ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ユナイテッドアローズ社が新たに展開する、韓国ライフスタイルセレクトショップ「NICE WEATHER」とは。

ウツワ

2025.05.22

ユナイテッドアローズ社が新たに展開する、韓国ライフスタイルセレクトショップ「NICE WEATHER」とは。

キャッチーなロゴや、ハイセンスなグラフィックをあしらった個性溢れるデザインで、若年層を中心に人気を集めている韓国発ライフスタイルセレクトショップ〈NICE WEATHER(ナイスウェザー)〉。ユナイテッドアローズ社(以下、UA社)は、その日本国内独占販売権とライセンス権を取得し、2025年4月より、日本初出店及びブランドサイトを開設しました。ローンチを皮切りに、今後は日本独自の商品企画や仕入れも予定。今回〈NICE WEATHER〉本国チーム CNP 社長・Lo Seunghoon氏、NW ゼネラルマネージャー・Kim Sangsun氏が来日。〈NICE WEATHER〉のコンセプトをはじめ、UA社と協業することになった経緯、今後の展望についてなどを伺いました。

Photo:Takehiro Sakashita, Satoru Moriwaki
Text:Shoko Matsumoto

コンビニからはじまった、“日常の小さな幸せ”というアイデア

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-〈NICE WEATHER〉のはじまりや、コンセプトについて教えてください。

Lo「25年ほど前、僕はサッカー選手として日本に合宿で来て、初めてコンビニに触れました。食べ物から日用品まで、あらゆるものが整っていて、“ライフスタイルを販売している場所”だと感じたんです。消費者としての満足感や日常の小さな幸せを、そこから実感しました。そんな日常の幸福感と“良い天気”が持つ気持ちよさが重なって、〈NICE WEATHER〉というブランド名が生まれました。食だけではなく、健康やITなどのコンテンツも取り入れた“コンビニ2.0”として、ライフスタイル全体を提案していきたい。最終的には、ミニ百貨店のような形に進化させる構想です。世界観を形づくっていく中で、ヘルス&ビューティにも可能性を感じ、今は、“ミニ百貨店”と“ヘルス&ビューティストア”という2つの方向性で展開を進めています。」

画像 CNP 社長・Lo Seunghoon氏

-韓国ではどういった方が愛用されていますか? 人気のアイテムがあれば教えてください。

Kim「メインは10〜20代ですが、韓国カルチャーやライフスタイルに関心のある30〜40代の方々にも広がっています。様々なカテゴリーの人たちが集まれる空間になることが、このブランドの本質であり使命だと思っています。アパレルラインでは、“Nice”のグラフィックを使ったボールキャップやTシャツが特に人気ですね。」

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シナジーの可能性と文化の架け橋に

-今回、UA社と協業することになった経緯を教えてください。UA社は、〈NICE WEATHER〉の強みはグローバルな視点でのビジネススキルに加え、若さとクリエイティブティさによる可能性や将来性を感じているようです。

Kim「ちょうど日本市場への進出を考えていたタイミングで、伊藤忠商事さんからお声掛けいただきました。その中で、UA社との協業のお話があり、僕たちの創業メンバーも〈BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ)〉のことを深く研究していたので、すごく良いご縁だと感じました。海外事業については、アメリカなどでの展開を経験したうえで、“現地で一番上手く経営しているパートナーと組む”のが学びも大きく効率的だと確信しています。UA社の実力や実績はよく理解していましたし、今回一緒にやれることに、とても感謝しています」

画像 〈NICE WEATHER〉 ゼネラルマネージャー・Kim Sangsun氏

-ユナイテッドアローズに、どんなシナジーを期待していますか。

Lo「僕たちのチームは日本のファッションが好きで、特に〈ユナイテッドアローズ〉に憧れていました。日本で最大規模の展開をしている企業と組むことで、日韓の文化をつなぐ架け橋になれたら嬉しいです。お互いプライベートブランドを持っているセレクト業態という共通点はあるけれど、それぞれが得意としている領域やノウハウは異なると思っています。だからこそ、商品企画やコンテンツ作りにおいても補完し合えるし、新たな顧客層にもアプローチできると期待しています」

  • 日本での初出店となったNICE WEATHER 阪急うめだ本店
-LAへの出店のお話を伺いました。今後の海外展開への想いも聞かせてください。

kim「〈NICE WEATHER〉が注目されるようになった理由のひとつは、K-POPアイドルたちがアイテムを愛用してくれたこと。そしてSNSでの拡散や、日本の雑誌や観光系の冊子で取り上げられたことも大きかったと思います。今年の後半には、ロサンゼルスでポップアップを開催予定です。ほかにも、タイやベトナムとの商談も進行中。今後さらに海外での展開を広げていく予定です」

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-おふたりは日本がお好きだと伺いました。どんなところが好きか教えてください。

Lo「僕は1985年生まれで、同世代の中でも特に日本のカルチャーに憧れて育ってきました。アニメや映画、ドラマ、どれも影響を受けています。ファッション面では、〈ユナイテッドアローズ〉はもちろん、〈TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.〉や〈visvim〉、が好きで、映画に出ていた俳優さんのファッションにも強く影響を受けました。ストリート系のファッションが好きなのもあり、藤原 ヒロシさんや野村 訓市さんにも影響を受けています。自分にとっては、アナログとハイブリッドの両方からカルチャーが育まれてきた感覚ですね」

Kim「僕は子どもの頃からアメリカで暮らしていたので、直接的な経験は少ないですが、『ドラゴンボール』や『スラムダンク』といった日本のアニメは韓国でも大人気で、よく観ていました。Loさんを通して、日本のファッションの歴史を学び続けています」

日韓の交流を生み出す“エナジーストア”を目指して

-今後はビューティに力を入れていきたいとのことですが、その理由は何ですか。

Lo「韓国や日本だけでなく、アメリカや東南アジアでもビューティコンテンツの市場規模は大きい。グローバルな視点で見ても、無視できない分野だと思っています。だからこそ、今後はプライベートブランドの商品も増やしていく予定です。現在は〈NICE WEATHER〉のメンズラインで洗顔などのスキンケアを展開予定ですが、レディスラインとして新しいブランドを2つ立ち上げる準備もしています。スキンケアを中心に構成していく予定です」

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-日本で〈NICE WEATHER〉をどんなブランドにしていきたいですか。

Lo「Kカルチャーを思い浮かべたときに、真っ先に〈NICE WEATHER〉が頭に浮かぶような存在になりたいです。〈ビューティー&ユース〉のように、コンセプトが明確なセレクトショップとして育てたい。また、日本のローカルアーティストとの交流やコラボレーションも積極的に進めていきたいです。韓国のブランドディレクターの仲間も多いので、そうしたリソースを活かして“エナジーストア”として展開していけたらと考えています。また、日韓の交流を生み出すことが大きなエネルギーになると信じているので、日本でも韓国でも、どちらでも頑張りたいと思っています」

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-最後に、日本のファッション好きな方へメッセージをください。

Lo「僕たちの世代は、日本を見ながらファッションを学んできました。韓国のファッションディレクターの8〜9割は、日本の影響を受けていると思っています。だからこそ、日本の若いファッション好きな人たちにも、〈NICE WEATHER〉がポジティブな影響を与えられたら嬉しいです」

Kim「〈NICE WEATHER〉は日本ではまだ知名度が高くないかもしれませんが、その世界観をできるだけ多くの人に経験してもらいたいです。変化が早く、新しい発見があるブランドなので、そういった点も楽しんでもらえたらと思います」

PROFILE

Lo Seunghoon

Lo Seunghoon

1985年、ソウル生まれ。2012年にCNPを創業し、その後「バッドファーマーズ」や「アワーベーカリー」など、20を超えるF&Bブランドを企画・運営。2020年にはリテールコマース分野に進出し、「ナイスウェザー(NICE WEATHER)」を設立。現在はナイスウェザーのCEO兼ディレクターとして、デザインおよびコンテンツ全般を統括している。

Kim Sangsun

Kim Sangsun

1985年、ソウル生まれ。CNPの共同創業者の一人。CNPでは事業開発およびブランド運営を担当し、ノ・スンフン代表と共にCNPを牽引してきた。ナイスウェザー(NICE WEATHER)の設立にも初期から関わり、現在はCOO(最高執行責任者)として活動している。

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