コーデュロイ

Standard Book ずっと大切にしたいもの。

コーデュロイ

Corduroy

クラシカルな趣きと素朴さを持つ
秋冬の定番ファブリック。

縦畝が特徴的なコーデュロイは、毛羽のある表面の光沢感と柔らかな肌触りに加え、空気を含む保温性を持つ秋冬のスタンダードな素材。パイル織りした生地をカッティングすることで畝の凹凸を出すという手間のかかる生産工程を経て作られる。

その起源は古く、古代エジプトの綿織物”ファスチャン織り”がルーツとも言われ、中世になるとイタリアやスペインの商人によってヨーロッパ中に伝えられた。一説によると、コーデュロイの語源はフランス語で、18世紀初頭にフランス国王ルイ14世に献上された生地を”王様の畝”=corde du roiと呼んだのが由来だとか。その美しさと丈夫さから宮廷専属の庭師の作業着などに用いられていた。18世紀中頃にはイギリスの産業革命で大量生産され、ワークウェアの素材として普及していった。日本には明治時代頃に伝わり、最初は草履や下駄の鼻緒に使われていたようだ。「コール天」とは日本独自の呼び名で、その語源は英語の”Corded Velveteen”。コード(畝織り)+天鵞絨(てんがじゅう・びろうど※ベルベットの和名)と合わせたものと言われている。

畝の太さによって印象が変わり、ベルベッドに近い上品な細コールから、中コール、太コールと畝が太くなるにつれ、素朴な味わいが増していくのも特徴的だ。素材はコットンが一般的だが、現在ではレーヨンやポリエステルを混紡したもの、ウールまで幅広く展開されている。

ファッションとして認知されたのは、1950年代アメリカのアイビーリーガーたちがコーデュロイのジャケットやパンツを愛用したことがきっかけ。当時のトラッドな着こなしは、映画『卒業』(1967)のダスティン・ホフマンや『明日に向かって撃て!』(69)のポール・ニューマン、『アニー・ホール』(77)のダイアン・キートンなどに見ることができる。1960年代に〈リーバイス®〉からコーデュロイを用いて登場した「519」は、コーデュロイの「501」的存在として今もなお愛されている名品である。また、ファッション好きで知られる映画監督のウェス・アンダーソンは、マンハッタンで誂えたキャメルのコーデュロイスーツをこよなく愛し、その風変わりでクールな魅力を伝えた1人。お気に入りの〈クラークス〉のワラビーと合わせて、年に200日も着ているのだとか。

どこか懐かしさのある、素朴な風合いがコーデュロイの魅力。ワーク由来でカジュアルに着られるけれど、クラシカルな趣を持つのもいい。気軽に取り入れるなら、パンツがおすすめ。ワイドやテーパードのリラックスしたシルエット、新鮮なピンクやホワイトは冬のスタイルに洗練された雰囲気をプラスしてくれる。よいことではないが、温暖化に伴い暖冬が進む中、コットンの程よい保温性を持つコーデュロイの出番は増えそう。素朴な温かみが、今の気分に寄り添ってくれるのではないだろうか。

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Photograph_ Reiko Toyama
Text_ Naoko Sasaki
Hair & Make up_ Yukiko Imanishi
Model_ Ines Yasuda (BE NATURAL)、VINCENT(NUMBER EIGHT)
Edit & Web_ Rhino inc.