

エルエルビーン(L.L.Bean)のトートに見る、アウトドアブランドと街のイイ関係|知っておくべきブランド
いくら直幸
ブーツやトートバッグをはじめ、多くの名作を有する<エルエルビーン(L.L.Bean)>。大自然に育まれ、都市でも親しまれてきた100年以上の歩みとともに、今まさに気分ド真ん中のヒットアイテムの魅力を紐解きます。
フィールドにもタウンにも心強い
軽くて暖かいダウン&フリース、雨風を防ぎながら蒸れにくいシェルパーカ、吸汗速乾や保温に優れる高機能インナー、収納力が高くストレスなく背負えるバックパック。私たちが日常的に取り入れているこれらは、いずれも厳しい自然環境と対峙するフィールドから生まれたものばかり。そう、アウトドアの本格アイテムを街使いするファッションは近年急速に広まり、すっかり定着しました。今回ご紹介の<エルエルビーン>は、遥か100年も昔からこうした提案を打ち出してきたブランドです。
時は1911年、アメリカ・メイン州。のちに創業者となるレオン・レオンウッド・ビーンは、狩猟のため深い森へと分け入るたび、ブーツに水が浸みて足が冷たく濡れることに悩まされていました。そこで彼は、脚にフィットする編み上げ式のレザーブーツと作業用のゴム靴を組み合わせた画期的な一足を考案。これこそが現在までメイド イン メインを頑なに守る傑作、ビーンブーツこと「メイン・ハンティング・シューズ」であり、翌年に製品化したことから歴史が始まります。
以降、アウトドア向けのウェアとシューズ、バッグやアクセサリー、ギア、レジャー家具など品揃えを拡充するとともに、それらはデイリーユースにも有用であることを訴求。さらにはビジネスシャツからホームグッズ、ペット用品までを展開し、ライフスタイル全般をサポートするメーカーへと成長を遂げます。アウトドアを起点に、その基盤となる暮らしにも寄り添うスタンスは創業初期から今も変わりません。無論すべてに確かな品質が伴い、それでいて手を伸ばしやすいプライスも広く愛されている理由です。
時は1911年、アメリカ・メイン州。のちに創業者となるレオン・レオンウッド・ビーンは、狩猟のため深い森へと分け入るたび、ブーツに水が浸みて足が冷たく濡れることに悩まされていました。そこで彼は、脚にフィットする編み上げ式のレザーブーツと作業用のゴム靴を組み合わせた画期的な一足を考案。これこそが現在までメイド イン メインを頑なに守る傑作、ビーンブーツこと「メイン・ハンティング・シューズ」であり、翌年に製品化したことから歴史が始まります。
以降、アウトドア向けのウェアとシューズ、バッグやアクセサリー、ギア、レジャー家具など品揃えを拡充するとともに、それらはデイリーユースにも有用であることを訴求。さらにはビジネスシャツからホームグッズ、ペット用品までを展開し、ライフスタイル全般をサポートするメーカーへと成長を遂げます。アウトドアを起点に、その基盤となる暮らしにも寄り添うスタンスは創業初期から今も変わりません。無論すべてに確かな品質が伴い、それでいて手を伸ばしやすいプライスも広く愛されている理由です。
長年の脇役バッグから一躍主役に
多岐にわたるラインナップでも、特にファン層の厚さで知られるのがバッグコレクションです。ビーントートの愛称でおなじみの「ボート・アンド・トート」はその象徴。ボディは堅牢な24オンスのコットンキャンバス。強度と安定性を向上させるため、持ち手のベルトを側面から底面までグルリと縫い付けたオーバーラップ構造。さらに、荷重の掛かる底まわりにも生地を重ねるなど、非常にタフな作りは'65年の発売当時のまま現行モデルでも健在です。先のビーンブーツよろしく、本拠地・メイン州に構える自社工場での生産を貫いているところも真摯なモノ作りを物語ります。そして多彩なカラーとサイズ、トップファスナーの有無など豊富なバリエーションが用意されており、色や大きさ違いを買い足すリピーターも少なくありません。

加えて、ここ数年でビーントートを凌ぐ人気となっているのが、エコバッグの「グローサリー・トート」です。これまではブランド直営店のレジ横を定位置とする脇役な定番だったものの、マイバッグ持参の時世から一躍スポットライトが当たりました。オーバーラップ構造や二重仕立てのボトムといった基本仕様はビーントートと共通ながら、生地は必要十分な丈夫さと軽さを兼ね備えた11オンス(オフホワイトは10オンス)キャンバスに。柔らかいので簡単に折りたため、使わないときも携行しやすい軽快性が特長です。また、仕切りのないミニマルな内装は荷物の形状を限定せずラフに放り込めたり、内側に汚れがつきにくいよう透明のコーティングが施されていたり(オフホワイトは未コーティング)と使い勝手がよく、価格もリーズナブル。肩肘張らないヌケ感がカギとなる昨今のファッションにも合致することから、本来の用途にとどまらず休日のメインバッグとしてもズバリ気分です。
日本のトレンドや気候に合わせたタウンユース向けの新ライン、ジャパンエディションも2023年の春シーズンに始動し、こちらも注目の的。ヘリテージを重んじる老舗であると同時に現在進行形でもある<エルエルビーン>から、今また目が離せません。
日本のトレンドや気候に合わせたタウンユース向けの新ライン、ジャパンエディションも2023年の春シーズンに始動し、こちらも注目の的。ヘリテージを重んじる老舗であると同時に現在進行形でもある<エルエルビーン>から、今また目が離せません。

ファッションライター いくら直幸
人気アパレルメーカーのPRを経て、1990~2000年代に絶大な影響力を誇ったストリートファッション誌『Boon』の編集者に。現在は『Begin』『OCEANS』をはじめとするメンズ雑誌とウェブマガジンに寄稿するほか、有名ブランドや大手セレクトショップの広告&オウンドメディアなどで活動。また、日本テレビの情報バラエティ番組『ヒルナンデス!』のコーディネート対決コーナーでは審査員も務める。
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