ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

UA唯一のセールスマスター“プラチナ”称号が導く、最上級の暮らしのカタチ。

ヒト

2025.12.04

UA唯一のセールスマスター“プラチナ”称号が導く、最上級の暮らしのカタチ。

〈ユナイテッドアローズ〉(以下、UA)が、新たなライフスタイル提案として、イタリア発のラグジュアリー家具ブランド〈Poliform(ポリフォーム)〉の取り扱いをスタート。上質な家具を通じて、日常をより豊かに整える空間作りを後押しします。この取り組みを牽引するのは、UA社独自のセールスマスター制度唯一の“プラチナ”に認定されている藤田 裕貴さん。今回は、〈Poliform〉の魅力に加え、藤田さんが大切にしているお客様との向き合い方についてもお話を伺いました。

Photo:Yuko Sugimoto
Text:Riho Abe

お客様との豊かな時間が育てた、藤田さん流の接客スタイル。

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− まず、藤田さんの入社経緯やご経歴を教えてください。

19歳の頃、よく通っていたUA神戸のお店で、ひとつ年上の先輩スタッフと出会ったことが入社を志したきっかけです。その先輩は、愛嬌があり、礼儀やファッションの基本を丁寧に教えてくださる方で、その姿に強く惹かれました。1997年に入社し、複数店舗を経て、2011年にセールスマスターに認定されました。その後2016年にゴールドへ、2021年にはプラチナへと昇格し、現在は、UA本部にてパーソナルサービス全般を統括しながら、新規顧客の開拓や既存顧客との関係構築、パーソナルスタイリングなどを担当しています。

− 社内で唯一、セールスマスター最上位であるプラチナに認定されている藤田さんが、接客において大切にしていることはありますか?

「お客様と深く、広く繋がること」です。お客様の日常には、実にさまざまなシーンがあります。朝の散歩やランニング、家族とのリラックスタイムといったプライベートな時間。株主総会やセミナーでのご登壇など大切なビジネスシーン。旅行や出張、ゴルフやテニスなどのアクティビティ、記念日や式典といった特別な日もあります。こうした日常を立体的に理解することで、洋服を通じてひとつひとつのシーンを思い描きながら、お客様に寄り添ったご提案が出来ると思っています。

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− どのように現在の接客スタイルを培ってこられたのでしょうか?

お客様との時間から学んだことが、いまのわたしの接客スタイルを形作っていると感じています。「ハワイに行くならこのホテルがいい」「京都ならこのお店で食事をするといい」といったように、お客様が素晴らしい体験をされた場所を教えていただくことも多く、お話に触れ、実際に体験しに行くことで良質なサービスや時間の過ごし方に対する自分の視点や想像力が育まれました。大好きなラグジュアリーホテルでの滞在ひとつをとっても、“どこで、誰と、どう過ごすか”によって必要な装いは大きく変わります。一日の中で何度も着替えることも、いまでは珍しくありません。単なる“TPO”にとどまらず、その瞬間を具体的に想像しながら最適なスタイルを考えることの大切さを、お客様との関わりで学んできました。

− 28年前、UAでのキャリアを神戸でスタートされていますが、いまも当時のお客様とお付き合いが続いているそうですね。

わたしがいまの役割をいただけているのは、長くお付き合いしてくださっているお客様のおかげだと感じています。中には、神戸の店舗に在籍していた頃から25年以上お世話になっている方もいらっしゃり、いまでも変わらず気にかけてくださっています。2006年に東京へ異動してからは、各界でご活躍されているお客様を担当させていただく機会が増えました。そうしたご縁が現在の業務にも繋がっています。ただ、その根底にあるのは昔から変わらない「目の前のお客様にご満足していただくために創造しご提案し続ける」という姿勢です。その積み重ねがあったからこそ、いまの自分があるのだと思っています。

イタリア発のラグジュアリー家具ブランド<Poliform>の取り扱いを開始。

− 今回、新たに取り組まれているプロジェクトについて教えてください。

UAでは、イタリアのラグジュアリー家具ブランド〈Poliform〉の取り扱いをスタートしました。ファッションだけでなく住空間まで含めてお客様をサポートし、日常をより豊かにしたいという思いが背景にあります。暮らしを心地よく彩る提案を模索していく中で、上質な住空間作りに寄り添う〈Poliform〉と出会い、この取り組みがはじまりました。

− 協業のきっかけはなんだったんですか?

今回の協業は、いくつかの偶然が重なって生まれたご縁からはじまりました。まず、春に予定していたイタリア出張の直前、4月にオープンした株式会社アクタス様が国内総代理店を務める〈Poliform TOKYO〉をご紹介いただいたことが最初のきっかけです。〈Poliform〉はイタリア・ブリアンツァに本社を置くブランドで、ちょうど出張先がイタリアだったことから、現地の本社を訪問する機会に恵まれました。そこで触れた〈Poliform〉の哲学やクラフトマンシップ、そして現地の方々のあたたかい人柄に強く惹かれ、「彼らと一緒に仕事がしたい」「彼らが愛情を込めて創り上げてきた価値をお客様に届けたい」と心から感じるようになりました。その想いが積み重なり、今回の協業へと繋がっていったのです。

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− 〈Poliform〉の魅力について教えてください。

最大の魅力は、空間全体をひとつの世界観で統一出来ることです。家具だけでなく、空間そのものをトータルで設計出来るブランドは、イタリアでもわずか数社しかありません。その一社が〈Poliform〉です。話題の麻布台ヒルズをはじめ、都内の高級レジデンスに多く採用されており、上質な暮らしを求める方々の間で認知が広がっています。中でも「センツァフィーネ」と呼ばれるシステムクローゼットの洗練されたデザインと高い機能性には強く魅了されています。棚や引き出し、照明などを自在に組み合わせられるカスタマイズ性に加え、内部構造を美しく隠す細部へのこだわりが随所に息づいています。無駄を削ぎ落とし、控えめな高級感をまとった“サイレント・ラグジュアリー”の佇まいや、アイランド収納ユニット「セットアップ」による、まるでブティックのような演出も大きな魅力です。そうしたクローゼットに、UAでお選びいただいた洋服がキレイに並んでいる姿を想像するだけで、胸が高鳴ります。

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− 家具という新たな領域に提案が広がっていますが、その背景となる経験や考え方はなんでしょうか?

これまでわたしは、生地選びから仕立てまで一着を作りあげる、いわゆるビスポークオーダーの世界で多くのお客様と向き合ってきました。さまざまなテーラーと仕事をする中で、出来ないことを出来るようにする工夫や、想像を超える提案力を磨いてきたと感じています。〈Poliform〉は空間全体をデザイン出来るブランドだからこそ、暮らしをどう整えるかという、お客様の想像をさらに広げるご提案ができます。わたし自身も、お客様が思い描く以上の“ひとつ先”をご提示し、「次はなにを提案してくれるのだろう」と期待していただける存在であり続けたいと考えてきました。単にご要望に応えるだけでなく、「持っていると生活が豊かになる」と自然に感じていただけるご提案をすること。その姿勢は、洋服でも家具でも変わりません。

販売員という職の価値を、自らの手で高めていく。

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− 社内では「藤田さんのように」と憧れる声が多いと伺いました。そんな藤田さんが描く、これからの展望を教えてください。

ありがたいことにそのような声をいただく機会もありますが、自分が特別だとは思っていません。それぞれのスタッフが自分のお世話になっているお客様と向き合う中で、多くの気づきや可能性を持っているはずです。その“気づき”を一歩踏み出して、カタチに出来る人がもっと増えて欲しいです。〈Poliform〉の取り扱いをきっかけに、「こんな提案をしている人がいるんだ」と社内に広がるといいなとも思っています。かつては「販売員の地位を上げる」という言葉に向き合ったこともありました。しかし、いまは価値は会社が上げるモノではなく、自分自身の姿勢と積み重ねによって高めていくモノだと感じています。わたしはお客様から褒められることは決して多くありません。だからこそ日々緊張感を持ってお一人おひとりと向き合い続けています。そして、お褒めの言葉をいただけた瞬間は、お役に立てて本当によかったと心から思えるのです。お客様からの信頼の積み重ねこそがブランド価値を育み、それが結果として販売員という職の価値を高めていくのだと信じ、これからもその信念を胸に、歩みを止めず挑戦し続けていきたいと考えています。

PROFILE

藤田 裕貴

藤田 裕貴

1997年にユナイテッドアローズに入社。2011年にセールスマスターに認定され、2016年ゴールドに昇格。2021年プラチナに昇格。現在は、UA本部でパーソナルサービス全般を統括しエグゼクティブマネジャーとして、新規顧客の開拓や既存顧客との関係構築、パーソナルスタイリングを担当し、長年の経験と豊富な知識をもとにお客様お一人おひとりに最適なご提案をおこなっている。

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