犀川慶彦_1984年、北海道・札幌生まれ。2005年入社。趣味は近所をランニングすることと、近場の温泉を巡ること。決して遠出はしないそう。
“らしさ”は、そのゆったりとした独特の間にある。口下手な犀川慶彦のセールススタイルは「まず着ていただく」ということ。「洋服って着ることで何かしらの気付きがあるものだと思うんです。ですから、試しに着ていただいて、どう見えるのかというのを実際に体験してほしいという思いがあります。一度、着るだけ着てみてください、とそっと差し出すような感じ。喋りが達者ではない分、お客様の雰囲気やご要望を素早く察することを意識しています」。もちろん、単に要望を聞くだけでは終わらない。必ず個人的なおすすめを1着持っていく。それも、なるべくお客様が手に取らないようなものから選ぶのが信条だ。「今までにない、新しい視点に気がついたときってすごくファッションが面白く感じられる瞬間だと思うんです。だからこそ、プラスαの提案をしたい。これは売り手としてではなく、同じ洋服好きとしてというところもあるんですけどね」
そう話す犀川はこの日、今季店頭に並んだばかりだというチェックのオリジナルスーツを着用していた。「僕が入社したばかりの頃は、ブリティッシュな雰囲気のスーツが主流だったんです。そんな環境で学んだ影響もあってか、柄のスーツが自身のスタイルの原点。ドレスは洋服のなかでも特に着る人の気分を上げてくれるもの。それこそ、歩き方が変わったり、食事に出掛ける場所が変わったりするほどのパワーを持っていると思うんです。カジュアルが主流の今だからこそ、同じような目線でスーツをもっと気軽に、自由に楽しんで頂きたいですね」