ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

地元カフェと紡ぐ絆。「グリーンレーベル リラクシング」×「オソラカフェ」の想いが詰まったコラボレーション。

ウツワ

2025.05.27

地元カフェと紡ぐ絆。「グリーンレーベル リラクシング」×「オソラカフェ」の想いが詰まったコラボレーション。

地域に根付いた店舗づくりとブランドが大切にする概念を提案する「THINK LOCAL」プロジェクト。今回は、〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉(以下、GLR)西宮ガーデンズ店の大川 勝伍さんが、自身の母親が経営する大阪にある「オソラカフェ」とのコラボレーションを企画し、特別なアイテムを生み出しました。青果店から生まれ変わった温かみあるカフェと、日常に彩りを添えるブランドの想いが重なり合う特別なストーリー。地域に根差した魅力を発信する「THINK LOCAL」の背景に迫ります。

photo:Shunya Arai
text:Daiki Yamazaki

洋服の世界を通じて、実家のカフェを盛り上げたい。

ーはじめに、ユナイテッドアローズへの入社のきっかけを教えてください。

元々洋服が好きで、特にユナイテッドアローズで購入することが多かったんです。当時担当していただいたスタッフの皆さんの働いている姿に憧れて、洋服の世界に挑戦してみたいと思ったのがきっかけです。入社して〈GLR〉に配属が決まりました。中途として入社してから3ヶ月間ほど西宮ガーデンズ店で勤務し、その後なんばパークス店に移り約5年間勤務しました。そして、現在は西宮ガーデンズ店に戻り、今に至ります。

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ー今回、THINK LOCALの企画に提案されたきっかけをお聞かせください。

私が専門学生になる前に、母が「オソラカフェ」をオープンしました。母が頑張っている姿を見ていたので、このカフェをよりたくさんの方に知ってほしいという想いがずっとありました。店内で働くというよりは、何かしら関わりたい、一緒に盛り上げたいなという気持ちが強かったんです。ちょうどその時に「THINK LOCAL」の存在を知って「これだ!」と思ったんです。企画のコンセプトも、自分の想いに当てはまっていました。

画像 大阪市 御堂筋線 西中島南方駅より徒歩1分にある「オソラカフェ」
ひさしに使用しているテントのような生地は、本来台湾で別の用途で使われているものを職人によってひとつひとつ曲げて屋根のような形に加工している。

ーどのように社内に提案されたのでしょうか?

「THINK LOCAL」は、当時の難波パークス店の店長に教えていただき、社内企画へ応募することに決めました。店長に手伝っていただきながら企画書を作成して応募しました。お店のスタッフには最初に挨拶する際の手土産に実家のフルーツサンドを持って行っていたので、スタッフには実家がカフェであることは周知されていました。それもあって店舗スタッフの皆さんからも背中を押していただきました。


ー2年間、コンスタントに打ち合わせをしながら進めたのですね。

そうですね。長い時間打ち合わせをしました。企画書を出した翌年の秋ごろにお話をいただき、そこから本格的な打ち合わせが始まりました。

  • 青果店時代の物や雰囲気を残しつつ、全体的なコンセプトにも掲げている「非日常感」を味わえるような内装。店内は、茶色を基調に「オソラ」の青色を所々に入れ込んだカラーに。

世代を超えて愛される両者のコラボレーション。

ー大川さんが思う「オソラカフェ」の魅力を教えてください。

一言で言うと「ホッとできる空間」です。近所の方はもちろん、遠方からのお客様も沢山きてくださいます。母も気さくに喋るタイプなので、メニューだけでなく、第二の家、第二のお母さん、となり得るところが魅力だと思います。常連のお客様も多くいます。もともと青果店を改装して9年前にカフェがオープンしました。昔は周りが商店街で、商売っ気のある街だったのですが、今は唯一の生き残り店です。僕も地元なので、よく友達が来ていました。

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ーお店のロゴが特徴的ですが、どなたがデザインされたのですか?

母親の知り合いの「AMISIKI」さんというイラストレーター方です。僕は今回のプロジェクトをきっかけに知り合いました。今はオランダ拠点で活動していらっしゃいます。お店のロゴは、お客様に季節感を感じていただけるよう、季節によって柄が変わるようになっています。桜やイチョウ、クリスマスなど、その時々で変えています。

ー「オソラカフェ」と〈GLR〉、それぞれのお客様層に共通点はありますか?

両方ともファミリー層が多いです。カフェには小さなお子様連れのお母さんがよく来られますし、〈GLR〉もファミリー層のお客様に支持されています。だからこそ、今回のコラボアイテムもどちらのお客様にも喜んでいただけるよう、世代を超えて着用できるデザインとサイズ展開にこだわりました。

ーコラボレーションを通じて新たに気づいたことはありますか?

企画を進めていく中で、ブランドとカフェという異なる業種でも、「お客様に喜んでいただきたい」という根本的な想いは同じだということを実感しました。また、地域に根差した小さなカフェと全国展開するアパレルブランドが手を組むことで、新たな視点や可能性が生まれることも発見でした。
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フルーツトーストやサンドは季節によって旬の果物を使用。青果店時代の経験も活かして、質の良いフルーツ選びにこだわっている。

ー〈GLR〉のスタッフさんたちの反応はいかがでしたか?

とても好意的でした。特に西宮店のスタッフは、地元のカフェとのコラボということで親近感を持ってくれました。実際に「オソラカフェ」に足を運んでくれるスタッフも増えて、地域とのつながりが深まったように感じます。

使う人を選ばないデザインのコラボアイテム。

ー今回の「オソラカフェ」とのコラボレーション商品のこだわりを教えてください。

カフェも〈GLR〉もファミリー層のお客様が多いので、幅広い年代の方までキャッチーで可愛く使えるもの、という点を意識しました。リンガーTシャツにした意図はその部分が大きいですね。「オソラカフェ」のロゴは残したいという思いから、パッと見た時にわかりやすいようなデザインを心がけました。

画像 ステッカーはTシャツと同じいちご柄と「オソラカフェ」のロゴ。スマホケースに入るサイズというところがこだわりポイント。

「オソラカフェ」のロゴをフロントに大きく載せる案もありましたが、今回は後ろにちょこんと載せるのが可愛いかなと思い、このデザインにしています。フロントのイラストはカフェのロゴをデザインしていただいているAMISIKIさんに描きおろしてもらい、「REFRESH  YOURSELF」というコピーには、一息つこう、という今回の企画に合わせたメッセージを込めてデザインしてもらいました。更に、元々カフェで販売していたお菓子やジャム、コーヒーをグリーンレーベルのPOP UP店舗とカフェで販売します。

画像 イラストレーター「AMISIKI」さんが手がけた「オソラカフェ」のロゴ。

<AMISIKI (アミシキ)>
大阪府出身、オランダ・デンハーグ在住のグラフィックデザイナー兼アーティスト。
自身のアートワークを中心に、ブランディング、ロゴ、パッケージデザイン、商品開発、空間デザインなど、幅広いクリエイティブ活動を展開している。大阪ではバンドのドラマーとしても活動しており、音楽から多くのインスピレーションを得ている。

ーカラーもカフェの雰囲気とも合っていますね。

はい。カラーはディレクターに相談させていただき、木目調やブラウンを基調とした店内に合うよう仕上げました。いちごのプリントも、ユニセックスで着用いただけるようにあえてブラウンで統一しています。サイズもユニセックスで着ていただけるように展開しているところもポイントです。また、当時西宮ガーデンズ店にいた体格の良いスタッフも着れるといいな、という想いもありました。

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ーランチバッグもフルーツサンドにピッタリですね。

そうなんです。フルーツサンドはテイクアウトのお客様が多く、紙袋に入れてお持ち帰りいただくのですが、もっとおしゃれで実用的なものがあればという思いから作りました。テイクアウトでもセット販売ができますし、持ち運びにも重宝していただけると思います。

ー完成したアイテムをご覧になっていかがですか?

想像以上の素敵なアイテムになりました。かっこいいですし、可愛く、キャッチーに仕上がっています。幅広い世代に、色味も含め、ユニセックスで着用いただけると思います。

地域に根差した企業活動の大切さを伝えたい。

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ー最後に、THINK LOCALのプロジェクトを通して伝えたい想いや抱負を教えてください。

このような地域密着型の企画を更に〈GLR〉の社内に広めたいです。〈GLR〉で働いていると「都会」という広い視点で物事を見がちですが、もっとローカル目線で、地域に根付いた企業活動の大切さを感じています。
〈GLR〉のお客様、「オソラカフェ」のお客様・ご近所の皆様にお互いを知っていただくきっかけを作れるようなことを今後も大切にしていきたいと考えています。このプロジェクトをきっかけに、地域と企業、人と人をつなぐ新たな価値が生まれることを願っていますし、これからも何かの形で発信していきたいと思います。

ー今後、他の地域やお店とのコラボレーションの可能性についてはどうお考えですか?

今回の経験を活かして、ぜひ他の地域でも同様の取り組みができればと思っています。各店舗のスタッフが地元の魅力的なお店や企業とコラボレーションすることで、地域の魅力を再発見し、新たなつながりが生まれるはずです。THINK LOCALの取り組みが広がることで、〈GLR〉というブランドの価値もさらに高まっていくと信じています。

PROFILE

大川 勝伍

大川 勝伍

2019年に入社し、ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング 西宮店で勤務。その後、難波店へ約5年間勤務。現在は西宮ガーデンズ店に戻り、「THINK LOCAL」の企画提案など地元を盛り上げるべく活動中。

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