーを経験し商品部へ異動。その後MD・バイヤーを経て、2018年より〈グリーンレーベル リラクシング〉のディレクターに就任。ディレクション業務の他、商品企画や新店内装意匠などを担当している。

JP

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