ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2018.09.07 FRI.

オンラインストア1周年プレゼントキャンペーン『素敵な時間を贈ります』に込めた思い。

オンラインストアがリニューアルをして1周年。先日、その感謝の気持ちを伝えるキャンペーンが行われ、大きな反響を呼びました。キャンペーンのタイトルは『素敵な時間を贈ります』。“時間”や“コト”をプレゼントにするというこれまでになかった試み、その途中での試行錯誤やキャンペーンを終えてのお客様からの温かい反応など、キャンペーンの中心メンバーであるデジタルマーケティング部の木下貴博さんに語ってもらいます。

Photo:Takeshi Wakabayashi
Text:Noriko Ohba

オンラインだからこそ。キャンペーンのキーになったのは“時間”。

—今回の「オンラインストアプレゼントキャンペーン」は、オンラインストア1周年を記念して行われたそうですね。

木下:私たちは、2017年4月にECサイトと19のブランドのオフィシャルサイトをひとつに統合するリニューアルを行い、よりシンプルにより快適にお買い物ができるオンラインストアを開設しました。この1年は、僕らにとっても学びだらけで、特に、お客様から寄せられるご指摘やサポートの声には本当に助けられました。いろいろな問題もあったなか、サイトを訪れていただき、向き合ってもらえたおかげで、今着実な成果も見えてきています。ですから、この1年という節目に、感謝の気持ちを伝えるキャンペーンをしたいと考えました。

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—プレゼントの内容がとても印象的でした。「素敵な時間を贈ります」というキャッチコピーのもと、大自然のなかで過ごす大人の宿や貴重な舞台の観劇、極上レストランでの食事など、いわゆる「モノ」だけのプレゼントとは異なる「特別な時間をプレゼントする」というアイディアはどのように生まれたのですか。

木下:どんなプレゼントにしようかとキャンペーンチームで考えたとき「時間」というキーワードが最初に出てきました。というのも、オンラインという場所に来てくださるお客様は、「時間」に対してプライオリティが高い方が多いと思うんです。営業時間内に実店舗に行く時間がない方や、子育て中で自分に費やす時間が今は取りにくい人など、そんな方たちが通勤時間などのふとした5分10分を私たちのサイトに来る時間に充ててくれたり、夜遅くひとりになってサイトを訪れてくれたり。時間の束縛がないオンラインを訪れるお客様の姿を想像し、話し合いを進めていくうちに、“時間を贈る”というコンセプトがひとつの軸として出てきました。そして、もうひとつキーになったのは“シーン”です。

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シーンを贈るということ。

—シチュエーションや体験を贈りたいということですね。

木下:はい。お客様がお店でアイテムを購入するのは、購入すること自体に目的があるわけではなく、それを身につけて向かう先の“シーン”こそが本命であり目的。こんな自分になりたい、大事な日に成功したい等、その先のシーンのために、ファッションという手段が成り立つのだと思っています。プレゼンという大舞台に立つとき、恋人のご両親に会いにいくという大事な日など、未来の自分の背中を少し押してくれたり、自信を持たせてくれる強力な味方としての“装い”。私たちは、お客様が向かっていくそれぞれのシーンに対して、さまざまなファッションの提案をしていますが、今回はその先の“シーン”にも寄り添えるようなプレゼントができないかと考えたのです。

—そこから、旅や観劇、食事といった体験がギフトになったのですね。

木下:そうですね。おしゃれをして、且つ、自分らしい装いで出かけたくなるような、忙しい日常から少しタイムトリップできるようなシーンを考えました。旅だったらどこだろう、今見たい舞台は、特別感の味わえるレストランって…etc. お客様の年代や性別、趣味、趣向、あらゆることを想定して考えていきました。

kabuki撮影:篠山紀信
歌舞伎「高麗屋襲名披露」の舞台チケットは6名様が当選。松本幸四郎改め二代目松本白鸚、市川染五郎改め十代目松本幸四郎の襲名が披露される高麗屋の節目となる舞台は、当キャンペーンでも話題に。

Cernia料理家の渡辺康啓さんがセレクトしたレストランでの食事も人気を呼んだ。東京のフランス料理「COMME A LA MAISON」や福岡のイタリアン「Cernia」(写真上)など、プロが選ぶ名店へご招待。

—旅にはTシャツ、観劇にはワンピースなどそれぞれの体験にはファッションアイテムもセットになっていました。

木下:お客様が向かう「特別な時間」に対して、どんなアイテムが最適かを提案することは、ユナイテッドアローズスタッフ全員のミッションなので、それはキャンペーンにおいても例外ではないと考え、シーンに合ったアイテムも一緒に贈らせていただきました。また、体験以外にも「起きてからベッドでまどろむあの時間にどんなモノがあったらうれしいか」など、モノのプレゼントついても「時間」をキーワードに厳選しました。

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手書きのレターがこんなにも!お客様からの思わぬギフトに感動。

—旅のギフトも1組とか2組ではなく、10組に当たるというのも豪華ですよね。

木下:総勢555名に当たるビッグキャンペーンでした。感謝の気持ちが伝えたかったので、応募する側が「どうせ当たらないよね」という数字にはしたくなかったんです。商品をご購入いただき、応募資格のあるお客様には「当たるかも」という期待や待つ楽しさも味わっていただきたかった。結果、予想を超える方たちから応募いただきました。

—ギフトを受け取ったお客様からは、手書きのレターでお礼の言葉がたくさん届いたのだとか。

木下:はい。そうなんです、こんなに頂いたんですよ。びっしり書いてくださる方、ていねいに、きちんと言葉にしてくださる方、たくさんの返信が届いたときは、アンケートを同封した自分たちがいちばん驚きました(笑)。「『素敵な時間』というコンセプトがよかった」「当たったアイテムは、父の日のサプライズプレゼントにした」「お客さんを喜ばせたいという思いが伝わった」など、ありがたい言葉ばかりで、ひとことひとことにここまでの苦労が全部報われる想いでしたね。

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—キャンペーンを終えて、今どんな気持ちですか?

木下:「コト」や「時間」を中心にした企画チャレンジの経験がほとんどないなか、今回は試行錯誤をしながら行いましたが、実際にやってみるとお客様が私たちにどんなことを期待し、何を魅力に感じているのか、ずばり本音の部分が見えてきました。それは大きな収穫、意義あることだったと思います。今後についても、ファッションが“手段”の先にある“シーン”にまで寄り添えるようなサービスができるのかもしれない等、次の方向性についてもヒントをもらえたと思います。何より「感謝を贈る」→「喜んでいただく」→「さらに価値あるサービスを生み出す」といった好循環が生まれるきっかけになったこと、普段デジタルのやりとりが中心のオンラインチームが、お客様と生のコミュニケーションを得られたことは、今後のモチベーションであり、数字では計りきれない成果だと思っています。企画の立ち上げから3か月間しかないなかで、僕らなりに必死にお客様のことを想像し、喜んでいただくために奔走したことは、途中の学びや最後にお客様との信頼関係が深まったと実感できたことも含めて、今後につながるかけがえのない“時間”となりました。

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PROFILE

木下貴博

2004年当時のIT戦略グループ(現情報システム部)の業務システム担当として入社。以後、社内各種領域のシステムの導入や切り替えを経験し2017年よりデジタルマーケティング部に異動しいまに至る。

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