タノシイ。けれど、ムズカシイ。
悩みを人に聞くにはハズカシイ。
でも……………どうにかしたい。
そんな装いに関するアレやコレ。
QUESTION Boxにおまかせを。

Q015.
着込むと暑く、薄着では肌寒い。
何かと難しい春先のレイヤード術を教えてください。
Answer
素材感も見た目も軽やかで定番的な“ライトアウター”を使って、
季節感にも気を配った重ね着を実践しましょう。

王道ステンカラーは
変化を少々加えて

暖かな昼と少々冷え込む朝晩。季節の変わり目は何を着るかが難しいところ。アウターを羽織るにしても、ウールや起毛素材を用いた冬アウターでは季節感がマッチしませんね。
まずは、春らしい軽やかな素材のアウターのご用意を。春の訪れを感じながら、新たな年度の幕開けを心地よく迎えるにはちょうどいい存在です。
そこで選ぶべきおすすめの春アウターをご紹介。何とでも合わせやすく、持ち前の定番&トラッド感によって抜群の清潔感を醸すステンカラーコートなら、手取り早くキマることでしょう。
とはいえ、今年らしい変化も欲しいところ。少々ヒネリの効いたアイテムを選ぶのがおすすめです。
天然素材風味なシワ感で
ひと味加える

まずは、シワ感のあるナイロンオックス素材を用いたこちら。若干肩が落ちたデザインで、ゆとりあるシルエットに。ナイロンながらも天然素材ライクな風合いも特徴的で、優しげな雰囲気が伝わります。

英国名門<トーマス メイソン>の生地を用いたストライプシャツに、別注をかけた<リーバイス®>の501®、ウィスキーカラーのローファーでクリーンに。なお別注デニムは、28インチにレングスを統一し、ウエストのみ9サイズという幅広い展開。ここではウエスト36インチの太めをチョイス。
ストライプシャツやゆったりとしたストレートデニムなどと合わせて、トラッド感を強調してみたい。淡いトーンでまとめれば、春らしい華やかさが漂います。
新鮮さが加わるミドル丈

このところのオーバーサイジングブームから距離を置くように、短めの丈感もトレンドに浮上。やや腰下で裾がはためく軽快なライトステンカラーもトレンドを押さえた選択肢となるでしょう。

遠目には無地ながらも、近づくと多色使いの細かなチェック柄が見える奥ゆかしい仕上がり。ポリエステル×ウールのクリアな素材感も着こなしを上品に見せてくれます。

ダンボール素材のハリのあるフーディ、<グラミチ>のイージーパンツで、スポーティテイストをブースト。<ニューバランス>のスニーカーなら、トレンド感も高まります。
重量を感じないといっていいほど軽やかなアウターだけに、スポーティなアイテムでまとめて、さらなる軽快感を楽しんでみてはいかが? シックなカラーパレットのなかに、ライトグレーを取り入れて、春らしさも醸しています。
ジャケット見えする
カバーオールも重宝

ワーク出自の服らしいカジュアル感と、ジャケットのようなキレイめな雰囲気も同時に醸すことができるカバーオール。畝のあるカルゼ素材によって、表情豊かに見える上品な佇まいと、ドライタッチな肌ざわりの良さがポイントです。

いわゆる「くすみカラー」もラインナップしており、羽織るだけで春らしい表情を与えてくれます。

カバーオールにインした<セントジェームス>の白無地のバスクシャツは、ざっくりした素材感で、カバーオールのカルゼ素材と質感も調和します。
カバーオールの淡いプラムカラーはブラックのパンツで引き締め。ポケットがアクセントにもなる太めのカーゴとすることで、骨太感もさらりと醸しながら、大人な表情を生み出しています。白インナーが顔まわりにレフ板効果をもたらし、明るさをプラス。
一点投入で効果大な
“ひとクセ”ブルゾン

何かと使い勝手がいいのは、腰丈のブルゾンです。オールシーズン着用でき、身長なども問わずに誰にでも似合いやすい点もメリットでしょう。
少々個性のあるものを選んで、トレンド感を楽しんでもいいでしょう。面積が少ないぶん、多少の冒険も心強く受け止めてくれるはず。
バンドカラーブルゾンは
セットアップでキレイに

一見、バンドカラーシャツに思えますが、よく見ると裾にドローコードを配したコーチジャケットのような一枚。
防シワ、ストレッチ、吸水速乾性を備えたライトタッチの素材で、フロントには小さなドットボタン。結果、品よく映ること必至。

インしたのは、同じくバンドカラーのストライプシャツ。裾からチラリと覗かせる小技も洒落見えには有効です。
同生地で展開するセットアップパンツを合わせれば、持ち前のスポーティさにクリーンさがプラス。品の良いストライプシャツをインすれば、モードな雰囲気まで備わります。
ジップブルゾンは“無地見え”チェックで

やや大きめの襟が特徴的なスイングトップ風のブルゾンも有力な選択肢に。こちらも遠目に無地ながら近づくと多色の細かな格子柄が見え、奥行きあるポリエステル×ウール素材の表情が楽しめ、羽織っただけでも装いの印象を変えることができるでしょう。

こちらは、特に身幅や肩幅を広く設定しているため、ゆったりと羽織れて動きやすい点でも魅力的。ジップを締めてもクールに見えるよう設計されています。

インナーは同系色のロングTシャツ。明るめのサックスブルーがアクセントに。ブルゾンは襟付きなので、羽織るだけでグッと上品さがアップします。
ブルーグラデーションのトップスに白デニムを合わせれば、フレンチシックな雰囲気にも。明るい春空を思わせる爽やかな着こなしに、ダークトーンのシューズが全体を引き締め。クリーンな休日スタイルが完成します。
いずれも、軽やかなアウターたち。気温が上がったときに手持ちしていても煩わしくない点でも推奨できます。
春先以降、意外と長く使える軽やかなアウターは、梅春と呼ばれるこの時期こそ狙い目かもしれませんね。