カシミヤのセーター

Standard Book ずっと大切にしたいもの。

カシミヤのセーター

Cashmere Sweater

「繊維の宝石」と讃えられる
自然からのギフト

カシミヤ。なぜだろう、その響きにはあらがい難い魔法のような魅力がある。幼い頃お気に入りのブランケットにすっぽりくるまれた安心感と、大人になった自分自身を誇りたくなる高揚感。カシミヤをまとうと、その両方の幸せに包まれるからだろうか。

その名は、インド北境・カシミール地方の山羊の毛を製品化したことに由来する。カシミヤ山羊は、主にアジア大陸の寒暖差が激しい山岳地方に生息。冬季には氷点下30℃を記録する厳しい環境下で、極寒から身を守るため剛毛の下に柔らかな産毛を蓄えるそう。この産毛こそが、カシミヤの原材料だ。アフガニスタンやイラン産なども知られているが、中国の内モンゴル自治区産が、世界的に最高品質を誇るとされる。

環境に順応した寒気や乾燥に強い耐久力を持ち、圧倒的に軽くて繊細。また、縮れ毛状でよく絡み合うため、編み立てられた製品は空気をたくさん抱え込み、放熱を抑える二重サッシのような役割を果たす。更に、繊維の表面を覆ううろこ状のスケール(キューティクル)が常に呼吸し、快適な温度をキープ。誰もが魅了される上品な艶としっとりとした肌感も、このスケールによるものだ。

また、体を覆う毛を丸ごと刈り取るウールは一頭あたり3〜4kg採れるのに対し、内側の産毛のみ採毛するカシミヤ山羊の場合は100g程度とごくわずか。セーターを一枚つくるためには、数頭分の原毛が必要となる。
素材としての特徴と希少性。この2点が、プレミアムな存在にしている。

15世紀にシルクロードを通じてローマに渡ったカシミヤ製品。1798年には皇帝ナポレオン1世がエジプト遠征のお土産として、妻へインド産のカシミヤ・ショールを持ち帰ったという逸話もある。そして、当時フランスのファッションリーダーだった彼女の影響で瞬く間に上流社会で流行したそうだ。そんな流れもあり、大量生産を見込んでカシミヤ山羊を連れ帰りヨーロッパでの放牧を試みたことがあるらしい。しかし、原産地よりずっと気候が穏やかな土地では、細かくて柔らかい産毛はほとんど生えてこなかったのだとか。

ガーゼのように繊細に透けるハイゲージから、リラックス感漂うローゲージまで。今年もまた、自然が育んだ奇跡に想いを馳せ、感謝し、身も心も満たされる季節がやってくる。

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Photograph_ Reiko Toyama
Text_ Kanako Uchida
hair & make-up_ Katsuyoshi Kojima(TRON)
Model_ Simon(BE NATURAL)、Miiya Kudo(HOLIDAY)
Edit & Web_ Rhino inc.