濱本 仁_1979年、千葉県生まれ。2003年入社。ショップ内随一の洋服好きで、毎年、年間で服を買わない月はないという。
「なんだ、これは!? 着たらどうなんだろうってとにかく衝撃でしたね」。濱本 仁はこう口にする。まず、洋服の世界に進むきっかけを尋ねたのだ。「自身のスタイルの根底にあるのは、デザイナーズの洋服。例えば、《ラフ シモンズ》や《ディオール オム》。それまで見たこともないような洋服との出会いがすべての始まりですね」。さらに、入社から現在まで、勤務したすべての店舗でデザイナーズブランドを扱っていたことも自身のスタイルを作る上で大きく影響したのだろう。そして、現在のディストリクトで働くようになってから、ドレスへの考え方に変化があったという。多くのデザイナーズブランドが並んでいながら、同じフロアに手の込んだスーツが並ぶショップの特色をどうコーディネートで表現するか。「自分のルーツをどこかに入れて、いかに「濱本っぽいよね」という着こなしができるかを考えています。今日は、インナーにオレンジのシャツを着ていますが、やはりヨーロッパのデザイナーズブランドの色使いから影響を受けている部分が大きい。ジョン・ムーアのデザインを踏襲した《ロサモサ》のシューズもそう。アクセサリーも普段身につけているものをそのままつける。僕は、カジュアルもドレスも同じ感覚で着るようにしています」。
ドレスウェアはカジュアル同様、人生を豊かにしてくれるモノだというのが濱本の考えだ。だから、もっと自由で良いのだと。「古着がすごく好きな人なら、ヴィンテージのTシャツの上からスーツを着る。それってかっこいいことだと思うんですよね。スニーカー履いて、キャップを被ってもいい。もちろん、ルールはあるけれど、それって相手に対するマナーだと思うんです。それさえ気をつければ、あとはどう着ようが自由だし、誰も咎める人なんていないはず。デートの時、彼女にちょっと言われるくらいのものですよ(笑)」