Glen check グレンチェック
「トラッド」「スタンダード」「ベーシック」。
流行とは関係なくファッションの
根底にある普遍的なもの。
スタイルのキーとなるそれは、
いつの時代も
色褪せることなくタイムレスな魅力を放つ。
今、そこに改めて立ち返ってみる。
Glen check グレンチェック
「トラッド」「スタンダード」「ベーシック」。
流行とは関係なくファッションの
根底にある普遍的なもの。
スタイルのキーとなるそれは、
いつの時代も
色褪せることなくタイムレスな魅力を放つ。
今、そこに改めて立ち返ってみる。
グレンチェックとは、千鳥格子とヘアラインストライプなどを組み合わせたグラフィカルな格子柄。広義ではスコットランド伝統のタータンチェックの一種であり、正式名称はグレナカート(Glenurquhart)チェックと言う。その由来はスコットランドのアーカート(urqurhart)という渓谷(glen)で織られていたという話や、グレナカート家を表す柄など、諸説がある。
”キング・オブ・スーチング”と言われるように、古くから紳士の社交界において洗練されたフォーマルな生地として位置付けられ、歴代のセレブリティに愛されてきた。大判のカラーチェック(オーバーペーン)を重ねたグレンチェックは、英国のウェールズ公、後のエドワード7世が好んだことから”プリンス・オブ・ウェールズ”と称され、その孫で王室一の洒落者として名を馳せたウィンザー公が愛用したことでも広く知られている。エドワード7世は、ジャケットやベストのみならず、ケープ、コート、キルトスカートまでをエレガントに纏う写真が残されている。ウィンザー公は、スリーピースとキャスケットを柄違いで揃えたり、グレンチェックのジャケットにギンガムのタイとストライプシャツをコーディネートしたりと、柄on柄をモダンに粋に着こなしていた。
コート(WOMEN)
〈BEAUTY&YOUTH〉
¥41,800
ジャケット(MEN)
〈green label relaxing〉
¥31,900
英国の由緒ある品格は、ゲイリー・クーパー、フレッド・アステアなど往年のハリウッドの名優たちをも魅了したようだ。また、映画『007』シリーズでは、初代のショーン・コネリーから、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグまで、歴代のジェームズ・ボンドたちが時代に合わせて華麗にスーツを着こなしている。
ウールで織られた黒×白のパターンが基本なので、落ち着いた印象を持ちがちだが、精緻な小柄からグラフィカルで大胆な大柄まで柄の大きさもさまざま。さらに配色や組み合わせによってバリエーションは多岐にわたる。梳毛で織られたクリアな生地にはフォーマル感があり、素朴な紡毛はカントリー調の趣きを持つなど、素材によって表情が異なるのも特徴だ。
クラシカルなジャケットやコートは、タイドアップスタイルはもちろん、カジュアルなセーターやデニムに羽織るだけでトラッドなきちんと感が出るのが嬉しいところ。メンズライクな印象が逆に凛とした女性らしさを際立たせるのも面白い。最近ではリラックスしたノーパッドのジャケットや軽やかな生地の一枚仕立てのコートなど、気軽に取り入れられるデザインが豊富にリリースされている。グレンチェックの歴史や背景を知ることで、着こなしや楽しみ方もさらに広がるのではないだろうか。
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