ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

モノ

2022.09.15 THU.

“沸き立つ”サウナブーム。「グリーンレーベル リラクシング」と「サウナボーイ」のととのうコラボグッズ。

近頃では、ブームを超えたカルチャーとして根付きつつあるサウナですが、そもそもバリエーションに富むサウナや銭湯はその地域が誇る立派なレガシー。〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉(以下GLR)が推進する、地域の魅力を掘り下げるプロジェクト“THINK LOCAL”との相性は抜群です。そんなサウナをテーマにして今回発売されるのが、匿名のクリエティブ集団が立ち上げたブランド〈サウナボーイ〉とのコラボレーショングッズ。今回のプロジェクトを手掛けた〈GLR〉の販売戦略部の田渕 翔平さんに、プロジェクトの過程やグッズ詳細ほか、素晴らしきサウナライフについて伺いました。

Photo:Tomoaki Shimoyama
Text:Shinri Kobayashi

“ちょっとだけ”サウナ、
という絶妙なさじ加減。

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ーまずは、今回のコラボレーションの経緯や〈サウナボーイ〉との繋がりについて教えてください。

わたし自身がおよそ3年前からサウナにハマっていたこともあり、〈サウナボーイ〉のインスタグラムや商品はずっと拝見していたんです。手帳に貼ってあった〈サウナボーイ〉のステッカーを見た同僚が〈サウナボーイ〉の関係者とご縁があるよと教えてくれて、そこを皮切りに本気でコラボレーションしたいとご相談して、この企画が実現しました。

ー田渕さんから見た、サウナの魅力はなんでしょうか?

デジタルや情報から離れて、五感を取り戻せることだと思います。サウナの熱さや水風呂の冷たさ、外気浴で得られる多幸感、そのあとの食事のおいしさなど、体の感覚が研ぎ澄まされることで心身共にリフレッシュできるのがサウナの魅力だと思います。

ーでは、サウナにハマったきっかけはなんだったのでしょうか?

はっきりとは覚えていないのですが、テレビのサウナ特集を観ていたら、すごく疲れが取れると耳にしまして。そのときちょうど疲れが溜まっていたこともあり、なんとなく行ってみたら、そこから沼にハマっていった感じですね(笑)。

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ーサウナを好きな人が作ったサウナグッズというのは期待値が高まりますが、今回のコラボレーションアイテムを製作するにあたって設定したテーマはありますか?

“大人のサウナボーイ”です。サウナブームは若い方や女性へ広がったことで大きなムーブメントになってきていると感じますが、もともとはわたしやまわりの友達のように30~40代くらいの男性が多かったんです。そんな我々からすると、サウナに行くときに関連するグッズを持ちたいけど、おおっぴらだと少し恥ずかしい気もしてしまうんですよね(笑)。そういったサウナーの方々に向けた、気軽だけどおしゃれに着られる、“ちょっとだけ”サウナ要素を忍ばせた商品を作りたいと思ったのがスタートです。

ー“ちょっとだけ”サウナに関連するというポイントがすごく共感できます。このあたりはご自身の経験が反映されているんですか?

もちろん個人差もあると思うのですが、30〜40代であからさまに「サウナーです」とアピールするのは、個人的にちょっと気恥ずかしい。でも、サウナに行くときくらいは、さり気なくなにかしらサウナーの要素があるといいなと。これまで、そういったアイテムは意外になかったのと、〈GLR〉のお客さまのファッション観としても、“さり気なく”や“ちょっとだけ”という嗜好をお持ちの方が多いので、ファッションとサウナの要素を掛け合わせて楽しめる商品を目指しました。

ー思い切りアピールするのではなく、忍ばせるくらいが大人のファッションにはちょうどいいかもしれませんね。そういう点では、サウナのときだけでなく、日常的にも使えそうです。

そうですね。スタートはサウナー向けでしたが、結果的に若い方や女性含めたジェンダーや年齢層に関係なく、幅広い層に楽しんでいただける仕上がりになったと思います。


“好き”をベースにした、
各アイテムへのこだわり。

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ーでは、アイテムについて詳しく教えてください。まず全体のデザインの特徴は?

全商品について、ネイビーやホワイト、そして我々のブランドカラーでもあるグリーンをキーカラーに設定しました。

ー個別のアイテムについてですが、サ法Tシャツはバックプリントのイラストがユニークですね。

「サウナに入る前に体を洗ってください」「水分補給を忘れないでください」など、一種のサウナマナーのような“サウナの入り方=サ法”を解説したものを〈サウナボーイ〉にイラストとして描き起こしてもらい、プリントしました。

ー胸元の刺繍ロゴが印象的なナイロンブルゾン&パンツは?

サウナの行き帰りは、できればリラックスできる格好がいいんです。なので、リラックスできる2素材のセットアップにしました。それぞれネイビーの1色展開で、いまっぽいサイズ感でだらしなくなりすぎないように、ファッション要素を踏まえつつ、且つ刺繍を施したロゴは目立ちすぎないよう配色に気を配りました。

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ー〈サウナボーイ〉のロゴ入りタオルは、東北コットンを使用されているそうですね。

そうなんです。〈GLR〉が東日本大地震後に各企業にお声掛けして生産している、メイドイン東北のコットンを使っています。ふかふかで非常に品質の高いタオルに仕上がりました。今回のコラボレーションでぜひともやりたかった別注ロゴは、カラーを〈GLR〉のテーマカラーであるグリーンに。さらに、〈サウナボーイ〉さんのアイデアで「ボ」の濁点が〈GLR〉のマークになっており、このコラボレーションを象徴している点だと思います。

ー気づくか気づかないくらいでロゴに変化を加えるというのが、ニクいですね。ナイロンバッグも使いやすそうです。

タオルやサウナハット、着替えなど、サウナに行くときの持ち物がちょうどよく入るサイズに調整しました。手持ちとしても使えますし、手ぶら派のためにショルダーストラップもつけたので、肩掛けもできます。

ー日常使いとしても、違和感がないですね。その他のアイテムについても教えてください。

ステッカーは携帯電話やPC、手帳などに貼っていただくのにちょうど良いサイズの別注ロゴで作りました。ポーチはサウナハットやコスメなどを収納する位置付けです。カラフルなタイプの柄はオーロラを意識しています。モーテルキーは、今回のコラボレーションのロゴをメインで使用しました。キーと文字の色の組み合わせを楽しみつつ、バッグに取り付けるなどキーホルダーとして使っていただければと。

コインケースは、銭湯やサウナ施設などでは小銭が必要なケースが多いので、サウナーの必需品です。本体の色が白には「サウナ」、青には「水風呂」、緑には「外気浴」とプリントしてあるので、全部集めてもらえると嬉しいです。もちろん、使いやすい黒も用意していますので、そちらもぜひ(笑)。

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ーどんな方々に手に取っていただきたいですか?

サウナーの方々はもちろんですが、このアイテムを入り口にサウナに興味はあるけどなかなか行くきっかけがない方の後押しになればと。また、女性の方が着ても可愛いので、男女問わずサウナに興味のある方すべての方に着ていただきたいです。

ーコラボレーションを振り返ってみて、思うことはありますか?

とても刺激的で勉強になりました。自分の好きなものを仕事に活かす、またとない機会でしたので、楽しく進めさせていただきました。本来はVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)という店頭ビジュアルを作る役職なので、“一からモノを作る”ということに対して不慣れなわたしと一緒になって進めてくださった、お取引先さまや関連部署の皆さんにも本当に感謝しています。

ー普段のVMDのお仕事とは違い、製品を一からつくり上げたことで、本来の業務に対してなにか気づきはありましたか?

いちばん感じたのは、やはりモノづくりとして、誰に向けて、何のために作るのか、つまり誰にとって何の価値があるのかということをちゃんと意識しないと、最終的に売り場に落とし込んだときに、お客さまに伝わらないということ。なんとなくや漠然とではなく、軸がしっかりしていないと本来の企画意図とは違うカタチでアウトプットされてしまうことも起きてしまうと思いました。


サウナを入り口にした、
ローカルの楽しみ方。

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ーサウナに持っていくと活躍する、おすすめアイテムを教えてください。

施設によってはNGな場所もあるのですが、サウナハットはやはり便利で、髪の毛を乾燥から守る役割と熱さによるのぼせを防ぐ役割があります。素材は手洗い可能なポリエステル。もともと主流だったのはウールのフェルトでしたが、最近はいろいろな素材が登場しています。このコラボレーションアイテムは”ファースト・サウナハット”として自信を持っておすすめできる仕上がりになったと思います。これは余談ですが、サウナに行くとハットが個性豊かで面白いので、ぜひ注目してみてください(笑)。

ーこのサウナハットをかぶっている人がいたら、すごく親近感がわきそうです。

最初にお話しした通り、今回のコラボレーションは自分の手帳に貼ってあった〈サウナボーイ〉のステッカーがきっかけです。企画を手掛け、〈GLR〉の社内にもたくさんのサウナーがいることが判明しました。実は僕も、わたしもって。サウナやサウナグッズは、そういったコミュニケーションツールとしても有効なんだなと感じました。

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ーサウナといえば、「ととのう」ですが、田渕さんが考える「ととのう」とはどんなものでしょうか?

サウナに入る過程で多幸感やサウナ後の食事をおいしく感じるのもサウナの魅力のひとつです。サウナを通じて鈍った感覚を取り戻して身体の状態を整えることで、思考もリセットされて、結果的に、忙しくて知らず知らずのうちに重くなってしまっている気持ちも前向きになることが多いですね。

ーサウナ初心者におすすめのサウナがあれば、ぜひ教えてください。

基本的にはすべてのサウナが初心者にもやさしく、おすすめなので絞るのは難しいですが…、最近わたしがよく行っているのは、西荻窪の「ROOFTOP」です。屋上に設置されたサウナも質が良く、外気浴もできるのが最高なんです。とはいえ、まずは自分の身近にあるサウナに入っていただくのが良いかと。いろいろなサウナに入ることでサウナや水風呂の温度、外気浴スペースの有無や食事など、自分の体の状態や好みにあった施設を見つけることができると思うので、ぜひたくさんの施設を経験して欲しいです。

ーいろいろなサウナを巡ることで、そのエリアの魅力を知ることも、「THINK LOCAL」の考えに繋がりますよね。

そうですね。地方のサウナに行くこともあるのですが、その土地の美味しいものや地ビールを堪能することも楽しみ方のひとつです。もともと銭湯やサウナもそのエリアと紐づいたものですし、場所によって個性があるので、サウナを入り口にしてローカルの魅力を堪能して欲しいですね。

PROFILE

田渕 翔平

2011年グリーンレーベルリラクシング 熊本店に入社。 九州エリア4店舗を経験し、うち3店舗で店長を歴任。 2020年にオフィスへ異動後、主に店舗のVMDを担当している。

JP

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