シテンの視点 #25
WOMEN / MEN / シテンの視点
2022.11.07
シテンの視点・#25
文:百々 徹
ANDY WARHOL GOES POP
「芸術の秋」 だ。優れた美術展の「視点」が続くシテンの視点。京セラが関与し改装して、見事な美術館に生まれ変わってからの京都市京セラ美術館に3度目の訪問をした。最近見た美術館展示において、一番と思うものだった。
まず、広くて見やすい、配置のセンスに優れている。ポップアートを表現するのは簡単ではない、それそのものが独立した、強烈な存在を放つからで、それをうまく表現しなければ、偉業の表現もうまく行かない、そういうケースは、ままあるから。で、京セラ京都、これがお見事、入口から入って5分も立たぬ間に、面白くて、美しくて、POPでARTで、愉しくて仕方ない状態に気分が高揚したのだった。
やってくれる、と笑みがこぼれてしまう。本来、今月はこのネタではなかったのであるが、急遽、美術館でウオホール!と叫んだ。まず、いつも行く美術展と違ったのは、観客達が若い、とことん若く、みんなファッションをしていた。この日は8割がそんな人たち、それもほとんどが女性だった。これは他の美術展とは明らかに異なった。しかも、もうかなり昔、60年からも前の作品や事象なのにである。Z世代の人たちがたくさん押し寄せている。みんな楽しそうに作品を見ながら話している。そして写真を撮っている、そうなのだ、動画がダメなだけで、ここでは写真はどれでも撮っていいとのことである。ココだ、彼女達が楽しく、仲間達とポップアートを背景にたくさんの写真を撮って、リアルで感動をシェアしてリアルタイムに発信している、それが共感を呼び、またその友人たちがやってくるのだ。それらは展示や表現が可愛くなければその対象にならないだろう、60年たった今も、尚且つ、前衛のポップアートであることを印象づける展示がなされているからということもあるのだろう。楽しくて、記憶に残る展示になっている。
視点を変える、きっかけは「旅」
ファッションのシテンで展示会を切り取ってみた。ミュージアムショップの企画や製品が良いデス。ここんところでは一番だったかも。よく売れてました。
2月までやっているので是非。
図録がまた良い、とにかく展示会場入口から出口までポップアートしてました。
京セラさすが。
ものには色んな視点、諸説があると思います。多様な角度からの視点で見ていますことをお含みおきくださいませ。およそ月に一度のペースでコラムを担当させていただいています。
百々 徹:家具インテリアで15年、ファッションで22年、横浜・石川町の小さな雑貨店MWL STOREの店主として7年目、コラムニスト。
参考:京都市京セラ美術館:ANDY WARHOL KYOTO 展 写真は許可されている場所のみを撮影