シテンの視点 #15
WOMEN / MEN / シテンの視点
2022.02.18
シテンの視点・#15「Theatre acedtla」
文:シテン クリエィテイブ・アドバイザー 百々 徹
ACE HOTEL DTLA(Down Town Los Angeles)少し前のこと、 昔なら歩くことすらはばかれたエリア、ぐっと治安は良くなっていた。アート地区という都市計画のもとどんどん魅力的なエリアになった、アートと言えばACE 、LIVE と言えばACE 、でもまたコロナで治安があまり良くない。分断の象徴のような街の側面も見せるDTLA
ホテル経営の視点からACEを見るシテン。
ジャンル分けしにくいホテルの一つにACE HOTELがある。西海岸の北、シアトルやポートランドから始まった。類稀なセンスを持ったファウンダー創業者がリノベーション案件にそのセンスを発揮して、デザインホテル、アーティスティックホテルとも分けにくいジャンルの先駆けとして時代の寵児になった。古いビルやホテルをリノベーションして、身の丈にあったセンスの良い、でいながらとても居心地の良いホテルに仕上げ直すという考えは、あるようで実はなかった。調度品の家具や、アメニティの種類や香りの良さなどが、出張や観光の客筋のそういうところに敏感な人たちに、好印象で迎えられた。併設した、ポートランド由来のコーヒースタンド・スタンプタウンコーヒーロースターズと相まって、いわゆるサードプレース的な要素、雰囲気を醸し出して、ロビーなどには多様な人々が行き交っている。ホテルが出店している立地もセンスある都市が多い、例外としてのパームスプリングスもあるが、ここもロードサイドのレストランをリノベして、レストラン、プール、点在する宿泊棟などを含めて、リノベーションと新しく建てたものをミックスさせて、投資そのものを巨大化させずに、物件そのものを成立させている。(とてもセンスの良かったファウンダーは若くして不運にもお亡くなりになってはいるが、その意思を事業チームとして今に継続させているようだ) 今や、ポートランド、シアトル、パームスプリングス、N Y マンハッタン、LADT、ブルックリン、シドニー、ニューオーリンズ、そして京都である。どの街も一癖も二癖もの魅力のある街である。その出店する立地を決定する思想すらが素晴らしい。実はここにロンドンもあったのである、イーストエンドのショーディッチ・ハイストリートにである。私が泊まった経験のあるACEでは一番好きだった。決して便利な場所ではなかったが、ショーディッチという街の魅力とともにホテルとして、自分的には傑出していたのだった。このコロナの時代の背景を受け、廃業している、おそらくロンドンという家賃の高い立地では、客の来ない状況を耐えるのは難しかったのだろう。でも改めて時代が良くなれば再出店すると、何かで読んだ記憶がある。
ACEの魅力は立地の良さと、内装のアート感、と、ロビーのわいがや、ワイワイガヤガヤである、大体どこのACEも明け方近くまで、騒々しいのである。でもそれがまた、何かを感じさせるわいがやなのである。それが気に入らないのなら、泊まれないホテルでもある。客筋を見ていると、結構普通の人たちが多かったように思う、ビジネスマンとかご年配のカップルとか、もちろん若い世代も、バランス良く利用されているように、いつも感じてはいた。それはひとえに普通のサービスや、新しい時代のホスピタリティーとは?を感じさせうるぐらい、ホテル経営としては内容が進化していたように思えた。もちろん私の個人的な解釈の上という前提がありますが。
そして、いろんなACEで行われているライブの魅力がある、アートイベントはもとより、シアターとしての映画、そして音楽ライブパフォーマンスである。これらが、ホテルとしての魅力の質を高めているように思えるのだ。まだまだ拡大し続けているACEには大きな期待をしています。
さしずめ、ロンドンには戻って欲しい。
ACE のグラフィックの良さは伝統、というか伝説となった。
エレベーターの9階を意味している、笑いますよね、ホテルはもっともっと楽しいところであるはずなのですが、今の概念はなくていい。
この奥にL I V Eのステージがありますが、音はまる聞こえ。そこもいいな。
Ace dtla のバー夜になるとここにいることになる、鏡に映り込んだ自分。
映画 「y tu mamá también」 メキシコ国境に比較的近い、大都会であるLAはメキシコ系の優れた映画もあり、こういうものをホテルで上映会している。
ACE らしい感覚であるとも。
アーティストをリスペクトするイベントは年中やってる。
ものには色んな視点、諸説があると思います。多様な角度からの視点で見ていますことをお含みおきくださいませ。
およそ2週に一度のペースでコラムを担当させていただいています。
【百々 徹】
2000年から2020年の約20年間グリーンレーベルリラクシングのクリエイティブディレクターをつとめる。
今はその知見を活かした様々なアドバイスをしています。
参考:ACE INSTAGRAM