ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ヒト

2021.11.01 MON.

ヨガと「TO UNITED ARROWS」を通じて考える、 心と身体を繋ぐヒント。

溢れる情報量の中で、目まぐるしい毎日を送っていたわたしたちの生活が一変した2020年。誰もが予想していなかった出来事は、一人ひとりにとってこれまでの生き方を改めて考え直すきっかけにもなりました。そんなVUCA(予測不能)の時代と言われるいまを生き抜くヒントが、ヨガの哲学にあると言います。一般的にヨガはエクササイズのイメージがありますが、実は「自分と向き合い、調和のとれた状態へ導く」という、心と精神を大切にした、生き方そのもののコンセプトがあるのです。今回は、そんなヨガの哲学に共感したモデルのアレクサさんのライフスタイル、そしてユナイテッドアローズ初となる、ヨガのコンセプトを多角的に体現した新レーベル〈TO UNITED ARROWS(トゥー ユナイテッドアローズ)〉を通して、いまわたしたちに必要な生き方のコツについて探ってみたいと思います。

Photo:Shunya Arai(YARD)
Text:MARICO(THE LIFE EDIT)

「ベターなわたし」へと変わった、ヨガの3つの考え方。

ーアレクサさんは普段から生活の中に、ヨガの哲学を取り入れているそうですが、ヨガによってご自身がベターに変われたことなどはありますか? お気に入りの考え方なども教えてください。

ヨガの考え方は色々あって本当に興味深いのですが、例えばわたしがすごく変われたな、と感じることを3つ挙げるとすると、ひとつは「FORGIVENESS(許し)」について。誰かが失敗したことがわたしにとってネガティブなことだったりすると、昔は、ずっと頭に残っていて何週間もモヤモヤ・イライラしていたりしましたが、いまはすぐに「うん!なんか大丈夫!」と思えるようになりましたね。相手が変わる、を期待するのではなく、自分自身の感情を手放すことが大切だということを学んだことで、怒ることも少なくなったし、すごく落ち着いて過ごせるようになりました。

ふたつめは「PRIDE(プライド)」。持たなくていい変なプライドを手放すことができるようになりました。例えば、この間も家で彼氏とケンカしたときに、ちょうどタイミング悪く彼に仕事の電話がかかってきてしまったんですね。そんなときに「もういい!わたしは帰るわ!」って家を出てしまったのですが、途中でふと我に返って「ちょっと待って。これってすごくいらないプライドじゃない?」って思い直せたんです。カッコ悪くて恥ずかしかったけれど、また戻って「ちゃんと話をしよう」と彼に言うことができました。こういう変なプライドって結構あったりするじゃないですか(笑)。普段隠れているからなかなか気づかないけれど。

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ー確かに、妙なプライドって少なからずみんな持っていますね。瞬間的にプライドが出てしまっても、そうやって自分を客観視して落ち着いて行動できる、というのはすごく大切ですね。

そうなんです。それからすごく勉強になったのが「JUDGE(ジャッジ)」に関して。以前は「彼ってこういう人だよね、彼女ってこういうとこあるよね」と、これはいいけど、あれはダメだよね、といつも人をジャッジしていました。わたしの方がベター、あなたは良くないねって(笑)。でもいまは、それぞれ違う、それでいい。あなたは変わる必要ない、と思っています。彼とわたしの場合でも、合うところもあれば、合わないところもあるけれど、変わらなくていい。お互いに違いがあるからこそ、わたしたちは強くなれると思うんです。

ーいま世界的にも「ダイバーシティ&インクルージョン」といった個々の多様性を受け入れて尊重し合うという流れがあるので、まさにヨガの考え方は、いまの時代にマッチしていますね。

そういう意味でいうと、母は昔からすごく個性を大事にしてくれる人でした。わたしは、子どもの頃から、周りに「元気すぎる、落ち着いて、うるさい」なんてよく言われていたんです。でも、母はいつも「これはあなたらしさだから、そのままでいいよ」って。「あなたには元気があるからそれをどんどん使ってね。大人になると、みんな疲れていて元気がなくなるの。あなたは全然疲れないタイプだからそれはいいことよ!GO!GO! GO!」って(笑)。そんな風に言ってくれる母でした。


ヨガが教えてくれた「繋がり」の価値。

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ー元々、ヨガという言葉はサンスクリット語で「つなぐ・結ぶ」に由来しているそうですが、いまはソーシャルディスタンスの風潮などもあって、いろいろな意味で「繋がり」がすごく気薄になっています。その点からも、ヨガの「つなぐ・結ぶ」というキーワードは、いま改めて必要と言えそうですが、アレクサさんの中で、ヨガで感じた繋がりにはどんなことがありますか?

いまヨガにもいろいろな種類があって、「アクロヨガ」という、パートナーと協力してポーズをとるものがあるのですが、わたしは特にこのヨガが大好きで。みなさんがイメージされるヨガは大体一人で行うものが多いと思うのですが、「アクロヨガ」は友人やカップル、夫婦など、誰かとペアでアクロバティックなポーズに挑戦します。いま他人との距離を保つことがよしとされる状況の中で、物理的にも精神的にも多くの人が孤立しやすくなっていると思うのですが、「アクロヨガ」は逆にパートナーとすごく深く繋がれるもの。難しいポーズが多いので、パートナーとの信頼関係がないと、下に落ちてしまうんですよ。この誰かを強く必要とする「I NEED YOU」の気持ち、「一緒なら出来る!」の気持ちがすごく好きです。「アクロヨガ」のおかげで、本当に信頼のおける、素敵な友人がたくさんできましたね。

ーアクロバティックなポーズは確かにお互いに信頼していないとできないですね(笑)。なんだかすごく難しそうですが…。

パートナーからよく「このポーズに挑戦しない?」って写真が送られてきて、「えー!うそでしょ!」(笑)と思うときもありますが、そのチャレンジがまた楽しいんですよね。ときには失敗することもあるけど、それはそれで笑えて楽しい。反対に、すごく集中するときもあって、それは目の前の一つのことにシンプルにつながること、とも言えるかな。とても静かで、美しい時間だなと感じます。

ー人との繋がり以外にも、ヨガは「心と体を繋ぐ」も大きなテーマですが、アレクサさんが自分自身との繋がりについて大事にしていることはありますか?

誰かのフリをするようなフェイクをやめること。ありのままの自分、でいることですね。自分の理想とか憧れとか、嫌われたくないとか、色々な理由で、誰かのフリをした自分を、人は好きになるかもしれない。けれど、そうすると死ぬまでそのフリをしなければいけないですよね。常にありのままの自分でいれば、その自分を好きになってくれる人が周りに集まる。誰かのフリをする必要はないから心地いいし、それってすごく幸せなことだと思います。


地球もわたしも心地いい「TO UNITED ARROWS」のウエア。

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ー11月にローンチされたばかりの〈TO UNITED ARROWS(トゥー ユナイテッドアローズ)以下、トゥー〉は、こういったヨガからインスパイアされたレーベルですが、初回のビジュアルモデルとして選ばれたことについてどう思われますか?

〈トゥー〉のコアなメッセージとして、「WELLNESS FOR US, WELLNESS FOR THE EARTH(地球もわたしたちも健康に)」という価値観があるのですが、すごく共感する部分が多くて、嬉しかったですね。わたし自身普段から洋服や日用品、食べ物などもなるべくサステナブルなものを選ぶようにしているので、〈トゥー〉のように環境にやさしい素材やプラスチックフリー、リサイクルといったことにチャレンジしているファッションブランドとご一緒させていただくことはすごく意味のあることだと思います。もちろん、サステナブルなアイテムを選ぶこと、続けることは簡単なことではないですよね。地球にやさしいから、という理由だけで行動できる人もいればできない人もいます。だからこそ、いろいろな工夫が必要だと思っていて、その一つとして素敵なファッションでそれを実現していく、ということはすごく価値があることだと思います。

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〈トゥー ユナイテッドアローズ〉では、「ベストのために、まずはベター」をスローガンに、「環境負荷の少ない素材を使う」「在庫レス」「プラスティックフリー」「長く使える耐久性」「リサイクルによる循環」を目指したサステナブルなモノづくりを行っている。

ー実際に〈トゥー〉のアクティビティウエアを着てみていかがでしたか? お気に入りのポイントを教えてください。

「セカンドスキンのような、着ていてストレスがないウエア」をコンセプトにしているだけあって、着心地がすごくいいですね。こういったウエアはタイトに感じるものも多いですが、すごく呼吸もしやすくて、とにかく心地いい。それからハイウエストのデザインなのでお腹もしっかりカバーされているし、ブラトップもフィット感が良くて、安心して動ける。そういったプロテクション面もありながら、同時にボディラインも美しく見えるように設計されているから、着ていて自信が持てるし、ポジティブな気持ちになれるところがお気に入りです。

ーファッション性に関してはどうですか?

アースカラーがメインでシンプルベーシック。さり気なく素敵なラインが入っているなどディテールが工夫されていて、その絶妙なバランスがすごく好きですね。というのも、わたしはヨガウエアと街で着るような服をミックスするのが好きで。朝から晩まで、撮影やミーティングなどの仕事があるときも、途中でヨガのクラスに行きたいじゃないですか。でも、いちいち着替えるのが大嫌い(笑)。だから、ボトムスはヨガのレギンスだけど、トップスにはジャケットを羽織るというようなコーディネートをよくします。ジャケットを脱げばすぐにレッスンできるし、荷物も少なくなるからいいでしょう?(笑)。だから、シティウェアとコーディネートしやすいように、ヨガウエアはなるべくベーシックなものを選ぶようにしています。〈トゥー〉には、もう一つ、街とスタジオをつなぐ服としてカジュアルウェアのラインもあるのですが、そういったミックススタイルにもぴったりなラインナップが揃っているのも嬉しいですね。どちらのラインも、「心地よく自分らしくいられるウエア」というのが共通しているポイント。上質なもの、シンプルベーシックなものが好きな人におすすめです。

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カジュアルウェアのラインでは、リサイクル糸「リカバー」を使用したブランド〈チノ〉(左)や、環境負荷に配慮したフィンランド発の革新的なセルロース繊維「Kuura」を世界で初めて使用したブランド〈ザ・リラクス〉(右)とコラボレーション。


「地球と繋がる」サステナブルライフのはじめかた。

ーヨガには、地球との繋がりを大事にする考え方もありますよね。いまサステナビリティというキーワードが注目される中で、〈トゥー〉も地球環境のために日々チャレンジを続けています。アレクサさんがサステナブルな生活を目指す上で、気をつけているポイントや過ごし方のコツはありますか?

とにかく完璧を目指さない、に尽きますね。わたしも環境について学びはじめたときは、全てのことをパーフェクトにしようとしてしまって、ものすごくストレスが溜まってしまったんです。あれもダメ、これもダメ、と。それで続かなくなってしまうのでは意味がないですよね。

ー〈トゥー〉のコンセプトも「CHOOSE BETTER FOR BEST(ベストのために、まずはベターを)」という考え方がありますよね。

そう! 企業も人も、そのときの状況や体調、好みはそれぞれだから、いま自分ができるベターチョイスでいいと思うんです。

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ー例えば、わたしたちがすぐできそうなベターチョイスはどんなものがありますか?

飲み物はマイボトルを持参する、というのはすごくベーシックなことですが、例えば水のボトルは持っているけれど、コーヒーのマイタンブラーは持っていない、なんてことはよくありますよね。そんなときにコーヒーを注文するなら、わたしの場合、プラスチックのフタなしで紙コップだけもらいます。こぼさないようにしながら、そ〜っと飲むんですよ。完璧ではないけれど、ちょっとベターな選択だと思いませんか?(笑)

ー確かに(笑)。完璧にできる少数の人よりも、ベターな選択ができる人がたくさん増える方が地球にとってもやさしいですよね。

最近、東京でも新しいビルはみんなウォールグリーン(壁面緑化)を取り入れていますよね。サステナブルなエキスポへ行ったときも、たくさんの日本の化粧品会社が詰め替え用のレフィルを用意していて、これもちょっと前までは当たり前ではなかったこと。完璧ではないけれど、みんな少しずつベターにトライしているのを見て、すごく嬉しくなりました。

ー今日は、いろいろなキーワードが出てきましたが、ヨガを通して見えてきた心と身体、人と人、地球とわたしたちを繋ぐキーワードとして、環境はもちろん、わたしたち人間にとっても心地良く健康的に生きていくために「サステナビリティ」という考え方が改めて欠かせないものだと感じました。最後に、「サステナビリティ」を一人ひとりが取り入れていく上で、アレクサさんから読者の方へメッセージをお願いします。

最近、環境科学も勉強しているのですが、気づきとしていちばん学びになったのは、「これはYES・NO や白か黒かという簡単なものではない」、だから「いつもその中間にトライすればいい。あなたのベストを尽くせばいい」という教えでした。ヨガの哲学でも「ベターにトライする」とよく言いますが、サステナビリティを実現する上で、これがいまいちばんわたしたちにとって必要な考え方なのかな、と思います。

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PROFILE

ALEXA(アレクサ)

ポーランド出身のファッションモデル。日本とハワイを拠点にモデル活動を行う。2007年15歳で初来日してから大の日本好きに。現在、日本在住8年。ポーランド語、英語、日本語を話すトリリンガル。自身もヨガインストラクターの資格を持ち、ビーガンの食生活、環境に配慮したライフスタイルを送りながら、サステナブルなメッセージを日々発信している。

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