シテンの視点 #20

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2022.06.15 

シテンの視点・# 20「インターメディアテクの視点」

文: 百々 徹

東京駅の丸の内側の出口を出ると、モダニズムなビルが立っている、旧東京中央郵便局である。
この界隈では私の一番好きな建築物で、古い構造物をうまく残して現代の使い勝手にしているとてもいい例です。

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世間で言うところの
JPタワービル、いわゆるKITTEビルであります。いろんな商業施設も入居している中に、場違いな博物館的な施設として重厚な設備什器と共に荘厳な佇まいの中にある、インターメディアテク。それは日本郵便株式会社とミュージアムのあり方について研究を続ける東京大学総合研究博物館が協働して、現代社会におけるミュージアムの役割を追求すべく創設された社会貢献施設。インターメディアテクとは目に見え感じることができる、標本などの実物、東京大学が1877年の開校以来蒐集してきた標本の展示博物館であり。その表現、規模に圧倒され、展示の方法なども、日本のどこにも無いように思える。それは来訪者がその中の現場に立ち会い、自らをそこにおいて感じることのできる、創造の世界があるように思える。現代都市空間の中でも、かなり異質なものとの遭遇でもある、理科室や研究室でしか出会えなかったものが、この規模にして、しかも東京駅の駅前に、しかも無料で存在しているのであるから。


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あらゆる創造的な仕事などに携わられる人は是非、この異空間に身を置いていただきたいと私などは思うのだが。取り組まれている、その創造のゼロからの創出の何かに繋がるように感じるのです。
それが設立の意図でもありますし。また、大学における先端研究やユニークな創造の世界を、標本などの常設されている展示物と共に並べることによって生まれる何かがあるようにも思う。それらの研究成果を広く広めるためのオリジナルグッズの企画販売も行っているようです。ここも興味深く、面白いところです。これらから部外である私たちが得るものも多いように感じる。これを眠らせるには惜しいし、ビジネスの現場の人間や、社会を動かしている中心的な人々こそが、ゆっくりとこれらに触れ合うことで、さらに次につながる何かの創造になると思う視点があるように。それこそが社会貢献の一助だと思う。なぜなら、まず普段は出会えない、テクノクラートの集大成がここにあるから。それが視覚的にメディア的に面白く、興味を持てる内容にあるからで、この発信を受け止めて何を思うかの科学反応が面白いと思う。
「開館の辞」にもあるように、現代のミュージアムは、われわれ人間が自分たちを取り巻く世界をどのように受け止めてきたのか、その俯瞰的な眺めを末永く存続させるための場所であるというだけではなく、そこに集められたモノやコレクションからどのような新しい知見や表現を導き出すことができるか、その可能性を探求し、提示する場所でもなくてはならないと言うことなのだろう。世にある歴史的なものや遺産は、実は重要な活用すべき未来へのリソースなのです、それはどんなものにも言えて、ビジネスにもしかりで、全てを捨てて新しいものなど生まれてはいなくて。踏まえること、そこからまた新しいゼロからの発芽があると言えるように思えてならないのですがいかがでしょうか。

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エスカレーター上がった受付のところ、見たことある人、知ってる人も多いでしょう。入ってみましょう無料です。東大+日本郵便の渾身の作です。

IMG_8747.jpeg中に入ってすぐのところ、博物館らしい佇まい、ここまでは撮影が可。テクノクラートの塊だ。

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現在行われていたロボットの展示、これが面白かった。

IMG_8980.jpegミュージアムショップに売っていた東大サプリメント デザインも秀逸
普段の生活ではまず出会えない視点がここにはあります。何かにぶちあたってしまった時、案外面白いなという、五感の感じるところに身を委ねるのもいいのではと思うのですが、いかがでしょうか。。。

ものには色んな視点、諸説があると思います。多様な角度からの視点で見ていますことをお含みおきくださいませ。

およそ月に一度のペースでコラムを担当させていただいています。

【百々 徹】
家具インテリアで15年、ファッションで22年、横浜・石川町の小さな雑貨店MWL STOREの店主として7年目、コラムニスト。

参考資料として:インターメディアテク、インターメディアテクHP、写真・百々 徹

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