ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

多くのブランドを経験したエリアアドバイザーが語る、 販売員の魅力と地元への想い。

ヒト

2023.05.18

多くのブランドを経験したエリアアドバイザーが語る、 販売員の魅力と地元への想い。

故郷・香川県にある〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉(以下GLR)高松店の店長兼中国・四国地方のエリアアドバイザーとなった西村 卓哉さん。様々なブランドの店舗や本部の役職、関西や東京、地方の店舗も経験している西村さんに、今までに従事してきた各所での経験から学んだことや実店舗で働く魅力、エリアアドバイザーとしての展望を伺いました。

Photo:Go Tanabe
Text:Daiki Yamazaki

他にはない“店長”という役職の魅力。

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―西村さんが入社されたきっかけと経歴を教えてください。

学生時代に大阪のアメリカ村の中にあった〈ユナイテッドアローズ〉(以下、UA)で接客を受けたことがきっかけでした。元々、洋服が好きで色々なセレクトショップや古着屋さんに通っていましたが、当時の洋服屋さんは、お客さまに対して高慢な接客がほとんどでした。その中で〈UA〉の接客は、学生のわたしにも物腰柔らかく丁寧だったことが衝撃的で、アパレル業界に入るなら〈UA〉以外ないと思いました。

―その後、新卒で入社されたということですね。

大学生の時からアルバイトさせていただき、その後正社員として入社しました。採用試験に合格し、<UA>梅田店に配属されました。当時は〈ブルーレーベル〉という名前のブランドでビューティ&ユースの前身となるレーベルを約10年担当していました。その後、<UA>三宮店に店長として異動になり、そこは今まで経験したことのないドレスを中心とした店舗でした。

―今まで経験したことがないドレスの店舗に異動を決めたのはなぜですか?

梅田店では2年近く数店舗のショップメイクをしながら副店長として働いていましたが、当時は店長になることを第一目標にしていました。その矢先に異動のお話をいただき、待ちに待った店長のお話だったので、「やります」と即答しました。

―カジュアル担当からドレスしか扱っていない店舗に配属になっていかがでしたか?

いざ働いてみると、ドレスの接客経験が浅かったことでわからないこともあり大変でした。ドレススーツに詳しいスタッフからアドバイスをもらったりとお客さまに満足していただくために必死でした。キャリアの中でカジュアルとドレスを学べたのは自分の中で非常に大きなポイントでしたし、その数年の経験が今に繋がっていると思います。その後、複数の店舗を経験したのち、東京本社に異動し、全国の店舗のスーパーバイザーとして数年勤務しました。

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―長年店舗で販売員として働いたのちの本社勤務に異動になってみて、心境の変化などありましたか?

全国の店舗を担当できるという点でやりがいはあったのですが、自身としてはお客さまから遠ざかっていく感覚もありました。新プロジェクトのタイミングで<UA>原宿本店の店長としてのお話を頂き、経験を最大限活かせる場と思い色々チャレンジさせて頂きました。2年前に実家の事情があり高松に異動させていただきましたが、店長をいち経営者と考えるユナイテッドアローズ社において、故郷で店長を任せられる事に意義を感じて日々勤務しています。

―西村さんが思う店長という役職の魅力はどのようなものですか?

ダイレクトにお客さまの声が聞けて、スタッフや店舗の成長が見られることです。配属されるブランドにこだわりはあまりありません。経験のなかった〈GLR〉の品揃えであったり、店舗の大きさであったりと、<UA>原宿本店との違いがたくさんあるので、知人からは心配されることもありました。しかし、店長という役職へのこだわりがあるからこそ今回の異動もよい経験にできると信じていました。実際に高松で働いてみて、とてもやりがいを感じていますし、地元に貢献したいという想いも日に日に強くなってきています。

―様々なブランドでも販売員を経験されていて、そのブランドごとの接客の違いなどを感じることはありましたか?

それぞれ特色があるなというのはその都度感じています。お客さまにおもてなしをするというスタンスは同じですが、ブランドごとにお客さまのテイストも違うので、接客の時間のかけ方などを自分なりに工夫しています。高松店に配属になり、改めて〈GLR〉のことを学ばせてもらっていますし、店舗のスタッフには、今まで様々なブランドや役職を経験してきたわたしにしかできない接客の方法や考え方なども共有することができているので、とてもやりがいを感じています。

パーソナルな魅力を引き出す、親身な接客。

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―普段、西村さんが接客する際に心がけていることなどあれば教えてください。

第一前提として、お客さまに心を開いていただかないといけないので、柔らかく接するように心がけています。また、接客時に一番こだわっているのは、お客さまにあったスタイリングのご提案をすることです。ただ商品を組み合わせて並べるだけではなく、お客さまに一番あったものを常に提案したいと思っています。その方の趣味や普段着ていらっしゃるモノなどを聞いたうえで、ベストなスタイリングをご提案しています。商品だけではなく、パンツ丈の長さやサイズ感も含めて、お客さまの魅力が増すようなスタイリングをご提案したいという想いは、どこの店舗に行っても絶えず考えながら接客をしています。

―そういった接客を続けていく中で印象に残っているエピソードなどありますか?

入社した当時から20年以上も接客を担当させていただいているお客さまがいらっしゃるのですが、初めてご来店いただいた時からずっと親身に相談に乗っていたことが繋がっていると思っています。好みやサイズ感などもわかりますし、お客さまに信頼していただいているので、通販も全部お任せいただいています。わたしがどのブランドにいてもいちばんの顧客さまです。〈BY〉でも本社でも〈UA〉原宿本店でも〈GLR〉でも変わらず購入くださっています。お客さまに楽しんでいただき、接客をさせていただくことが喜びになっています。

―お互いに楽しんでいるなんて素敵な関係性ですね。では、そんな西村さんの仕事に欠かせない必需品を教えてください。

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会社の先輩方が皆さん素敵な時計をされていたので、30歳の節目に当時憧れていた〈カルティエ〉のタンクアメリカンを買いました。今では売っていないモデルなので凄く大事にしています。その後にもう一つ腕時計を購入したのが、〈ロレックス〉のGMTマスターです。当時はあまり人気がないモデルだったのですが、個人的にデザインが気に入り、いままで大切に着用してきました。仕事中に腕時計で時間を確認する習慣が付いているので、どちらも絶対に欠かせないアイテムです。

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もう一つは、眼鏡です。目が悪いわたしにとっては、ファッションアイテムでもありますが、“道具”だと思っています。何本か持っているのですが、最近特にお気に入りのブランドは、〈YUICHI TOYAMA.〉です。このモデルも縄跳びのダブルダッチから着想を得た個性的なデザインが特徴です。眼鏡はパーソナルな部分を表現する大切なツールだと思っています。

自然とアートに溢れた、高松の街。

―プライベートなことについてもお聞きしたいのですが、最近夢中になっていることなどはありますか?
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20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチが設計した遊具。『オクテトラ』(左)『プレイスカルプチュア』(右)

住んでいた当時はあるのがあたり前で思ってもみなかったのですが、久しぶりに地元に戻ってきたら、改めて瀬戸内海や島などの景観の素晴らしさに気付きました。また、高松はアートが街中に溢れているのですが、公園の遊具もイサム・ノグチなどの著名なアーティストが手掛けています。アートに直接触れて遊べるので、子供もとても喜んでいます。休日は家族で四国の観光名所を巡ったり、アートに触れられる公園に出掛けています。

エリアアドバイザーとして、地域活性化に一役買いたい。

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―最後に、西村さんの今後の展望を教えてください。

4月から中国・四国地方のエリアアドバイザーに任命いただきましたので、ブランドの垣根を超えたヘルプや研修を形にしていきたいと思っています。各ブランドの課長と連携しながら、よりよい働き方を提案したいと考えています。また、地方の情報は東京には断片的にはいってしまう事もあるかと思いますので、今後は中国・四国地方のリアルタイムな情報を本部にあげたり、何かあったときの相談役のようなことももできたらいいですね。生まれ育った地域の活性化のためにも、貢献できる存在になれるよう努めたいです。

PROFILE

西村 卓哉

西村 卓哉

1997年に入社。ユナイテッドアローズ 梅田店に配属され、2006年ユナイテッドアローズ神戸三宮店にて店長へ。その後、本部でスーパーバイザーとして全国各店を担当し、内の店長を経て現在はグリーンレーベル リラクシング 高松店の店長をやりながら、中国・四国地方のブランドを横断したエリアアドバイザーを兼務している。

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