
ヒト
2017.09.07 THU.
復職したばかりのママスタッフに聞く仕事と子育ての相乗効果。
「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング 京都店」勤務の森口麻未さんは、1歳の女の子のママであり、2ヶ月前に育休から復職したばかり。現在、時短勤務で働く森口さんのリアルな生活や仕事に対する想い、接客におけるママの強みなどを探ってみましょう。
Photo:Kousuke Matsuki
Text:Junko Amano
仕事をしている時間があるから子育ても楽しくなる。
―復職する時期は決めていましたか?
森口:はい。実は妊娠する前から4月出産を狙っていました。赤ちゃんの時はできるだけ一緒にいたいし、母乳もあげたいし。幸い、計画通り4月に出産でき、丸1年、フルで子育てでき、4月入園で1ヶ月の慣らし保育を経て、5月に復職しました。
―職場復帰するにあたり不安はありましたか?
森口:育休中は「戻ったらどうなっちゃうんだろう。やっていけるかな」って、すごく不安でした。でも、実際、復帰してみたら、なんとかなるものですね。もちろん、まだまだ新米ママなので、慣れないことが多くて。仕事と育児の両立のなか、自分のことはほとんど後回しでなかなか時間が取れません。少し前から離乳食を食べさせるようになったのですが、子どもの離乳食を作って食べさせるのが精一杯で、当初は自分の晩ご飯まで手が回らなくて。最近は朝に作り置きをしておいたり、もしくはランチ大盛り作戦で乗り切っています(笑)。『仕事と子育ての両立って大変ね』って言われますが、仕事が大好きなんです。仕事で疲れて帰っても、子供の笑顔を見たら癒やされますし、逆に夜泣きがすごい時は次の日、仕事に行くと仕事モードで気持ちも切替えられます。子供と離れている時間があるからこそ、一緒にいる時がさらに愛おしく思えます。
よりお客さまの立場に立った接客を心がけるように。
―ママになり、接客の仕方で変わったことがありますか?
森口:母になり、時間が限られる中、接客する際も、お客さまの貴重な時間をいただいていることを実感するようになりました。なんでもネットで買える時代にわざわざ店に足を運んでくれることのありがたさは、自分が一旦職場を離れ、いち消費者になったからこそよりわかったことです。また、〈グリーンレーベル リラクシング〉が各エリアにあるように京都店としてお店を構え、地域のお客さまを任されているという使命感もより強くなりました。
―子供服を扱う〈グリーンレーベル リラクシング〉だからこそママであることが強みになることはありますか?
森口:京都店はイオンモール内にあり、小さいお子さま連れのお客さまが多く、「私も子どもがいるんですよ」と、お話すると、お客さまとの距離がぐっと縮まりますね。お子さまのギフトをお探しの方にも、自分の経験を交えて商品をオススメすると、信頼度があがりますし。〈グリーンレーベル リラクシング〉は、スーツをお探しの方もいれば、オフの日の服を買いにいらっしゃる方もいたり、さまざまなライフスタイルにピッタリとフィットした自分らしい何かがみつかるブランドです。これまでも、お客さまのライフスタイルをイメージして提案していますが、妻になり、母になり、より多くのお客さまの立場に立って洋服選びをサポートできるようになったと思います。
―逆に出産前から変わらない接客ポリシーはありますか?
森口:〈グリーンレーベル リラクシング〉のコンセプトである”Be happy”を大切に、洋服の購入体験を通じてワクワクドキドキしていただける接客を心がけています。いつもの自分とちょっと違った新たな発見をしていただきたいと思っていますし、実際に、お客さまから「森口さんに新しい世界を教えてもらって感謝しています」と言っていただいた時は嬉しかったです。
スタッフに助けられ、みんなに育ててもらっています。
―後輩に対しての指導は出産前と後で変わりましたか?
森口:今は時短だし、子供が病気になって急に休んだり、早退することも多いので、いつも申し訳ない気持ちでいっぱいです。出産前にウィメンズの責任者をしていましたが、復職当初は、後輩に指導することをためらってしまったこともあります。でも最近、それは別の話だと気づき、先輩として後輩に伝える役割は果たさなくてはいけないと思っています。〈グリーンレーベル リラクシング〉は全国各地にある店舗で行動規範や価値観にブレがないよう、しっかりとしたブランド独自の研修制度があります。東京の本部オフィスでの研修で、教育にあたっての知識とスキルを習得できるので、後輩に指導する際、自分の経験や判断だけに頼るのではなく、会社やブランドの方針として自信を持って指導できます。
―働くママに対してユナイテッドアローズの制度はどう思いますか?
森口:子育て中のママ社員に対して理解のある会社で感動しています。昨年、会社の制度が変わり、時短社員の勤務時間が週30時間以上から週20時間以上に変わったんですが、この10時間はママにとっては大きいですね。
―周りのスタッフとの関係に変化はありますか?
子どもが小さいため、保育園からの急の呼び出しがすごく多く、上司や同僚、後輩、店舗のみんなの理解には感謝しかありません。
―実際、一緒に働くスタッフは森口さんのことをどう思っているのでしょうか? まずは後輩である山本修己さんにきいてみましょう。
山本:いつもキラキラしていて、森口さんがいると店内が明るくなります。仕事に追われ、煮詰まった感じになった時も森口さんが「楽しんでやろー」っていう空気を作ってくれています。
―復帰後の森口さんは変わったと思いますか?
山本:変わらないですね。早起きして、お子さんを保育園に送って、仕事して、家に帰って家事をして・・・。時短とはいえ、フルタイムのぼくらよりしんどいはずなのに、産休前と変わらず、森口さん自身が仕事をすごく楽しんでいるのがわかります。
休憩時間にはスタッフ同士でランチも取ることも多いそう。左が時短社員の先輩でもある金井さん、右が後輩にあたる山本さん。
―次に話をうかがったのは、現在16歳のお子さんがいて、なんとユナイテッドアローズ社で初めて時短制度を利用したスタッフだという金井章代さん。金井さんが時短社員第1号になったきっかけは?
金井:私は2001年に出産したんですが、その頃私は時短社員なんて発想はなく、産後すぐに復職か退職か・・・の選択肢しか考えてなかったんです。たまたま人事部に知り合いがいて、「〈グリーンレーベル リラクシング〉関西2店舗目がオープンするので、時短制度を利用してそこで働かないか? 」という打診があって。実際、復職しても、ルールがあるわけでもないので、会社も私も手探りで。働いているなかでいろいろ決めたことは多いですね。
―時短の先輩として森口さんを見ていてどう思いますか?
金井:責任感が強いから、無理をしたり、周りに申し訳ないと思っているのがわかる時があります。自分もそんな時があったな・・・と思うし。森口さんの時短社員としての働き方がこれからの制度を作る基準になっていくだろうし、将来の時短社員のためにも無理をせず、胸を張って仕事をしてほしいです。
目標に向かってチャレンジをしながら、その先に素敵な母になれていたらいいな。
―最後に、仕事に対して今後の目標や夢はありますか?
森口:一つの店舗で家族みんなが買い物できるのが、〈グリーンレーベル リラクシング〉のいいところなので、ファミリーの顧客さまを増やしていきたいですね。そして、お客さまや店舗スタッフをはじめ、社会とつながることで、自分も成長したいし、輝く女性を一人でも多く増やしたいです。それが日本の元気な未来のために役立つと思っています。
INFORMATION
PROFILE

森口麻未
2008年入社。ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ディアモール店(現在は閉店)、三番街店を経て、京都店に異動。ウィメンズ責任者を経験し、2016年2月より産休に入り、4月に出産。2017年5月より復職。接客ロールプレイングコンテストで全国大会に出場経験も。